15話『暴かれる真相』
思えば 恵子は いつもこんな 不安気な 表情を 浮かべていた。
けれど そうさせたのは 誠では無く 今迄は わたしのせいだった。
わたしが、優柔不断だった為に お前と誠には 肩身の狭い思いを させて来た。
わたしには 長い間 妻(芳枝)がいた。 そして その芳枝との間に 産まれた娘 佐奈…
誠も 佐奈も わたしにとっては どちらも 可愛い 我が子だ
だが わたしは 当時の妻の子(佐奈)より この 恵子の子(誠)の方を 可愛がった
可愛がったと 言うよりは 自宅には 選挙のシーズンだけ 帰り 後は 恵子と誠の待つ マンションに 帰って居たので ほとんど わたしは、ある時期からの 佐奈の成長を知らない
今 考えても 本当に 佐奈にとっては 最低な父親だったと思う。 そして
当時の妻だった 芳枝にも わたしは 長い間の 苦しみを 与えてしまった。
芳枝と 出逢ったのは わたしが、政治家を 志し 芳枝の父親で 当時の大物政治家 中林卓三議員の 秘書になった時だった。 わたしは、中林氏に 気に入られ娘の 芳枝との縁談を 進められた。 芳枝も わたしに好意を 抱いていてくれた様で 話しは あっと 言う間に 進み 芳枝とは 深い関係になってしまった。
…だが、わたしには 当時付き合っていた 女性が 居たのだ それが 今 わたしの横にいる 誠の母 恵子だった。
当時、若かったわたしには 政治家と しての野心が
有り、今の汚い政治を 変えてやる!!と言う 夢があった その為 わたしは 恵子への愛を 棄て 政治家の娘、芳枝を 妻に選んでしまったのだ…
・・それが
全ての 過ちの 始まりだとは、あの頃のわたしには 想像すら 出来なかった。
わたしは 恵子と 自然と 距離を おく様になり…
恵子も それに 気が付いたのか? 自然と わたしから離れて行った。
だが、わたしは 芳枝との結婚式の前日に やはり 恵子の事を 諦める事が 出来ず…恵子のアパート迄 全てを捨てる覚悟で 逢いに行ったのだ
だが すでに アパートは もぬけの殻に なっており恵子は わたしの前から、行方を くらませていた。
思い直し 芳枝と 結婚式をあげ… 近い 後に 佐奈が産まれた。
だが わたしは 恵子への 愛を 捨て切れず 探偵に 依頼をして 自からも 恵子の 行方を 探し回った。
間もなく 恵子の居場所が 探偵に より 明らかになると わたしは 恵子に 逢いに行ったのだ。
恵子は 田舎に ボロいアパートを借り わたしと 居た頃より 数段やつれ果て
働きながら 1人の男の子を育てていた。
そんな 恵子を見て わたしは 後悔と 自責の念から 涙が 溢れ 止まらなかった
「お帰り下さい」
そう言って 泣き崩れる恵子に わたしは 子供の 父親の名を 聞いた
すると 恵子は
「父親は居ませんが、貴方で無い事は 確かです。」
そう言ったのだ。
結婚をしていない! それが 解った 瞬間 もう わたしには、恵子を 置いて 帰る事が 出来なかった。
恵子を どうしようも無く愛して居たからだ…
そして 戸惑う 恵子を 無理矢理 側に置き わたしは恵子に 愛人と言う 立場を与えてしまった。
そして 誠…
お前にも 愛人の息子と言う 重荷を 背負わせてしまったのだ…
お前達を本宅から、車で、2時間程の
マンションに 住まわせると、わたしは 自然と 本宅には 戻らず 恵子と誠の元に 帰る様になった。
当然、本妻(芳枝)との仲は日に日に 冷えてゆき
佐奈は、たまに 帰る、わたしを 成長する度、冷たい目で 見る様になって行った。
その反面
「叔父さん!」と 呼びながら 誠は わたしに なついてくれた。
その呼び名が 「父さん」に 変わったのは、恵子が実の父親を 明かしてから 約1年後の事だった。
何故 今迄 わたしの実子だと 恵子が 言わなかったのか? 全てを明かされた日 恵子を 責めた!
