15話『暴かれる真相』
沈黙の中…椎葉君は、真っ直ぐに、おじ様を見据えている。
おじ様もまた、黙って 椎葉君を見詰めていた。
私は…困惑したまま、視線を、宙に泳がせていた。
椎葉君は そんな 私に 気付いたのか おじ様と 睨み合ったまま
「久保田 悪いけど 席外してくれる!」
そう言った。
「あっ はい」
そう 返事をしながら、頷くと 私は 少し離れた 正面玄関にある、ロビーへと 向かった。
しーんと、静まり返る夜の
ロビー
(少し、怖いかも…)
そんな事を 感じながら、長椅子に 腰を降ろすと、 さっきの椎葉君の言葉が 嫌でも、頭に 浮かんでくる
「父さん…」
そう呼んだって事は 椎葉君は 佐奈のパパの子供って事!?
確か、佐奈が 前 家の事 話してくれた時
おじ様は 選挙が 終わると愛人の元へ 行ったまま 帰らないと 言ってた
まさか 椎葉君は 佐奈のパパの 愛人の子供?
単なる…想像に 過ぎない考えが 次々と 浮かんでくる…
待って!!
私 何か 重大な事 忘れてない!!
佐奈は、まだ 椎葉君が 好きなんだよ
それに、おそらく 椎葉君も 佐奈の事!?
まさか…
椎葉君が 佐奈から 離れた原因って!?
いえ、父さんって 呼んだだけで 血の繋がりが あるなんて わからないよ
何 勘繰ってんの!? 私!!
考えれば 考える程 パニックになる
「ハァ~」
私は 1人 薄暗い ロビーで深いため息と 共に 両手で頭を 抱え うなだれた。
その時!?
「久保田!」
背後から 突然 呼びかけられ 振り向くと いつ 来たのか 椎葉君が 立っていた
「さっき 医師から説明されて 外傷だけで 大した事は 無いらしいよ!少しの間 入院して縫った、傷口が塞がったら、退院だって!」
そう言いながら、椎葉君は私の横の長椅子に 腰を降ろし
「ふぅ~」
安心した様に 息を 吐き出した。
そして
「久保田も 怖い思いしたな!? 大丈夫か?」
私の顔を 覗き込む
「うん、 平気だよ!」
私は そう言って 笑顔を 作ったけど 急に あの2人組の男達の顔が ちらついて、身体が 震え出した。
「久保田!」
椎葉君が 心配そうに 私を見詰める
「ごめんね 私が 佐奈を あんな目に 合わせたの… 私が 逃げたから 佐奈が 佐奈は 私のせいで…」
そこまで 言いかけた時
「違うだろ!久保田 お前の おかげで 助ける事が 出来たんだろ!」
椎葉君は そう言って
ニコリと 微笑んだ
(椎葉君)
こらえていた 涙が 溢れ出し 私は 椎葉君の胸で 泣いた。
それと同時に 閉じ込めたはずの 椎葉君への想いが蘇る…
やっぱり、私は 椎葉君が今でも 好きだ!
今、この気持ちを もう一度 高1の頃の様に 口に出来たら…
だけど… それは、椎葉君を 困らせるだけ
それに
私には あの頃には 居なかった 大切な親友がいる
佐奈… 私は 貴方の事が 大好きだ
今日 貴方が 自分を犠牲にして 私を 守ってくれた様に いつか 私も 貴方を 守りたい!!
今 心から そう思う
どの位 泣いたのか!?
「有り難う…もう 大丈夫だよ!」
私は そう言いながら、椎葉君が 貸してくれた 胸の中から 離れた。
「お前の両親も 心配してるな 送るよ」
椎葉君は そう言うと 椅子から 立ち上がり
「行こう!」
手招きをした。
駐車場に 停めてある 車の助手席に 乗り込んだ時
運転席に座る椎葉君は
「忘れてたけど これ ダチの車で 俺 ちなみに 仮免許!」
と 言いながら 笑った。
そして、家に着く ちょっと前 椎葉君は
「なぁ 久保田! さっき 俺が 言った事 佐奈には 黙ってて欲しい」
突然、そう言って 車を 路肩に 寄せ 停車した
ウィンカーが 左に 倒される
(さっき、椎葉君が 言った事)
それは… 「父さんって!? 椎葉君の お父さんは 佐奈のパパなの?」
私は 思いきって 椎葉君に疑問の直球を 投げた。
椎葉君は ハンドルに 凭れたまま 無言で 前を 見詰めている
そして
対向車のライトに 椎葉君の横顔が 照らし出された時
「ああ…そうだ」
椎葉君は そう呟いて
コクリと 頷いた。
その瞬間!!
