第16話『愛だけを見詰めて…』
・・・・・佐奈・・・・
お願い 間に合って!!
私は 祈る様に 手を前で重ね合わせると
瞳を閉じた。
誠に、逢って どうなるのか!?
そんな先の事は どうでも良かった
貴方が、愛しい
愛してる
ただ、今は それだけしか見えない!!
車の後部座席で 私は ただ祈り続けた。
コンサートで ERiが 言っていた言葉を 思い出す
人には 見えない糸がある誠と私の糸は 高1の頃に 結ばれた。
私は その糸に 自分の想いを込めてしまった。
誠 貴方が その糸を 断ち切ろうとするのなら
私は その切れた糸を 繋ぎ合わせたい
兄妹だから…
血縁だから…
未来が ないから…
理由は 全て 解ってる
だけど
誠
なら
どうしたらいいの?
「佐奈お嬢様 もうすぐ 空港に着きます!!」
秘書の目線が そう言いながらルームミラーの中
私を 捕らえた。
携帯を開き 時間を確認する私
ギリギリのタイミングだ
高1の頃 貴方が 乗った タクシーを 追いかけ
アスファルトの上に 泣き崩れた。
コンサートの夜
私に…背中を向けた貴方
その背中を見詰めながら
泣いた。
家を出る時 再び 左手の薬指にはめた シルバーリングを そっと右手の指先で なぞって見る
今度こそ
貴方の背中を 捕まえてみせる!!
そう心に 誓うと 空港前で停車した 車の中から 私は飛び降りた。
お願い 間に合って!!
私は 祈る様に 手を前で重ね合わせると
瞳を閉じた。
誠に、逢って どうなるのか!?
そんな先の事は どうでも良かった
貴方が、愛しい
愛してる
ただ、今は それだけしか見えない!!
車の後部座席で 私は ただ祈り続けた。
コンサートで ERiが 言っていた言葉を 思い出す
人には 見えない糸がある誠と私の糸は 高1の頃に 結ばれた。
私は その糸に 自分の想いを込めてしまった。
誠 貴方が その糸を 断ち切ろうとするのなら
私は その切れた糸を 繋ぎ合わせたい
兄妹だから…
血縁だから…
未来が ないから…
理由は 全て 解ってる
だけど
誠
なら
どうしたらいいの?
「佐奈お嬢様 もうすぐ 空港に着きます!!」
秘書の目線が そう言いながらルームミラーの中
私を 捕らえた。
携帯を開き 時間を確認する私
ギリギリのタイミングだ
高1の頃 貴方が 乗った タクシーを 追いかけ
アスファルトの上に 泣き崩れた。
コンサートの夜
私に…背中を向けた貴方
その背中を見詰めながら
泣いた。
家を出る時 再び 左手の薬指にはめた シルバーリングを そっと右手の指先で なぞって見る
今度こそ
貴方の背中を 捕まえてみせる!!
