15話『暴かれる真相』
だが、わたしは…その前に人間としての 資質を 間違えてしまった。
佐奈 芳枝 わたしは、会見場の袖から 見守る 2人に心の目を 傾けた。
(すまない…芳枝 佐奈 )
心中で 2人に 謝罪の言葉を 送り 頭を下げると
「いや、しかし わたしは」
マイクに向かい 引退の意思に 変わりが無い事を 告げようとした
その時
「パパ!!」
佐奈が、わたしの名前を 叫びながら、駆け寄って来たのだ。
わたしは、余りの驚きに 目を、見開いた!
そして、マイクを 片手に持ち、全ての責任は 自分にあると、わたしの前に 立ち塞がり、説明を 始める佐奈
わたしの頭は 困惑に 落ちいった。
(何故!? 今迄 何一つ お前にしてやれなかった わたしを お前は 必死で 守ろうとするのだ!?)
何故なんだ!?
気が付くと、佐奈の必死な背中が 涙で 歪んでゆく
そして、佐奈が、わたしに告げた
「パパ!!辞めないで!!」
・・・・と
マスコミ、有権者達から 次々に わたしに寄せられる 温かい声
(わたしは…)
握る拳に自然と力がこもる
わたしは、その時 初めて 人の温かさの嬉しさと これからの わたしへの期待の重さを、思い知ったのだ。
皆が、わたしに 政治家としての時間を 後 もう少しだけ 与えてくれるなら、わたしは…必ずや 期待に応えて見せる!!
若い頃から 抱いて来た夢
この日本の政治を 根底から 変えてやる
わたしは 新ためて 皆に
誓い 深々と頭を下げた。
そして、それが 終わったら、許されない事と解ってはいても、 芳枝 佐奈 お前達に罪の 償いをしよう…
佐奈 芳枝 わたしは、会見場の袖から 見守る 2人に心の目を 傾けた。
(すまない…芳枝 佐奈 )
心中で 2人に 謝罪の言葉を 送り 頭を下げると
「いや、しかし わたしは」
マイクに向かい 引退の意思に 変わりが無い事を 告げようとした
その時
「パパ!!」
佐奈が、わたしの名前を 叫びながら、駆け寄って来たのだ。
わたしは、余りの驚きに 目を、見開いた!
そして、マイクを 片手に持ち、全ての責任は 自分にあると、わたしの前に 立ち塞がり、説明を 始める佐奈
わたしの頭は 困惑に 落ちいった。
(何故!? 今迄 何一つ お前にしてやれなかった わたしを お前は 必死で 守ろうとするのだ!?)
何故なんだ!?
気が付くと、佐奈の必死な背中が 涙で 歪んでゆく
そして、佐奈が、わたしに告げた
「パパ!!辞めないで!!」
・・・・と
マスコミ、有権者達から 次々に わたしに寄せられる 温かい声
(わたしは…)
握る拳に自然と力がこもる
わたしは、その時 初めて 人の温かさの嬉しさと これからの わたしへの期待の重さを、思い知ったのだ。
皆が、わたしに 政治家としての時間を 後 もう少しだけ 与えてくれるなら、わたしは…必ずや 期待に応えて見せる!!
若い頃から 抱いて来た夢
この日本の政治を 根底から 変えてやる
わたしは 新ためて 皆に
誓い 深々と頭を下げた。
そして、それが 終わったら、許されない事と解ってはいても、 芳枝 佐奈 お前達に罪の 償いをしよう…
15話『暴かれる真相』
わたしは、その後 佐奈の友達だという娘(美紀)と 芳枝 3人と 打ち合わせをし… 佐奈には、一切 誠の存在を 隠すと言う事を決めた。
そして、恵子にもう一度 連絡を取り…誠の学費と 当面の生活費だけは、受け取って欲しいと、最後のお願いを した。
「勝俊さん… 貴方も 身体に 気をつけてお元気で…本当に、御免なさい!」
受話器の向こうから、聞こえた その声は わたしが この世で、一番に 幸せにしてやりたいと 心から望んだ 女の声だった。
奥歯が(ギリリッ)と 音をたててすすり鳴く
受話器を 置いた時
わたしの、頭の中は 真っ白になっていた。
そして、娘 佐奈への 歩み寄りを 芳枝と 共に 始めたわたしは、恐らく 今回の事件の事で マスコミから 叩かれるだろうとの予測を 秘書に 伝え 佐奈を守る事と政界からの、引退を 決めた。
案の定…手の回らなかった、3流出版社に寄って 佐奈の今回の事件は 明るみに出てしまった。
マスコミが、佐奈の学校の正門前に 押し寄せていると言う連絡を受け、退院後、初めて、30分程前に 学校に向かった佐奈の身を案じ わたしは、佐奈を屋敷に連れ戻す様にと 秘書に 指示を 送った。
間もなく、わたしの元に戻った佐奈は 酷く 不安そうな表情を浮かべ 信じられない事に、わたしのこれからを、心配していたのだ。
わたしの心に 愛しさが 込み上げる
抱き締めていた、 佐奈の背中が震えていた。
わたしは、何故 こんな可愛い 我が娘から 今迄 目を反らせて来たのだろう!?後悔と言う文字が
頭の中を、駆け巡る。
気が付くと、芳枝が 佐奈を 後ろから 抱き締めていた。
「ごめんね、今まで… 」
そう、佐奈に 謝りながら泣く芳枝
わたしの わがままの為に犠牲に させてしまった 芳枝と 佐奈 わたしは、2人を 守る為 記者会見に 臨んだ。
愛する者さえも 守れない男に 政治家でいる資格は無い!!