私の心の中に 一瞬の冷たい風が 吹き抜けた。
おじ様もまた、黙って 椎葉君を見詰めていた。
私は…困惑したまま、視線を、宙に泳がせていた。
椎葉君は そんな 私に 気付いたのか おじ様と 睨み合ったまま
「久保田 悪いけど 席外してくれる!」
そう言った。
「あっ はい」
そう 返事をしながら、頷くと 私は 少し離れた 正面玄関にある、ロビーへと 向かった。
しーんと、静まり返る夜の
ロビー
(少し、怖いかも…)
そんな事を 感じながら、長椅子に 腰を降ろすと、 さっきの椎葉君の言葉が 嫌でも、頭に 浮かんでくる
「父さん…」
そう呼んだって事は 椎葉君は 佐奈のパパの子供って事!?
確か、佐奈が 前 家の事 話してくれた時
おじ様は 選挙が 終わると愛人の元へ 行ったまま 帰らないと 言ってた
まさか 椎葉君は 佐奈のパパの 愛人の子供?
単なる…想像に 過ぎない考えが 次々と 浮かんでくる…
待って!!
私 何か 重大な事 忘れてない!!
佐奈は、まだ 椎葉君が 好きなんだよ
それに、おそらく 椎葉君も 佐奈の事!?
まさか…
椎葉君が 佐奈から 離れた原因って!?
いえ、父さんって 呼んだだけで 血の繋がりが あるなんて わからないよ
何 勘繰ってんの!? 私!!
考えれば 考える程 パニックになる
「ハァ~」
私は 1人 薄暗い ロビーで深いため息と 共に 両手で頭を 抱え うなだれた。
その時!?
「久保田!」
背後から 突然 呼びかけられ 振り向くと いつ 来たのか 椎葉君が 立っていた
「さっき 医師から説明されて 外傷だけで 大した事は 無いらしいよ!少しの間 入院して縫った、傷口が塞がったら、退院だって!」
そう言いながら、椎葉君は私の横の長椅子に 腰を降ろし
「ふぅ~」
安心した様に 息を 吐き出した。
そして
「久保田も 怖い思いしたな!? 大丈夫か?」
私の顔を 覗き込む
「うん、 平気だよ!」
私は そう言って 笑顔を 作ったけど 急に あの2人組の男達の顔が ちらついて、身体が 震え出した。
「久保田!」
椎葉君が 心配そうに 私を見詰める
「ごめんね 私が 佐奈を あんな目に 合わせたの… 私が 逃げたから 佐奈が 佐奈は 私のせいで…」
そこまで 言いかけた時
「違うだろ!久保田 お前の おかげで 助ける事が 出来たんだろ!」
椎葉君は そう言って
ニコリと 微笑んだ
(椎葉君)
こらえていた 涙が 溢れ出し 私は 椎葉君の胸で 泣いた。
それと同時に 閉じ込めたはずの 椎葉君への想いが蘇る…
やっぱり、私は 椎葉君が今でも 好きだ!
今、この気持ちを もう一度 高1の頃の様に 口に出来たら…
だけど… それは、椎葉君を 困らせるだけ
それに
私には あの頃には 居なかった 大切な親友がいる
佐奈… 私は 貴方の事が 大好きだ
今日 貴方が 自分を犠牲にして 私を 守ってくれた様に いつか 私も 貴方を 守りたい!!
今 心から そう思う
どの位 泣いたのか!?
「有り難う…もう 大丈夫だよ!」
私は そう言いながら、椎葉君が 貸してくれた 胸の中から 離れた。
「お前の両親も 心配してるな 送るよ」
椎葉君は そう言うと 椅子から 立ち上がり
「行こう!」
手招きをした。
駐車場に 停めてある 車の助手席に 乗り込んだ時
運転席に座る椎葉君は
「忘れてたけど これ ダチの車で 俺 ちなみに 仮免許!」
と 言いながら 笑った。
そして、家に着く ちょっと前 椎葉君は
「なぁ 久保田! さっき 俺が 言った事 佐奈には 黙ってて欲しい」
突然、そう言って 車を 路肩に 寄せ 停車した
ウィンカーが 左に 倒される
(さっき、椎葉君が 言った事)
それは… 「父さんって!? 椎葉君の お父さんは 佐奈のパパなの?」
私は 思いきって 椎葉君に疑問の直球を 投げた。
椎葉君は ハンドルに 凭れたまま 無言で 前を 見詰めている
そして
対向車のライトに 椎葉君の横顔が 照らし出された時
「ああ…そうだ」
椎葉君は そう呟いて
コクリと 頷いた。
その瞬間!!