恵子は 「本宅に いつか戻る 貴方の負担に 成りなりたく無かった!」
と 答えたが、わたしには その頃、もう、本宅に 帰るつもりなどは 全く無く 恵子と誠 3人だけの 静かな暮らしを 望む 気持ちの方が 大きかった。
だが、「父さん」誠が 事実を 知ってから 1年後 初めて わたしを そう呼んだ日 あいつは、佐奈の担ぎこまれた 病院の待合室で 冷たい目で わたしを (キッ)っと 睨み付けたのだ!
何故、誠が ここにいるのか?
そして
「佐奈の事を もっと 考えろ!!」
そう 怒鳴るのか?
(誠には、佐奈の事は何も話してはいないはず!)
わたしは その日 困惑と 焦りの中で 誠に 問いかけた。
「何故 お前が ここ(病院)にいるのだ!? 何故 佐奈の事を 知っているんだ!?」
誠の鋭い視線が 突き刺さる!!
「そんな事 どうだって いいだろ! 何故 佐奈の事をもっと 深く 見てやら無いんだと 言ってるんです 父さん…」
「深く!?」
誠の言葉に 息を飲むわたしの横で 芳枝が 叫び声をあげる!!
「貴方ね 愛人の息子さんって!? 図々しい!! どうやって 佐奈と 知り合ったのかは 知りませんけど 顔を 見ているだけで 吐き気が してくるわ!! 消えてくださらないかしら!!」
「よせ!! 何て事を 言うんだ!! 誠に向かって!!」
わたしは 芳枝の言葉に 極度な 怒りを 覚え 片手を振り上げた!
その時
「やめろ!!」
誠が そう叫び 振り下ろそうとした わたしの手を 掴む
そして
「あんたに そんな 権利は無い!!」
そう言った。
その途端 わたしの視線は戸惑いの中、自責の宙を 泳ぐ…
見ると 芳枝は怯えた様な表情を 浮かべて、わたしを 上目遣いに見上げていた。
「すまない…」
わたしは うつ向き 振り上げた手を 静かに 降ろす
その時
「安心して下さい…俺は 母さんを 連れて 貴方達の前から 消えます」
芳枝を 真っ直ぐに 直視して 誠が そう 言ったのだ
「何を 言うんだ 誠!!」
わたしは 思わず 叫び声をあげた!!
すると 誠は
「佐奈の悲鳴が 俺には 痛い程 聞こえるんですよ
だから、消えるんです」
そう 答え 膝を ガクリと落とした。 そして
「貴方達には 聞こえないんですか? 佐奈の泣き声が… 夜の街で あいつは 貴方達に SOSを 送ってるんですよ!! どうして、愛してやらないんだ!? あいつは、このままじゃ 寂しくて 死んでしまう!! あの時の様に…」
そう言いながら わたしと芳枝を 見上げた。
「佐奈が 死のうと?」
芳枝が 誠に 聞く
誠は 深く 頷き
「そうです… あいつは 高1の頃 学校の屋上から 飛び降りようと したんです。」
そう言うと うつ向いた。
誠がうつ向いた床に 次々に 落ちてゆく 水滴
わたしと 芳枝は 言葉を 失った。
「お願いです あいつと 向き合ってあげて下さい
あいつの心の叫びを 聞いてあげて 下さい! あいつに 愛を あげてくれ!!