それが わたしの出した 結論だった。
だが、そんな わたしの耳に
マスコミ、更には…地元の有権者達からの 引き止めの声が 次々に 飛び込んで来たのだ。
裏献金疑惑 それを 当時 追及していた わたしに 彼らの声を 聞いて 迷いが 無かったと 言えば 嘘になる。
わたしには、ずっと、抱き続けている夢が あった。 それは 金にまみれた、汚い政治家達を 排除し
明確で、クリーンな政治 国民の声に耳を傾け…国民と共に、1つにまとまり、歩みを進めていく政界にしたかったのだ!
その為には この 政界で、わたしは、 黙って 上の汚い奴らの 靴底を 舐め 権力が 自分の手に 握られる日迄 耐えたなければ ならなかった。
それが 後 もう少しの所迄来ている!!
佐奈の事件は、そんな、夢の一歩手前… 直前の出来事だったのだ!
そして、恵子にもう一度 連絡を取り…誠の学費と 当面の生活費だけは、受け取って欲しいと、最後のお願いを した。
「勝俊さん… 貴方も 身体に 気をつけてお元気で…本当に、御免なさい!」
受話器の向こうから、聞こえた その声は わたしが この世で、一番に 幸せにしてやりたいと 心から望んだ 女の声だった。
奥歯が(ギリリッ)と 音をたててすすり鳴く
受話器を 置いた時
わたしの、頭の中は 真っ白になっていた。
そして、娘 佐奈への 歩み寄りを 芳枝と 共に 始めたわたしは、恐らく 今回の事件の事で マスコミから 叩かれるだろうとの予測を 秘書に 伝え 佐奈を守る事と政界からの、引退を 決めた。
案の定…手の回らなかった、3流出版社に寄って 佐奈の今回の事件は 明るみに出てしまった。
マスコミが、佐奈の学校の正門前に 押し寄せていると言う連絡を受け、退院後、初めて、30分程前に 学校に向かった佐奈の身を案じ わたしは、佐奈を屋敷に連れ戻す様にと 秘書に 指示を 送った。
間もなく、わたしの元に戻った佐奈は 酷く 不安そうな表情を浮かべ 信じられない事に、わたしのこれからを、心配していたのだ。
わたしの心に 愛しさが 込み上げる
抱き締めていた、 佐奈の背中が震えていた。
わたしは、何故 こんな可愛い 我が娘から 今迄 目を反らせて来たのだろう!?後悔と言う文字が
頭の中を、駆け巡る。
気が付くと、芳枝が 佐奈を 後ろから 抱き締めていた。
「ごめんね、今まで… 」
そう、佐奈に 謝りながら泣く芳枝
わたしの わがままの為に犠牲に させてしまった 芳枝と 佐奈 わたしは、2人を 守る為 記者会見に 臨んだ。
愛する者さえも 守れない男に 政治家でいる資格は無い!!
それが わたしの出した 結論だった。
だが、そんな わたしの耳に
マスコミ、更には…地元の有権者達からの 引き止めの声が 次々に 飛び込んで来たのだ。
裏献金疑惑 それを 当時 追及していた わたしに 彼らの声を 聞いて 迷いが 無かったと 言えば 嘘になる。
わたしには、ずっと、抱き続けている夢が あった。 それは 金にまみれた、汚い政治家達を 排除し
明確で、クリーンな政治 国民の声に耳を傾け…国民と共に、1つにまとまり、歩みを進めていく政界にしたかったのだ!