私の心の中に 一瞬の冷たい風が 吹き抜けた。
15話『暴かれる真相』
私は 青ざめた顔の 佐奈のパパ(おじ様)と 佐奈のママ(おば様)に 佐奈が 今 緊急治療室で 医師に 見て貰っている事と 何故 こんな事になったしまったのかを 説明した。
おじ様は 「寄りにもよって、こんな選挙の真っ最中に…」
そう言って 顔を しかめる
おば様も、その言葉を聞き、無言でうつ向いた。
(酷い!佐奈が こんな時なのに、選挙の話しを するなんて!)
おじ様の言葉に 私は 思わず そう出かかった言葉を 奥歯に 噛み締めた。
その時
「こんな時迄 選挙の話しですか?」
奥の壁極に 凭れかかっていた 椎葉君が そう言った
おじ様は そんな椎葉君を見て 目を見開き
「誠!! お前が どうしてここに!!」
そう 叫び声を あげる!
私は その言葉に ビックリした。
何故!? 佐奈のパパが 椎葉君を 知っているの?
いえ 例え 知っているにしても、誠って 呼び捨てには 違和感が ある?
そして 次の 瞬間
「佐奈が 大怪我を したのに、選挙の話しですか?と聞いてるんですよ! 父さん」
椎葉君は そう言った。
「えっ!?」
(今、佐奈のパパの事 父さんって 言った!?)
椎葉君の言葉を 聞いた時
私は 自分の 耳が おかしくなってしまったんだと 慌てて 自分に 言い聞かせた
だって! あり得ない!
こんな事!!!!
おじ様は 「寄りにもよって、こんな選挙の真っ最中に…」
そう言って 顔を しかめる
おば様も、その言葉を聞き、無言でうつ向いた。
(酷い!佐奈が こんな時なのに、選挙の話しを するなんて!)
おじ様の言葉に 私は 思わず そう出かかった言葉を 奥歯に 噛み締めた。
その時
「こんな時迄 選挙の話しですか?」
奥の壁極に 凭れかかっていた 椎葉君が そう言った
おじ様は そんな椎葉君を見て 目を見開き
「誠!! お前が どうしてここに!!」
そう 叫び声を あげる!
私は その言葉に ビックリした。
何故!? 佐奈のパパが 椎葉君を 知っているの?
いえ 例え 知っているにしても、誠って 呼び捨てには 違和感が ある?
そして 次の 瞬間
「佐奈が 大怪我を したのに、選挙の話しですか?と聞いてるんですよ! 父さん」
椎葉君は そう言った。
「えっ!?」
(今、佐奈のパパの事 父さんって 言った!?)
椎葉君の言葉を 聞いた時
私は 自分の 耳が おかしくなってしまったんだと 慌てて 自分に 言い聞かせた
だって! あり得ない!
こんな事!!!!
15話『暴かれる真相』
今、佐奈が 私を 見詰めてる
私が 今から 語る事を 聞き逃さない様に 神経を研ぎ澄まし…私の言葉に耳を傾け様とする佐奈がいる。
佐奈…しっかりと 聞いてね
「あのね…」
私は 静かに 語り出した。
工場の跡地の前で (キキィーッ )と 言う けたたましい ブレーキ音と 共に 車から 降りた その 佐奈のメル友は
あの頃とは 違って 髪は黒く短髪で やけに 大人びていたけど 私には 一目で 分かった。
紛れも無く 椎葉君だ!!
言葉を 失う 私の両肩を 掴み 揺すりながら 椎葉君は
「佐奈は? 佐奈は何処!?」そう聞いた。
私は 金網に手を かけると
「この中よ この中に 佐奈が 居るの!! 2人組の男達に襲われそうになってるの!!お願い 助けて!!」
椎葉君に 向かって 叫んだ
私が 叫び 終わるその前に椎葉君は 金網を 乗り越えていた
そして
「久保田は そこにいろ!!」
そう言い残すと 工場内に 走り去って行った。
けれど 待てる訳も無く
私も その後 金網を 乗り越えて 佐奈の元に 走った!
