12話『父の想い…母の気持ち…』
暫くして 母は 実家の お兄さん (私に とっては 叔父さん)の 進めも有り…
親類筋の会社に 就職を 決めた!
「これじゃ~ 自立した事に ならないわぁ~」
ママは そう…ぼやいて…いたけど
私は 正直(ホッ)と 胸を 撫で降ろした。
ママは 政治家の娘で お嬢様育ち…
しかも、大学卒業と 同時に パパと 直ぐ 結婚して
間もなく…私を 生んだ
だから、外で 働いた事なんて 無いのだ!
世間知らずな ママが 外に出て 働くなんて 正直 考えられなかった。
パパが そんな ママを 心配して ママのお兄さんに頭を 下げたのだ!
(まぁ… これは パパと私と 叔父さん 3人だけの…秘密!だけどね…(笑))
でも いくら…親戚の会社だと 言っても 現実は…厳しい見たいで…
毎日…ママは 何らかの 失敗をして 上司から 怒られるらしい…
学校から 帰り 夕食の 支度を していると…
(ガチャッ)
ママは 帰って 来て
「お帰り!」
そう言って 出迎えた 私に
「佐奈~ 聞いて!今日も 失敗 しちゃった!!」
そう言って 休みの日 以外は ほぼ…毎日 私に 愚痴を こぼす!!
だけど…内心は 新鮮な毎日を 結構 楽しんでる様で
愚痴を こぼした 後は 必ず、決まって
「よし! 明日も 頑張るぞ!!」
そう叫んで…ガッツポーズを 決めて見せた!!
私は パパと いた頃には 知らなかった ママを 見て無邪気さと 可愛さと 頼もしさを 日々…感じる様になった!
メールで私は今日も
奴に近況報告をする…
「はは…お前の ママ 中々頼もしいじゃん!」
奴から 返信が 返ってきた
「でしょう? まぁ~ 結構楽しくやってるよ!!」
「そうか… もう… あんなん親じゃねーよ!! なんてひねくれてる お前は 居ないんだな! 安心したよ!」
そう返ってきた 奴からの返信に…
私は ふと、昔の自分を 思い出していた。
長い間…
私は 両親に 愛されていない!
そう…思い…ひねくれていた!
けれど… 2年前 そんな 私に パパとママは
「ごめんなさい!!」
そう言って 私を 抱き締めて くれたんだ…
そして、私を 理解しようと…歩み寄って くれた…
どうして…パパとママが
突然、変わったのか!?
それは…今も 分からないけれど…
あの時が 無かったら
こんなに…素直になれた
今の自分は いないと 思う
それに…
「もう…19才だよ!何時までも ひねくれて られないでしょ?」
私は 奴に そうメールを 打った。
「もう…19才かぁ~ メル友 始めたのは 確か17才だったよな!?」
(本当だ!!もう…奴と 2年も メル友してる!!)
貴方は 今、幸せですか?
そんな…間違いメールから
始まった 奴と私…
そう言えば!?
奴には 本来 「幸せですか?」
と 聞きたい 大切な 友達が いるはずだ…
「なぁ? お前 死ぬ程 会いたい奴には あれから 会えたのか?」
私は 奴に 聞いた!
暫く…途絶える 返信
そして
(…♪)
奴から 返信が 届いた。
「一度だけ…逢えたよ」
(一度だけ…?)
「でも 逢えたんだ! 私もさ… 夢の中で 死ぬ程 逢いたい奴の 声を 聞いたよ!」
2年前…
(佐奈!! 愛してるんだ!!)
夢の中で 聞いた 誠の声を
思い出す…
「なぁ? 1つだけ…聞きたい事がある?」
奴に そう 送信する私
「何だよ?」
奴から 返信
「あのさ… どうしても 忘れられない奴を 忘れるには どうしたら いいんだ?」
(こんな事 奴に 聞いて どうするの?)