その為には この 政界で、わたしは、 黙って 上の汚い奴らの 靴底を 舐め 権力が 自分の手に 握られる日迄 耐えたなければ ならなかった。
それが 後 もう少しの所迄来ている!!
佐奈の事件は、そんな、夢の一歩手前… 直前の出来事だったのだ!
15話『暴かれる真相』
その後、医師からの 詳しい説明を受け、わたし達はホッと、胸を撫で下ろした。
「佐奈の友達を 送って来ます」
そう言って 誠が ロビーに消えていった後 わたしは何故、佐奈と 誠が 知り合ったのか? 誠の母恵子なら知っているかも知れない!そう思い 外に出て 携帯から、恵子に連絡を入れた
「もしもし」電話に出た恵子に わたしは、今日の佐奈の事件の事 誠の言葉 全てを 恵子に 伝え
「何故、佐奈と、誠が 知り合いなんだ?」
そう、恵子に 問いかけた。
恵子は 暫くの沈黙の後
当時 県下1の 進学校 明光学園に、首席で受かり 通っていた誠の話しから さかのぼり、語り始めた。
何故か 誠は その頃には 佐奈の存在を 本宅のわたしの娘として 知っていたらしい… そして、恵子に佐奈と 同じ高校に 転校したいと、願い出たと 言うのだ。 せっかく、進学高校に 受かり 通い始めた 矢先の 突然の 誠からの お願いに、恵子は かなり戸惑ったらしい
しかし、佐奈が すさんでいる事を 誠から聞き 又 誠の真剣な 表情に 自分だけが 知る 佐奈と、誠の 血の繋がりを 感じ 転校の手続きを 取ったのだと 言った。
わたしに 黙って行動に 移し、転校の際に、多額のお金を使った事を 恵子は 電話口で 何度も わたしに 謝った。
首を 横に振り
「そんな 金の話しなど どうでもいい事だ それよりその続きを 聞かせてくれ」
わたしは 興奮気味の 恵子を なだめる様に 静かに 問いかけた。
「はい、その後 誠の口から 出てくるのは 佐奈お嬢さんの事ばかりに なりました… もしや!? と思い 誠に 佐奈お嬢さんに 対しての気持ちを 聞いたんです そうしたら、あの子は…」
「誠は 何と 答えたのだ!?」
「いつか、本当の事を 打ち明けて 佐奈お嬢さんに許しを 乞いたいと、 そして、出来る事なら 佐奈お嬢さんを 自分が 一生 守り抜きたいと 言ったんです」
「なっ 何だと!?」
稲妻の様な衝撃が わたしの胸の中を 駆け抜けた!!恵子の…すすり泣きが
受話器の 向こうから 聞こえる…
「あの子は 佐奈お嬢さんの事を 好きになってしまっていたんです そして 恐らく、佐奈お嬢さんも あの子の事を… わたしはその時 決心したんです 真実を 貴方と 誠に 打ち明けようと… 」
「………」
携帯を 持つ手が 震えた わたしに、言葉は無い
恵子が 一年前に 打ち明けてくれた
「貴方の前から 姿を 消した時 わたしのお腹には 小さな 命が 宿っていました誠は あの子は 紛れもなく…貴方の子供です」
そんな 涙まじりの声が 頭に 浮かぶ
何と言う 残酷な…
過去の わたしの 過ちが
佐奈と 誠に 今 苦しみとなって…襲いかかろうと している
恵子は その後 本当の事を知った誠が 佐奈から 離れる為に 再び 元の学校に 戻った事を わたしに 告げた。
恵子との電話を 切った後
誠の 先程の 辛く 悲しい 表情を 思い浮かべ…
わたしは、 1人 嗚咽し 泣き崩れた。
わたしは 最低な人間だ!!