そう心に 誓うと 空港前で停車した 車の中から 私は飛び降りた。
15話『暴かれる真相』
佐奈は、一瞬 恵子を見た後
わたしの前に 膝ざまづいた
「パパ 誠に逢わせて お願い」
佐奈が そう言いながら わたしのズボンを掴み 見上げる
思わず、目を反らすわたし
「誠に、逢って どうするのだ お前達は…」
「分かってる!! わかってるわパパ」
言いかけた わたしの言葉を 遮る様に 佐奈が叫ぶ
「パパ 分かってるけど 逢いたいの! 誠は 私をずっと 支えてくれてたの 誠が居なかったら、今の自分も居なかった だから、お願い 誠に逢わせて!!」
必死な 佐奈の叫びに 恵子が 無言で…うつ向いた。
「佐奈」
わたしは 佐奈の目線迄 膝を落とし 両肩に手をかける
誠と佐奈に 何かが あった事は 佐奈の今の言葉と、表情を見れば明らかだ
誠が アメリカ留学を 望んだ訳も
帰らないと 置き手紙を 置いて 出ていった訳も
全ては 恐らく この佐奈の為なのだろう…
恵子も きっと 察知したはずだ…
(どうしたら、良いのだ)
その時
「貴方!!」
突然の声に 見上げると
部屋のドアに 手をかけながら 肩で 大きく息を切らす 芳江が 立っていた。
「芳江さん」
恵子が 芳江の名を呼ぶ
「恵子さん お久し振りです」
芳江は 恵子の姿を 見ると深々と 頭を下げた。
そして、佐奈の背後に 歩み寄ると
「貴方 私からも お願いします 誠さんの 居場所を 教えて下さい」
そう言いながら 頭を下げた。
「何を 言うのだ!お前迄」
声を 大にして 芳江を見るわたし
佐奈の肩が ビクンと波を打つ その時
「貴方 いくら 引き離そうとしても もう 無駄ですわ」
芳江が わたしを見据えてそう言った。
「何が、無駄なのだ!?」
芳江に問うわたし
「誠さんも 佐奈も 現実を見詰めて 答えを 出す時が来たんですわ このまま どの位 時を置いても 苦しみだけが 残り 2人共 前には進めません… どんなに 離れても 消えない感情が ある事を 一番知っているのは 貴方じゃ有りませんか!?」
芳江が 逆に わたしに 問いかける
わたしは 芳江の言葉に
恵子を 見た。
恵子は 泣いていた。
わたしとの事を 思ってなのか
誠の事を 思う母としてなのか
「パパ」
佐奈が わたしを呼ぶ
全ては わたしの過ちから出てしまった苦しみ
「佐奈 誠は 今日 アメリカに行く 今頃 空港に向かっているはずだ…」
わたしは 肩を 落とし
佐奈に 告げた。
「アメリカに!?」
叫び声をあげる佐奈
「ああ…そうだ」
瞳を 大きく見開き 潤ませる佐奈に わたしは 誠の 乗る 飛行機の便No.を伝えた。 そして
手元の腕時計で、時刻を 確認すると、秘書に車を玄関前に 回させた。
「今から 追いかけても ギリギリか 間に合わないかも知れないぞ…」
車に 乗り込む佐奈に そう告げるわたしに
佐奈は
「有り難う…パパ」
そう言い残し ドアを閉めた。
佐奈を乗せ、走り出す車
それを 見送りながら
わたしの心は 複雑に揺れていた。
誠
佐奈
お前達は 何故 出逢ってしまったのだ…
血の繋がりが 2人を 強く結びつけたのか!?
だとしたら
何て 残酷な 運命なのだろう…
今は 自分の過ちを 悔いながら
わたしに 出来る事は
お前達の出す 答えを 待つ事だけだ…
わたしの前に 膝ざまづいた
「パパ 誠に逢わせて お願い」
佐奈が そう言いながら わたしのズボンを掴み 見上げる
思わず、目を反らすわたし
「誠に、逢って どうするのだ お前達は…」
「分かってる!! わかってるわパパ」
言いかけた わたしの言葉を 遮る様に 佐奈が叫ぶ
「パパ 分かってるけど 逢いたいの! 誠は 私をずっと 支えてくれてたの 誠が居なかったら、今の自分も居なかった だから、お願い 誠に逢わせて!!」
必死な 佐奈の叫びに 恵子が 無言で…うつ向いた。
「佐奈」
わたしは 佐奈の目線迄 膝を落とし 両肩に手をかける
誠と佐奈に 何かが あった事は 佐奈の今の言葉と、表情を見れば明らかだ
誠が アメリカ留学を 望んだ訳も
帰らないと 置き手紙を 置いて 出ていった訳も
全ては 恐らく この佐奈の為なのだろう…