送信ボタンを 押した後
(ハッ)っと 我に 返り 私は 慌てて 電波を 追いかけた
だけど… 引き戻せる 訳も無く…
「どうしたんだよ?突然!?」
奴から 返信が 届いた。
「いや…何でも無い…忘れて…」
私は 慌てて そうメールを
返した。
時々…まだ (チクンッ)と 痛む
胸の奥…
私は…
(はぁ~)
深い…ため息を ついた。
親類筋の会社に 就職を 決めた!
「これじゃ~ 自立した事に ならないわぁ~」
ママは そう…ぼやいて…いたけど
私は 正直(ホッ)と 胸を 撫で降ろした。
ママは 政治家の娘で お嬢様育ち…
しかも、大学卒業と 同時に パパと 直ぐ 結婚して
間もなく…私を 生んだ
だから、外で 働いた事なんて 無いのだ!
世間知らずな ママが 外に出て 働くなんて 正直 考えられなかった。
パパが そんな ママを 心配して ママのお兄さんに頭を 下げたのだ!
(まぁ… これは パパと私と 叔父さん 3人だけの…秘密!だけどね…(笑))
でも いくら…親戚の会社だと 言っても 現実は…厳しい見たいで…
毎日…ママは 何らかの 失敗をして 上司から 怒られるらしい…
学校から 帰り 夕食の 支度を していると…
(ガチャッ)
ママは 帰って 来て
「お帰り!」
そう言って 出迎えた 私に
「佐奈~ 聞いて!今日も 失敗 しちゃった!!」
そう言って 休みの日 以外は ほぼ…毎日 私に 愚痴を こぼす!!
だけど…内心は 新鮮な毎日を 結構 楽しんでる様で
愚痴を こぼした 後は 必ず、決まって
「よし! 明日も 頑張るぞ!!」
そう叫んで…ガッツポーズを 決めて見せた!!
私は パパと いた頃には 知らなかった ママを 見て無邪気さと 可愛さと 頼もしさを 日々…感じる様になった!
メールで私は今日も
奴に近況報告をする…
「はは…お前の ママ 中々頼もしいじゃん!」
奴から 返信が 返ってきた
「でしょう? まぁ~ 結構楽しくやってるよ!!」
「そうか… もう… あんなん親じゃねーよ!! なんてひねくれてる お前は 居ないんだな! 安心したよ!」
そう返ってきた 奴からの返信に…
私は ふと、昔の自分を 思い出していた。
長い間…
私は 両親に 愛されていない!
そう…思い…ひねくれていた!
けれど… 2年前 そんな 私に パパとママは
「ごめんなさい!!」
そう言って 私を 抱き締めて くれたんだ…
そして、私を 理解しようと…歩み寄って くれた…
どうして…パパとママが
突然、変わったのか!?
それは…今も 分からないけれど…
あの時が 無かったら
こんなに…素直になれた
今の自分は いないと 思う
それに…
「もう…19才だよ!何時までも ひねくれて られないでしょ?」
私は 奴に そうメールを 打った。
「もう…19才かぁ~ メル友 始めたのは 確か17才だったよな!?」
(本当だ!!もう…奴と 2年も メル友してる!!)
貴方は 今、幸せですか?
そんな…間違いメールから
始まった 奴と私…
そう言えば!?
奴には 本来 「幸せですか?」
と 聞きたい 大切な 友達が いるはずだ…
「なぁ? お前 死ぬ程 会いたい奴には あれから 会えたのか?」
私は 奴に 聞いた!
暫く…途絶える 返信
そして
(…♪)
奴から 返信が 届いた。
「一度だけ…逢えたよ」
(一度だけ…?)
「でも 逢えたんだ! 私もさ… 夢の中で 死ぬ程 逢いたい奴の 声を 聞いたよ!」
2年前…
(佐奈!! 愛してるんだ!!)