あいつが 笑って この先を進めるなら 俺は 何でもする!! だから、 頼むよ
あいつを…もう こんな 危険な目に 合わせないでくれ!!」
わたしと 芳枝の前で 膝まずき、叫びながら 土下座をする誠
「佐奈…」
芳枝が 泣いていた
気が付くと わたしの目からも 涙が とめどなく 溢れていた。
けれど そうさせたのは 誠では無く 今迄は わたしのせいだった。
わたしが、優柔不断だった為に お前と誠には 肩身の狭い思いを させて来た。
わたしには 長い間 妻(芳枝)がいた。 そして その芳枝との間に 産まれた娘 佐奈…
誠も 佐奈も わたしにとっては どちらも 可愛い 我が子だ
だが わたしは 当時の妻の子(佐奈)より この 恵子の子(誠)の方を 可愛がった
可愛がったと 言うよりは 自宅には 選挙のシーズンだけ 帰り 後は 恵子と誠の待つ マンションに 帰って居たので ほとんど わたしは、ある時期からの 佐奈の成長を知らない
今 考えても 本当に 佐奈にとっては 最低な父親だったと思う。 そして
当時の妻だった 芳枝にも わたしは 長い間の 苦しみを 与えてしまった。
芳枝と 出逢ったのは わたしが、政治家を 志し 芳枝の父親で 当時の大物政治家 中林卓三議員の 秘書になった時だった。 わたしは、中林氏に 気に入られ娘の 芳枝との縁談を 進められた。 芳枝も わたしに好意を 抱いていてくれた様で 話しは あっと 言う間に 進み 芳枝とは 深い関係になってしまった。
…だが、わたしには 当時付き合っていた 女性が 居たのだ それが 今 わたしの横にいる 誠の母 恵子だった。
当時、若かったわたしには 政治家と しての野心が
有り、今の汚い政治を 変えてやる!!と言う 夢があった その為 わたしは 恵子への愛を 棄て 政治家の娘、芳枝を 妻に選んでしまったのだ…
・・それが
全ての 過ちの 始まりだとは、あの頃のわたしには 想像すら 出来なかった。
わたしは 恵子と 自然と 距離を おく様になり…
恵子も それに 気が付いたのか? 自然と わたしから離れて行った。
だが、わたしは 芳枝との結婚式の前日に やはり 恵子の事を 諦める事が 出来ず…恵子のアパート迄 全てを捨てる覚悟で 逢いに行ったのだ
だが すでに アパートは もぬけの殻に なっており恵子は わたしの前から、行方を くらませていた。
思い直し 芳枝と 結婚式をあげ… 近い 後に 佐奈が産まれた。
だが わたしは 恵子への 愛を 捨て切れず 探偵に 依頼をして 自からも 恵子の 行方を 探し回った。
間もなく 恵子の居場所が 探偵に より 明らかになると わたしは 恵子に 逢いに行ったのだ。
恵子は 田舎に ボロいアパートを借り わたしと 居た頃より 数段やつれ果て
働きながら 1人の男の子を育てていた。
そんな 恵子を見て わたしは 後悔と 自責の念から 涙が 溢れ 止まらなかった
「お帰り下さい」
そう言って 泣き崩れる恵子に わたしは 子供の 父親の名を 聞いた
すると 恵子は
「父親は居ませんが、貴方で無い事は 確かです。」
そう言ったのだ。
結婚をしていない! それが 解った 瞬間 もう わたしには、恵子を 置いて 帰る事が 出来なかった。
恵子を どうしようも無く愛して居たからだ…
そして 戸惑う 恵子を 無理矢理 側に置き わたしは恵子に 愛人と言う 立場を与えてしまった。
そして 誠…
お前にも 愛人の息子と言う 重荷を 背負わせてしまったのだ…
お前達を本宅から、車で、2時間程の
マンションに 住まわせると、わたしは 自然と 本宅には 戻らず 恵子と誠の元に 帰る様になった。
当然、本妻(芳枝)との仲は日に日に 冷えてゆき
佐奈は、たまに 帰る、わたしを 成長する度、冷たい目で 見る様になって行った。
その反面
「叔父さん!」と 呼びながら 誠は わたしに なついてくれた。
その呼び名が 「父さん」に 変わったのは、恵子が実の父親を 明かしてから 約1年後の事だった。
何故 今迄 わたしの実子だと 恵子が 言わなかったのか? 全てを明かされた日 恵子を 責めた!