佐奈の 寂しさにも 目を背け 芳枝の苦しみを 知りながらも 自分の 強欲の為 素知らぬ顔を 続けてきた
「すまない!! すまない!!」
何度も 繰り返す言葉の中に 佐奈 誠 芳枝 そして恵子の 顔が 浮かぶ…
「母さんを 連れて 消えます」
その言葉は…誠の 佐奈への愛だ…
ならば、わたしは わたしに出来る事は
芳枝と 佐奈の元に 戻り
佐奈に 歩み寄る事だ
芳枝 お前とも 時間を かけ 話し合わなければ なるまい…
そして 恵子 わたしは
最も 愛する女を 手放なさなければ… いけない
誠 お前が 血の繋がり故に 佐奈から 離れる様に
「佐奈の友達を 送って来ます」
そう言って 誠が ロビーに消えていった後 わたしは何故、佐奈と 誠が 知り合ったのか? 誠の母恵子なら知っているかも知れない!そう思い 外に出て 携帯から、恵子に連絡を入れた
「もしもし」電話に出た恵子に わたしは、今日の佐奈の事件の事 誠の言葉 全てを 恵子に 伝え
「何故、佐奈と、誠が 知り合いなんだ?」
そう、恵子に 問いかけた。
恵子は 暫くの沈黙の後
当時 県下1の 進学校 明光学園に、首席で受かり 通っていた誠の話しから さかのぼり、語り始めた。
何故か 誠は その頃には 佐奈の存在を 本宅のわたしの娘として 知っていたらしい… そして、恵子に佐奈と 同じ高校に 転校したいと、願い出たと 言うのだ。 せっかく、進学高校に 受かり 通い始めた 矢先の 突然の 誠からの お願いに、恵子は かなり戸惑ったらしい
しかし、佐奈が すさんでいる事を 誠から聞き 又 誠の真剣な 表情に 自分だけが 知る 佐奈と、誠の 血の繋がりを 感じ 転校の手続きを 取ったのだと 言った。
わたしに 黙って行動に 移し、転校の際に、多額のお金を使った事を 恵子は 電話口で 何度も わたしに 謝った。
首を 横に振り
「そんな 金の話しなど どうでもいい事だ それよりその続きを 聞かせてくれ」
わたしは 興奮気味の 恵子を なだめる様に 静かに 問いかけた。
「はい、その後 誠の口から 出てくるのは 佐奈お嬢さんの事ばかりに なりました… もしや!? と思い 誠に 佐奈お嬢さんに 対しての気持ちを 聞いたんです そうしたら、あの子は…」
「誠は 何と 答えたのだ!?」
「いつか、本当の事を 打ち明けて 佐奈お嬢さんに許しを 乞いたいと、 そして、出来る事なら 佐奈お嬢さんを 自分が 一生 守り抜きたいと 言ったんです」
「なっ 何だと!?」
稲妻の様な衝撃が わたしの胸の中を 駆け抜けた!!恵子の…すすり泣きが
受話器の 向こうから 聞こえる…
「あの子は 佐奈お嬢さんの事を 好きになってしまっていたんです そして 恐らく、佐奈お嬢さんも あの子の事を… わたしはその時 決心したんです 真実を 貴方と 誠に 打ち明けようと… 」
「………」
携帯を 持つ手が 震えた わたしに、言葉は無い
恵子が 一年前に 打ち明けてくれた
「貴方の前から 姿を 消した時 わたしのお腹には 小さな 命が 宿っていました誠は あの子は 紛れもなく…貴方の子供です」
そんな 涙まじりの声が 頭に 浮かぶ
何と言う 残酷な…
過去の わたしの 過ちが
佐奈と 誠に 今 苦しみとなって…襲いかかろうと している
恵子は その後 本当の事を知った誠が 佐奈から 離れる為に 再び 元の学校に 戻った事を わたしに 告げた。
恵子との電話を 切った後
誠の 先程の 辛く 悲しい 表情を 思い浮かべ…
わたしは、 1人 嗚咽し 泣き崩れた。
わたしは 最低な人間だ!!
佐奈の 寂しさにも 目を背け 芳枝の苦しみを 知りながらも 自分の 強欲の為 素知らぬ顔を 続けてきた
「すまない!! すまない!!」
何度も 繰り返す言葉の中に 佐奈 誠 芳枝 そして恵子の 顔が 浮かぶ…
「母さんを 連れて 消えます」
その言葉は…誠の 佐奈への愛だ…
ならば、わたしは わたしに出来る事は
芳枝と 佐奈の元に 戻り
佐奈に 歩み寄る事だ
芳枝 お前とも 時間を かけ 話し合わなければ なるまい…
そして 恵子 わたしは
最も 愛する女を 手放なさなければ… いけない
誠 お前が 血の繋がり故に 佐奈から 離れる様に