夢の中で 聞いた 誠の声を
思い出す…
「なぁ? 1つだけ…聞きたい事がある?」
奴に そう 送信する私
「何だよ?」
奴から 返信
「あのさ… どうしても 忘れられない奴を 忘れるには どうしたら いいんだ?」
(こんな事 奴に 聞いて どうするの?)
送信ボタンを 押した後
(ハッ)っと 我に 返り 私は 慌てて 電波を 追いかけた
だけど… 引き戻せる 訳も無く…
「どうしたんだよ?突然!?」
奴から 返信が 届いた。
「いや…何でも無い…忘れて…」
私は 慌てて そうメールを
返した。
時々…まだ (チクンッ)と 痛む
胸の奥…
私は…
(はぁ~)
深い…ため息を ついた。
12話『父の想い…母の気持ち…』
「……」
私は そんな パパとママを
無言で 立ちつくし 見ている事しか 出来なかった。
長年…愛してきた 愛人を想い切れない パパの気持ち…
そして…そんなパパを 心から 愛するが故に…
別れを 切り出す ママ…
ママは 愛人に心を寄せる パパを ずっと 直人と 不倫関係を 続けながらも… 愛してたんだ!
今、初めて 分かる ママの 女としての寂しい…気持ち…
だけど…
愛人の方から 身を引いてくれたとはいえ
パパは ママの元に 帰って来たのに…
また、愛故に ママは パパを
手放そうとしている…
(愛って…複雑だ…)
本当に… 心から愛した人と
幸せに 結ばれる
それは もしかして
奇跡に 近い事なのかも 知れない…
そんな人に 出逢えた時
人は 初めて 心から 幸せ
に なれるのかも 知れない…
2人を 見ていると 何となく
そう…思う
それから… 数か月後
ママとパパは
正式に 離婚を した。
「自立して 1から 出直したい!」
そう…決意した ママと
一緒に 私も この屋敷から
出る 決意を 固めた!
パパは ママに
自分が 出て行くから 屋敷に 残るように 進めたが
ママは 私の学校の学費と落ち着く迄の 生活費だけを パパに お願いして
後の援助は 一切 断った
ママは 以外と 頑固だ!!
梅は ママの説得により…泣きながら… 屋敷に
残る事を 決断した
この後…
この屋敷に パパは 彼女と一緒に 住むのだろうか?
それは 分からない…
だけど… ママは 「彼女とパパには 幸せになって欲しい」
そう…言っていた。
私は そんなママの横顔が …とても綺麗に 見えて… 少しだけ…
誇らしく…思えた。
今、ママと私の目の前には
長年…暮らした 屋敷の
鉄格子の様な 門が ある
「佐奈…これから…苦労かけるかも…」
ママが ボソッと 呟いた。
私は そんな 頼りなげな
ママの肩を 抱いて
「大丈夫だよ!! 何とか なるさ!!」
そう言って 軽く(ポンッ)と叩いた。
「そうね… そうよね!」
ママの顔に 笑みが 零れる
今日で この屋敷とも お別れだ
この…鉄格子の様な 門の中には
小さな頃からの 私の思い出が 沢山…詰まってる
耳を すますと 庭の噴水の水しぶきの音が 聞こえてくる
私は 噴水の前で 泣きじゃくっていた 子供の自分に そっと (バイバイ)と 心の中で 別れを告げた。
そして…
ママと しっかりと 手を 繋ぎ…
新しい 新居…
アパートへと 向かった!!
私は そんな パパとママを
無言で 立ちつくし 見ている事しか 出来なかった。
長年…愛してきた 愛人を想い切れない パパの気持ち…
そして…そんなパパを 心から 愛するが故に…
別れを 切り出す ママ…
ママは 愛人に心を寄せる パパを ずっと 直人と 不倫関係を 続けながらも… 愛してたんだ!