(お願い!! 佐奈 無事でいて!!)
(神様 佐奈を 助けて!!)
心が 叫び声をあげる!
佐奈は 私を 逃がす為に 自分を 犠牲にしたんだ!! いつだって、佐奈は 自分の事より、私の事を思ってくれる!!
走りながら、視界が滲んで見えなくなる
(馬鹿!! 泣いてる場合か!!)
私は 自分に そう 激をとばし 視界をさえぎる涙を拭った。
その時だった!!
「ぎゃあっ!!!!」
おびただしい 悲鳴が 奥の方から、私の耳に聞こえた!!!
慌てて 声の方に 駆け寄った 私が 見た先には 半狂乱に 男組2人を 殴り飛ばす椎葉君が いた。
「辞めてくれぇっ!!!!」
そんな 悲痛な 叫びと共に 逃げ惑う 男達!!
「殺してやる!!!!」
椎葉君は そう 叫ぶと 再び男達に 襲いかかった!!
余りに 悲惨な光景に 思わず、眉を潜め、顔を 背けようとしたその時!!
佐奈が うつ伏せで 倒れている 姿が 視野に 映った
「佐奈!!!!」
私は 慌てて 佐奈に 駆け寄ると 倒れている佐奈を両手で、抱き起こした!
「佐奈!! 佐奈!!」
意識を 失っているのか!?いくら呼びかけても、目を閉じたまま、佐奈からの 応答は 何もない!!
、私は無意識に
佐奈の 後頭部の後ろに 手を回し、再度呼びかけようとした
その瞬間!!
「えっ!!」
手のひらに 生温かいべとっと した感触を 感じ
私は 抱き起こす前迄、仰向けに倒れていた佐奈の後頭部の下の、アスファルトに視線を 滑らせた。
そこに、多量に 広がる 液体の後
「まさか!?」
それが 佐奈の後頭部から流れ出す血液だと 気付いた時
「きゃあっ!!!!」
私は おびただしい 悲鳴をあげていた!!
その時!!
「どうしたんだ!!」
椎葉君が 駆け寄って来た
私は 自分の手を伝い、ポタポタとアスファルトの上に流れ落ちる 生温かい血液を 感じながら
「佐奈が 死んじゃう!!」
事の重大さを 確認する 椎葉君に 向かって 叫び声をあげた。
「久保田!直ぐ 救急車を呼ぶんだ!!」
椎葉君は そう言うと 佐奈を 私の手から 自分の膝の上に 抱えた。
「分かった!!」
私は 頷くと 携帯から 救急車を 要請し
分かり安い様に 金網の外に出て 救急車を 待つ
やがて、救急車が 到着し 救急隊員を案内しながら、 再び、佐奈の元に 駆け付けた時 椎葉君は、佐奈を きつく抱き締め 何度も 佐奈の名前を叫び続けていた。
そして、私は 救急車に 乗り込み 佐奈と一緒に 病院に 向かったんだ。
病院に到着し、待合室で 待っていると
後から 椎葉君が 駆けつけて来た。「椎葉君!」私は椎葉君に歩み寄った…
その時!!「ハアハアハア…」荒い息づかいと 共に 椎葉君は 突然、待合室の壁に 頭を 強く 打ち付けた。
「佐奈!!」
そう言いながら 頭を 両手で抱え ずるずると しゃがみ込む 椎葉君
あの時 私は 確信したんだ!!
椎葉君は 佐奈を 嫌いになって 離れたんじゃない!!
それ所か 佐奈を 今でも 深く 愛してる
何か、きっと 深い訳が 隠されてるんだ!
そう思った。
私が そう 推測した通り
その後 警察からの 連絡により 駆け付けて来た 佐奈の 両親と 椎葉君の 対面によって 私は 全てを 知る事になる…
私が 今から 語る事を 聞き逃さない様に 神経を研ぎ澄まし…私の言葉に耳を傾け様とする佐奈がいる。
佐奈…しっかりと 聞いてね
「あのね…」
私は 静かに 語り出した。
工場の跡地の前で (キキィーッ )と 言う けたたましい ブレーキ音と 共に 車から 降りた その 佐奈のメル友は
あの頃とは 違って 髪は黒く短髪で やけに 大人びていたけど 私には 一目で 分かった。
紛れも無く 椎葉君だ!!