恵子は 「本宅に いつか戻る 貴方の負担に 成りなりたく無かった!」
と 答えたが、わたしには その頃、もう、本宅に 帰るつもりなどは 全く無く 恵子と誠 3人だけの 静かな暮らしを 望む 気持ちの方が 大きかった。
だが、「父さん」誠が 事実を 知ってから 1年後 初めて わたしを そう呼んだ日 あいつは、佐奈の担ぎこまれた 病院の待合室で 冷たい目で わたしを (キッ)っと 睨み付けたのだ!
何故、誠が ここにいるのか?
そして
「佐奈の事を もっと 考えろ!!」
そう 怒鳴るのか?
(誠には、佐奈の事は何も話してはいないはず!)
わたしは その日 困惑と 焦りの中で 誠に 問いかけた。
「何故 お前が ここ(病院)にいるのだ!? 何故 佐奈の事を 知っているんだ!?」
誠の鋭い視線が 突き刺さる!!
「そんな事 どうだって いいだろ! 何故 佐奈の事をもっと 深く 見てやら無いんだと 言ってるんです 父さん…」
「深く!?」
誠の言葉に 息を飲むわたしの横で 芳枝が 叫び声をあげる!!
「貴方ね 愛人の息子さんって!? 図々しい!! どうやって 佐奈と 知り合ったのかは 知りませんけど 顔を 見ているだけで 吐き気が してくるわ!! 消えてくださらないかしら!!」
「よせ!! 何て事を 言うんだ!! 誠に向かって!!」
わたしは 芳枝の言葉に 極度な 怒りを 覚え 片手を振り上げた!
その時
「やめろ!!」
誠が そう叫び 振り下ろそうとした わたしの手を 掴む
そして
「あんたに そんな 権利は無い!!」
そう言った。
その途端 わたしの視線は戸惑いの中、自責の宙を 泳ぐ…
見ると 芳枝は怯えた様な表情を 浮かべて、わたしを 上目遣いに見上げていた。
「すまない…」
わたしは うつ向き 振り上げた手を 静かに 降ろす
その時
「安心して下さい…俺は 母さんを 連れて 貴方達の前から 消えます」
芳枝を 真っ直ぐに 直視して 誠が そう 言ったのだ
「何を 言うんだ 誠!!」
わたしは 思わず 叫び声をあげた!!
すると 誠は
「佐奈の悲鳴が 俺には 痛い程 聞こえるんですよ
だから、消えるんです」
そう 答え 膝を ガクリと落とした。 そして
「貴方達には 聞こえないんですか? 佐奈の泣き声が… 夜の街で あいつは 貴方達に SOSを 送ってるんですよ!! どうして、愛してやらないんだ!? あいつは、このままじゃ 寂しくて 死んでしまう!! あの時の様に…」
そう言いながら わたしと芳枝を 見上げた。
「佐奈が 死のうと?」
芳枝が 誠に 聞く
誠は 深く 頷き
「そうです… あいつは 高1の頃 学校の屋上から 飛び降りようと したんです。」
そう言うと うつ向いた。
誠がうつ向いた床に 次々に 落ちてゆく 水滴
わたしと 芳枝は 言葉を 失った。
「お願いです あいつと 向き合ってあげて下さい
あいつの心の叫びを 聞いてあげて 下さい! あいつに 愛を あげてくれ!!