今、初めて 分かる ママの 女としての寂しい…気持ち…
だけど…
愛人の方から 身を引いてくれたとはいえ
パパは ママの元に 帰って来たのに…
また、愛故に ママは パパを
手放そうとしている…
(愛って…複雑だ…)
本当に… 心から愛した人と
幸せに 結ばれる
それは もしかして
奇跡に 近い事なのかも 知れない…
そんな人に 出逢えた時
人は 初めて 心から 幸せ
に なれるのかも 知れない…
2人を 見ていると 何となく
そう…思う
それから… 数か月後
ママとパパは
正式に 離婚を した。
「自立して 1から 出直したい!」
そう…決意した ママと
一緒に 私も この屋敷から
出る 決意を 固めた!
パパは ママに
自分が 出て行くから 屋敷に 残るように 進めたが
ママは 私の学校の学費と落ち着く迄の 生活費だけを パパに お願いして
後の援助は 一切 断った
ママは 以外と 頑固だ!!
梅は ママの説得により…泣きながら… 屋敷に
残る事を 決断した
この後…
この屋敷に パパは 彼女と一緒に 住むのだろうか?
それは 分からない…
だけど… ママは 「彼女とパパには 幸せになって欲しい」
そう…言っていた。
私は そんなママの横顔が …とても綺麗に 見えて… 少しだけ…
誇らしく…思えた。
今、ママと私の目の前には
長年…暮らした 屋敷の
鉄格子の様な 門が ある
「佐奈…これから…苦労かけるかも…」
ママが ボソッと 呟いた。
私は そんな 頼りなげな
ママの肩を 抱いて
「大丈夫だよ!! 何とか なるさ!!」
そう言って 軽く(ポンッ)と叩いた。
「そうね… そうよね!」
ママの顔に 笑みが 零れる
今日で この屋敷とも お別れだ
この…鉄格子の様な 門の中には
小さな頃からの 私の思い出が 沢山…詰まってる
耳を すますと 庭の噴水の水しぶきの音が 聞こえてくる
私は 噴水の前で 泣きじゃくっていた 子供の自分に そっと (バイバイ)と 心の中で 別れを告げた。
そして…
ママと しっかりと 手を 繋ぎ…
新しい 新居…
アパートへと 向かった!!
12話『父の想い…母の気持ち…』
次の日
「ただいま!」
学校から戻ると!?
「お帰りなさいませ…」
梅が 出迎えてくれた
うつ向き加減で 元気がない梅
私は心配になって
「どうしたの? 具合でも悪いの?」
梅に…聞いた。
梅は… 「いいえ…実は、奥様が 朝から お元気が 無くて…サロンの椅子に 座ったまま…ため息ばかり ついていらっしゃるんです…」
そう言いながら サロンの方に 指を指した…
(ママが!?)
「そう…私が 見てくるから…梅は 心配しないで…」
私は 梅に そう言うと
ママの居る サロンへと
向かった。
リビングを 抜けると
観葉植物で 囲まれ 一面
硝子張りの サロンが ある
サロンには もう少しで 暮れようとする 夕日が 緩やかに 差し込んでいた。
私は サロンとリビングの
境にある バーカウンターで ママの大好きな ハーブティを 入れ
椅子にもたれかかり 夕日を (ボ~ッ)っと 見詰める ママの 横にある ガーデンテーブルの上に 置いた。
ママは 私に 気付かないのか!?身動き 1つせず ただ 前(夕日)を見詰めている
「ママ!!」
呼び掛けて見る!!
(ピクッ)
ママの 肩が 動いた。
「あっ佐奈…」
ママは 私を 見ると 口角を 僅かに 上げた…
(明らかに…元気がない…)
「ママの好きな ハーブティだよ!」
私はそう言うと…テーブルの上のコーヒーカップに…視線を落とした…
「まぁ~ 有り難う…」
(カチャッ)
ママは 手を伸ばし カップを 口に 運ぶ…
「美味しいわ…」
一口飲むと ママは そう言って(ニコリ)と 笑った。
「ママ…パパの事で 悩んでる?」
私は 前の 裏献金 告発の事で… パパに何かあったのか?