言葉を 失う 私の両肩を 掴み 揺すりながら 椎葉君は
「佐奈は? 佐奈は何処!?」そう聞いた。
私は 金網に手を かけると
「この中よ この中に 佐奈が 居るの!! 2人組の男達に襲われそうになってるの!!お願い 助けて!!」
椎葉君に 向かって 叫んだ
私が 叫び 終わるその前に椎葉君は 金網を 乗り越えていた
そして
「久保田は そこにいろ!!」
そう言い残すと 工場内に 走り去って行った。
けれど 待てる訳も無く
私も その後 金網を 乗り越えて 佐奈の元に 走った!
(お願い!! 佐奈 無事でいて!!)
(神様 佐奈を 助けて!!)
心が 叫び声をあげる!
佐奈は 私を 逃がす為に 自分を 犠牲にしたんだ!! いつだって、佐奈は 自分の事より、私の事を思ってくれる!!
走りながら、視界が滲んで見えなくなる
(馬鹿!! 泣いてる場合か!!)
私は 自分に そう 激をとばし 視界をさえぎる涙を拭った。
その時だった!!
「ぎゃあっ!!!!」
おびただしい 悲鳴が 奥の方から、私の耳に聞こえた!!!
慌てて 声の方に 駆け寄った 私が 見た先には 半狂乱に 男組2人を 殴り飛ばす椎葉君が いた。
「辞めてくれぇっ!!!!」
そんな 悲痛な 叫びと共に 逃げ惑う 男達!!
「殺してやる!!!!」
椎葉君は そう 叫ぶと 再び男達に 襲いかかった!!
余りに 悲惨な光景に 思わず、眉を潜め、顔を 背けようとしたその時!!
佐奈が うつ伏せで 倒れている 姿が 視野に 映った
「佐奈!!!!」
私は 慌てて 佐奈に 駆け寄ると 倒れている佐奈を両手で、抱き起こした!
「佐奈!! 佐奈!!」
意識を 失っているのか!?いくら呼びかけても、目を閉じたまま、佐奈からの 応答は 何もない!!
、私は無意識に
佐奈の 後頭部の後ろに 手を回し、再度呼びかけようとした
その瞬間!!
「えっ!!」
手のひらに 生温かいべとっと した感触を 感じ
私は 抱き起こす前迄、仰向けに倒れていた佐奈の後頭部の下の、アスファルトに視線を 滑らせた。
そこに、多量に 広がる 液体の後
「まさか!?」
それが 佐奈の後頭部から流れ出す血液だと 気付いた時
「きゃあっ!!!!」
私は おびただしい 悲鳴をあげていた!!
その時!!
「どうしたんだ!!」
椎葉君が 駆け寄って来た
私は 自分の手を伝い、ポタポタとアスファルトの上に流れ落ちる 生温かい血液を 感じながら
「佐奈が 死んじゃう!!」
事の重大さを 確認する 椎葉君に 向かって 叫び声をあげた。
「久保田!直ぐ 救急車を呼ぶんだ!!」
椎葉君は そう言うと 佐奈を 私の手から 自分の膝の上に 抱えた。
「分かった!!」
私は 頷くと 携帯から 救急車を 要請し
分かり安い様に 金網の外に出て 救急車を 待つ
やがて、救急車が 到着し 救急隊員を案内しながら、 再び、佐奈の元に 駆け付けた時 椎葉君は、佐奈を きつく抱き締め 何度も 佐奈の名前を叫び続けていた。
そして、私は 救急車に 乗り込み 佐奈と一緒に 病院に 向かったんだ。
病院に到着し、待合室で 待っていると
後から 椎葉君が 駆けつけて来た。「椎葉君!」私は椎葉君に歩み寄った…
その時!!「ハアハアハア…」荒い息づかいと 共に 椎葉君は 突然、待合室の壁に 頭を 強く 打ち付けた。
「佐奈!!」
そう言いながら 頭を 両手で抱え ずるずると しゃがみ込む 椎葉君
あの時 私は 確信したんだ!!
椎葉君は 佐奈を 嫌いになって 離れたんじゃない!!
それ所か 佐奈を 今でも 深く 愛してる
何か、きっと 深い訳が 隠されてるんだ!
そう思った。
私が そう 推測した通り
その後 警察からの 連絡により 駆け付けて来た 佐奈の 両親と 椎葉君の 対面によって 私は 全てを 知る事になる…