あいつが 笑って この先を進めるなら 俺は 何でもする!! だから、 頼むよ
あいつを…もう こんな 危険な目に 合わせないでくれ!!」
わたしと 芳枝の前で 膝まずき、叫びながら 土下座をする誠
「佐奈…」
芳枝が 泣いていた
気が付くと わたしの目からも 涙が とめどなく 溢れていた。
15話『暴かれる真相』
・・・・神林勝利・・・
「誠 気をつけて、行くんだぞ!」
「ああ 父さんも 身体に 気をつけて 母さんを 頼む」
そう言って
誠の差し出した手を 力強く握ったのは、つい 10分前の事
誠は 今日 アメリカへ経つ
T大の 法学部で 学ぶ わたしの 息子 誠が 急に アメリカ留学を 決めたのは、ほんの、3ヵ月程前の事だった。
恵子(誠の母)は 随分と 寂しがったが、わたしは むしろ 嬉しい気持ちの方が 強かった。
誠は 幼い頃から、勉強が好きで 特に わたしが 政治家と言う 職業に 付いているせいか? 国関係のニュースや 新聞などは わたしと 一緒に良く 興味深く、観ていた。
その誠が 同じ 政治家の道を 目指すと 初めて わたしに 意志表示をしてくれた日… わたしは、嬉しさと 共に もっと 広い世界を 誠に 体感させるべきだと、思っていた。
「勝利さん あの子は、大丈夫でしょうか?」
横で誠を一緒に見送った、恵子が 心配そうに わたしに 聞く わたしは
「大丈夫だよ アメリカの知人には ちゃんと 誠の事を 頼んであるし それに あいつは、もう 立派な男だ!! 必要以上に 心配する必要は 無いさ!」
そう言った。
「だけど あの子ったら 見送りは 要らないなんて
せめて 空港迄 見送りたかったわ!」
そう言いながら 口を 尖らす 恵子
(やれやれ)
「お前に とっては いつまでも 誠は 子供なんだな!?」
わたしは 微妙に 口角を 上にあげると 恵子の肩を静かに 抱き寄せた。
「だけど あの子…本当に大丈夫かしら?」
「おい おい 今更 追いかけるつもりか?」
余りの 恵子の不安気な 言葉に わたしは いささかの 皮肉を 送る
「いえ そうじゃなくて 貴方 気が付きませんでした? 誠の目が 赤く 腫れていたんですよ 」
「誠の目が?」
「はい まるで 泣きはらした様に 何か あったのかしら?」
頬に手をあて、考え込む恵子
「きっと、考えすぎだよ」
わたしは、安心させる様に
恵子の 肩を ポンポンと 2回叩いて 微笑んだ。
「誠 気をつけて、行くんだぞ!」
「ああ 父さんも 身体に 気をつけて 母さんを 頼む」
そう言って
誠の差し出した手を 力強く握ったのは、つい 10分前の事
誠は 今日 アメリカへ経つ
T大の 法学部で 学ぶ わたしの 息子 誠が 急に アメリカ留学を 決めたのは、ほんの、3ヵ月程前の事だった。
恵子(誠の母)は 随分と 寂しがったが、わたしは むしろ 嬉しい気持ちの方が 強かった。
誠は 幼い頃から、勉強が好きで 特に わたしが 政治家と言う 職業に 付いているせいか? 国関係のニュースや 新聞などは わたしと 一緒に良く 興味深く、観ていた。
その誠が 同じ 政治家の道を 目指すと 初めて わたしに 意志表示をしてくれた日… わたしは、嬉しさと 共に もっと 広い世界を 誠に 体感させるべきだと、思っていた。
「勝利さん あの子は、大丈夫でしょうか?」
横で誠を一緒に見送った、恵子が 心配そうに わたしに 聞く わたしは
「大丈夫だよ アメリカの知人には ちゃんと 誠の事を 頼んであるし それに あいつは、もう 立派な男だ!! 必要以上に 心配する必要は 無いさ!」
そう言った。
「だけど あの子ったら 見送りは 要らないなんて
せめて 空港迄 見送りたかったわ!」
そう言いながら 口を 尖らす 恵子
(やれやれ)
「お前に とっては いつまでも 誠は 子供なんだな!?」
わたしは 微妙に 口角を 上にあげると 恵子の肩を静かに 抱き寄せた。
「だけど あの子…本当に大丈夫かしら?」
「おい おい 今更 追いかけるつもりか?」
余りの 恵子の不安気な 言葉に わたしは いささかの 皮肉を 送る
「いえ そうじゃなくて 貴方 気が付きませんでした? 誠の目が 赤く 腫れていたんですよ 」
「誠の目が?」
「はい まるで 泣きはらした様に 何か あったのかしら?」
頬に手をあて、考え込む恵子
「きっと、考えすぎだよ」
わたしは、安心させる様に
恵子の 肩を ポンポンと 2回叩いて 微笑んだ。
15話『暴かれる真相』
・・・・佐奈・・・・・
メールの相手が
奴が 誠だったなんて…
しかも…
誠が パパの愛人の息子で
私と 血が 繋がってる!?