そう…思った。
実際…警察の捜査は まだ続いているし…
大分…下火になったとはいえ…
時々 まだ ニュースで 流れている
「パパはね…おそらく 今期限りで 政界を 引退なさるわ…」
ママが 呟く様に 言った。
(何となく…そんな 予感はしていた… )
いくら…正しい事をしたとは言っても
パパは 自分の 政党を 裏切った
国民にとっては ヒーローでも
政党の 偉い人にとっては
裏切り者だ!!
「うん…」
私は 静かに 頷く
その時
「ママもね…そろそろ パパを 自由にしてあげなくちゃ! そう思うの…」
そう…ママが 言った。
「えっ!!」
私は 思わず ママを見た
(どう言う事!?)
「ずっと、考えてたの… パパを 解放して あげなくちゃって!」
「ちょっと 待って ママ それって パパと 別れるって事!?」
ママの突然の言葉に 私は
ママに詰め寄った!!
ママが(コクリ)と 頷く
「そんな ここの所 ずっと仲良くやってたじゃない!!ママは パパを 愛して無いの!?」
私は そう言って ママの肩を 掴んだ!!
「愛してるから…愛してるからこそ…別れるのよ…」
ママの瞳から 涙が 一筋 零れ落ちる
(ママ!?)
「言ってる意味が 分からないよ!! ママ!? 」
私は(ゴクリッ)息を飲み込んだ…
「佐奈…パパはね…ずっと…違う女性を 愛して来たのよ…」
(違う女性!?)
「愛人の事!? 切れたんでしょう!?」
「違うわ…一年前… 向こうが 身を引いたのよ… 」(一年前?…パパが家に帰ってくる様になった頃だ!!)
ママは そう言うと
(ガタンッ)
椅子から 立ち上がった
「身を引いたって 愛人だもの!当然じゃないの!?」
私は ママの背中を 見詰めて そう言った。
「違うのよ…昔から…元々 あの2人は 愛し合ってた…それを当時 政治家だった 父の力を 借りて 彼女から パパを 奪ったのは 私の方なのよ!!」
(ママ…)
私は ママの告白に 言葉を
失った
「彼女は パパと私の結婚式の日に 自ら 行方を くらましたの… 多分 政治家の娘の私と 結婚した方がパパは 幸せになると 思ったのよ…」
その時!?
「何故!? 今 そんな事を!?」
背後から パパの声が した
(パパ!!)
振り向く私
パパは ゆっくりと ママに近ずいた。
ママは 振り向かず パパと私に 背中を 向けたまま 話しを 続けた。
「今、考えれば…その時には 貴方の子供が 彼女のお腹の中に 居たのね…」
「……」
うつ向くパパ
「当時…私との、結婚式を 迷っていた 貴方を 想い 彼女は お腹の子供と 一緒に 消えたのよ… 」
ママが そう言いながら
振り向き…パパを見た。
(ママ!!)
パパを見詰める
ママの瞳は 涙で ぐちゃぐちゃに 濡れていた。
「わたしが…わたしが 全て 優柔不断だったせいだ!!お前との結婚を 決めておきながら…彼女を 諦めきれず… 佐奈が 生まれてからも…わたしは 彼女を 探しまわった!
そして……長い不倫関係を続け……お前と佐奈を 苦しませてしまった!」
そう言うと…パパは ママの前に 膝まづいた
「本当に…すまなかった…わたしは…この後の人生をお前と佐奈への 懺悔の為だけに…生きるつもりだ!!」
床に 頭を こすりつけ
土下座するパパ!!
(パパ!!)
(やめて!!パパ!!)
私は パパに手を 伸ばした
その時!!