異母兄妹!?
どうしたら そんな事が 信じられるの!!!!
後から、後へと 溢れ出す涙は、たどり着く先を 失い ただ ただ 私の心の奥深くに 流れ込んでゆく
「佐奈、ごめんね」
美紀が 何度も 謝りながら
私を 抱き締める
(佐奈!!)
あの時、薄れる意識の中で
貴方の呼ぶ声を 聞いたのは
夢なんかじゃ無かったんだ
(佐奈 愛してる)
貴方は 私に そう 囁いた
本当は、あの時
私は 貴方に 私も 愛してると 返したかったんだよ
ねぇ… 誠…
私は どうしたらいい!?
わからない
わからないよ!!
心が 契れて バラバラに なっちゃうよ!!
誠… 貴方も こんな思いを してたの?
ねぇ… こんな 苦しい気持ちを 抱えて今迄
私を ずっと 支えてくれてたの?
ねぇ… 私達に 未来は 無いの?
この気持ちは 諦めなきゃいけないの?
だけど… 私
わたしは…
貴方に
逢いたい!!
ただ
逢いたい!!!!
「ママ どうすれば 誠に 逢えるの 教えて!?」
美紀の腕の中で 涙を 拭い
私は ママに 聞いた
「佐奈 今 聞いたでしょ!貴方達は…」
ママが 首を横に振る
「解ってる だけど お願いママ! 誠に どうしても 逢いたいんだ!」
「佐奈…そんなに 誠さんの事を…」
ママは 一瞬 うつ向くと 私を 真っ直ぐに 見た。 そして
「お父様なら 知ってるわ連絡を 取って みましょう」
そう言って 受話器に 手をかけた。
メールの相手が
奴が 誠だったなんて…
しかも…
誠が パパの愛人の息子で
私と 血が 繋がってる!?
異母兄妹!?
どうしたら そんな事が 信じられるの!!!!
後から、後へと 溢れ出す涙は、たどり着く先を 失い ただ ただ 私の心の奥深くに 流れ込んでゆく
「佐奈、ごめんね」
美紀が 何度も 謝りながら
私を 抱き締める
(佐奈!!)
あの時、薄れる意識の中で
貴方の呼ぶ声を 聞いたのは
夢なんかじゃ無かったんだ
(佐奈 愛してる)
貴方は 私に そう 囁いた
本当は、あの時
私は 貴方に 私も 愛してると 返したかったんだよ
ねぇ… 誠…
私は どうしたらいい!?
わからない
わからないよ!!
心が 契れて バラバラに なっちゃうよ!!
誠… 貴方も こんな思いを してたの?
ねぇ… こんな 苦しい気持ちを 抱えて今迄
私を ずっと 支えてくれてたの?
ねぇ… 私達に 未来は 無いの?
この気持ちは 諦めなきゃいけないの?
だけど… 私
わたしは…
貴方に
逢いたい!!
ただ
逢いたい!!!!
「ママ どうすれば 誠に 逢えるの 教えて!?」
美紀の腕の中で 涙を 拭い
私は ママに 聞いた
「佐奈 今 聞いたでしょ!貴方達は…」
ママが 首を横に振る
「解ってる だけど お願いママ! 誠に どうしても 逢いたいんだ!」
「佐奈…そんなに 誠さんの事を…」
ママは 一瞬 うつ向くと 私を 真っ直ぐに 見た。 そして
「お父様なら 知ってるわ連絡を 取って みましょう」
そう言って 受話器に 手をかけた。