「もう…いいんです!!」
ママが パパを 抱き締めた
「貴方の気持ちは 痛い程…この一年で…分かりました!!」
パパを 抱き締めながら
ママは そう言った。
「何が…いいんだ!?わたしは…これから…」
そう言いながら 顔を 上げた パパの口を ママは 首を 横に振りながら…静かに 指先で…塞いだ。
「いいえ…本当に 愛する人と 一緒にいてこそ…幸せが 有るんです… 私も 貴方も…このままでは… 不幸になってしまう…」
「お前…何を…言ってるんだ!?」
ママの言葉に困惑の表情を浮かべるパパ…そんなパパに、ママは…
「一年前に 行方を 再び くらました 彼女は 今 息子さんと 一緒に 東京に います。 」
そう言った。
「えっ!?」
驚く…パパ!!
「探偵に 頼んで…探させたの…私は彼女に会いに行ったわ… 彼女は 貴方に会うつもりは無いと 言った けれど… 貴方になら 彼女の気持ちが 分かるでしょう!?」
ママが ニコリと 微笑み パパに…問いかける…
「お前…は…それで いいのか!?」
パパが 聞き返した
「私達…お互い 幸せになる為に 別れましょう…」
ママは そう言って 深く 頷いた。
「ただいま!」
学校から戻ると!?
「お帰りなさいませ…」
梅が 出迎えてくれた
うつ向き加減で 元気がない梅
私は心配になって
「どうしたの? 具合でも悪いの?」
梅に…聞いた。
梅は… 「いいえ…実は、奥様が 朝から お元気が 無くて…サロンの椅子に 座ったまま…ため息ばかり ついていらっしゃるんです…」
そう言いながら サロンの方に 指を指した…
(ママが!?)
「そう…私が 見てくるから…梅は 心配しないで…」
私は 梅に そう言うと
ママの居る サロンへと
向かった。
リビングを 抜けると
観葉植物で 囲まれ 一面
硝子張りの サロンが ある
サロンには もう少しで 暮れようとする 夕日が 緩やかに 差し込んでいた。
私は サロンとリビングの
境にある バーカウンターで ママの大好きな ハーブティを 入れ
椅子にもたれかかり 夕日を (ボ~ッ)っと 見詰める ママの 横にある ガーデンテーブルの上に 置いた。
ママは 私に 気付かないのか!?身動き 1つせず ただ 前(夕日)を見詰めている
「ママ!!」
呼び掛けて見る!!
(ピクッ)
ママの 肩が 動いた。
「あっ佐奈…」
ママは 私を 見ると 口角を 僅かに 上げた…
(明らかに…元気がない…)
「ママの好きな ハーブティだよ!」
私はそう言うと…テーブルの上のコーヒーカップに…視線を落とした…
「まぁ~ 有り難う…」
(カチャッ)
ママは 手を伸ばし カップを 口に 運ぶ…
「美味しいわ…」
一口飲むと ママは そう言って(ニコリ)と 笑った。
「ママ…パパの事で 悩んでる?」
私は 前の 裏献金 告発の事で… パパに何かあったのか?
そう…思った。
実際…警察の捜査は まだ続いているし…
大分…下火になったとはいえ…
時々 まだ ニュースで 流れている
「パパはね…おそらく 今期限りで 政界を 引退なさるわ…」
ママが 呟く様に 言った。
(何となく…そんな 予感はしていた… )
いくら…正しい事をしたとは言っても
パパは 自分の 政党を 裏切った
国民にとっては ヒーローでも
政党の 偉い人にとっては
裏切り者だ!!
「うん…」
私は 静かに 頷く
その時
「ママもね…そろそろ パパを 自由にしてあげなくちゃ! そう思うの…」
そう…ママが 言った。
「えっ!!」
私は 思わず ママを見た
(どう言う事!?)
「ずっと、考えてたの… パパを 解放して あげなくちゃって!」
「ちょっと 待って ママ それって パパと 別れるって事!?」
ママの突然の言葉に 私は
ママに詰め寄った!!
ママが(コクリ)と 頷く
「そんな ここの所 ずっと仲良くやってたじゃない!!ママは パパを 愛して無いの!?」
私は そう言って ママの肩を 掴んだ!!
「愛してるから…愛してるからこそ…別れるのよ…」
ママの瞳から 涙が 一筋 零れ落ちる
(ママ!?)
「言ってる意味が 分からないよ!! ママ!? 」
私は(ゴクリッ)息を飲み込んだ…
「佐奈…パパはね…ずっと…違う女性を 愛して来たのよ…」
(違う女性!?)
「愛人の事!? 切れたんでしょう!?」
「違うわ…一年前… 向こうが 身を引いたのよ… 」(一年前?…パパが家に帰ってくる様になった頃だ!!)
ママは そう言うと
(ガタンッ)
椅子から 立ち上がった
「身を引いたって 愛人だもの!当然じゃないの!?」
私は ママの背中を 見詰めて そう言った。
「違うのよ…昔から…元々 あの2人は 愛し合ってた…それを当時 政治家だった 父の力を 借りて 彼女から パパを 奪ったのは 私の方なのよ!!」
(ママ…)
私は ママの告白に 言葉を
失った
「彼女は パパと私の結婚式の日に 自ら 行方を くらましたの… 多分 政治家の娘の私と 結婚した方がパパは 幸せになると 思ったのよ…」
その時!?
「何故!? 今 そんな事を!?」
背後から パパの声が した
(パパ!!)
振り向く私
パパは ゆっくりと ママに近ずいた。
ママは 振り向かず パパと私に 背中を 向けたまま 話しを 続けた。
「今、考えれば…その時には 貴方の子供が 彼女のお腹の中に 居たのね…」
「……」
うつ向くパパ
「当時…私との、結婚式を 迷っていた 貴方を 想い 彼女は お腹の子供と 一緒に 消えたのよ… 」
ママが そう言いながら
振り向き…パパを見た。
(ママ!!)
パパを見詰める
ママの瞳は 涙で ぐちゃぐちゃに 濡れていた。
「わたしが…わたしが 全て 優柔不断だったせいだ!!お前との結婚を 決めておきながら…彼女を 諦めきれず… 佐奈が 生まれてからも…わたしは 彼女を 探しまわった!
そして……長い不倫関係を続け……お前と佐奈を 苦しませてしまった!」
そう言うと…パパは ママの前に 膝まづいた
「本当に…すまなかった…わたしは…この後の人生をお前と佐奈への 懺悔の為だけに…生きるつもりだ!!」
床に 頭を こすりつけ
土下座するパパ!!
(パパ!!)
(やめて!!パパ!!)
私は パパに手を 伸ばした
その時!!
「もう…いいんです!!」
ママが パパを 抱き締めた
「貴方の気持ちは 痛い程…この一年で…分かりました!!」
パパを 抱き締めながら
ママは そう言った。
「何が…いいんだ!?わたしは…これから…」
そう言いながら 顔を 上げた パパの口を ママは 首を 横に振りながら…静かに 指先で…塞いだ。
「いいえ…本当に 愛する人と 一緒にいてこそ…幸せが 有るんです… 私も 貴方も…このままでは… 不幸になってしまう…」
「お前…何を…言ってるんだ!?」
ママの言葉に困惑の表情を浮かべるパパ…そんなパパに、ママは…
「一年前に 行方を 再び くらました 彼女は 今 息子さんと 一緒に 東京に います。 」
そう言った。
「えっ!?」
驚く…パパ!!
「探偵に 頼んで…探させたの…私は彼女に会いに行ったわ… 彼女は 貴方に会うつもりは無いと 言った けれど… 貴方になら 彼女の気持ちが 分かるでしょう!?」
ママが ニコリと 微笑み パパに…問いかける…
「お前…は…それで いいのか!?」
パパが 聞き返した
「私達…お互い 幸せになる為に 別れましょう…」
ママは そう言って 深く 頷いた。