恵子も きっと 察知したはずだ…
(どうしたら、良いのだ)
その時
「貴方!!」
突然の声に 見上げると
部屋のドアに 手をかけながら 肩で 大きく息を切らす 芳江が 立っていた。
「芳江さん」
恵子が 芳江の名を呼ぶ
「恵子さん お久し振りです」
芳江は 恵子の姿を 見ると深々と 頭を下げた。
そして、佐奈の背後に 歩み寄ると
「貴方 私からも お願いします 誠さんの 居場所を 教えて下さい」
そう言いながら 頭を下げた。
「何を 言うのだ!お前迄」
声を 大にして 芳江を見るわたし
佐奈の肩が ビクンと波を打つ その時
「貴方 いくら 引き離そうとしても もう 無駄ですわ」
芳江が わたしを見据えてそう言った。
「何が、無駄なのだ!?」
芳江に問うわたし
「誠さんも 佐奈も 現実を見詰めて 答えを 出す時が来たんですわ このまま どの位 時を置いても 苦しみだけが 残り 2人共 前には進めません… どんなに 離れても 消えない感情が ある事を 一番知っているのは 貴方じゃ有りませんか!?」
芳江が 逆に わたしに 問いかける
わたしは 芳江の言葉に
恵子を 見た。
恵子は 泣いていた。
わたしとの事を 思ってなのか
誠の事を 思う母としてなのか
「パパ」
佐奈が わたしを呼ぶ
全ては わたしの過ちから出てしまった苦しみ
「佐奈 誠は 今日 アメリカに行く 今頃 空港に向かっているはずだ…」
わたしは 肩を 落とし
佐奈に 告げた。
「アメリカに!?」
叫び声をあげる佐奈
「ああ…そうだ」
瞳を 大きく見開き 潤ませる佐奈に わたしは 誠の 乗る 飛行機の便No.を伝えた。 そして
手元の腕時計で、時刻を 確認すると、秘書に車を玄関前に 回させた。
「今から 追いかけても ギリギリか 間に合わないかも知れないぞ…」
車に 乗り込む佐奈に そう告げるわたしに
佐奈は
「有り難う…パパ」
そう言い残し ドアを閉めた。
佐奈を乗せ、走り出す車
それを 見送りながら
わたしの心は 複雑に揺れていた。
誠
佐奈
お前達は 何故 出逢ってしまったのだ…
血の繋がりが 2人を 強く結びつけたのか!?
だとしたら
何て 残酷な 運命なのだろう…
今は 自分の過ちを 悔いながら
わたしに 出来る事は
お前達の出す 答えを 待つ事だけだ…
15話『暴かれる真相』
「ああ お前の今、考えてる通りだ、佐奈が 誠と血縁だと 知ったらしい」
そう答える わたしに
「まさか!? あの子 佐奈お嬢さんと何かあったのかしら」
そう言い残すと 2階の部屋に 駆け上がって行った
「おい!恵子!!」
わたしも 慌てて 後を追い2階への階段を 駆け登る 幾つかある 部屋のドア…恵子が 開けたのは 元 佐奈のいた部屋のドアだった
「いったい、どうしたのだ!?」
部屋に入ると わたしは
恵子の後ろ姿に 問いかけた
「…………」
何も 答えない恵子
「おい 恵子!!」
恵子の肩を 掴むと わたしは 無理矢理 恵子を 振り向かせた。
「勝利さん」
恵子が 瞳を潤ませ わたしの名を呼ぶ
そして
「机の上に こんなものが」
そう言って わたしに 白い便せんを 差し出した。
わたしは、無言で 恵子から 便せんを受け取り 目を通す
そこには 誠の字が したためられていた。
更に 手紙の内容に 目を通したわたしは 余りの驚愕に 我を失い
「馬鹿な!!」
叫び声を あげた。
『父さん 母さん 昨日は 久々に 楽しい夕食の時間を 有り難うございました更には、米国留学をしたいと言う 突然の 俺のわがままを 許して頂き 心から 感謝します。 昨日は 言い出せ無かった事を 今、こうして 手紙にしたため 貴方達から 去る俺を 許して下さい。
俺は 大学卒業後も、アメリカに 拠点を 置きたいと 考えています。 日本には 当面 戻るつもりは、有りません。父さん 期待に添えない俺を 許して下さい母さんの事 宜しく お願いします。そして…』
「そして!? 何なのだ 誠!!」
その後 黒く塗り潰されたボールペンの後を 指でなぞり わたしは思わず、 今頃、空港へ向かっているはずの誠に…問いかけた。
「勝利さん あの子は もう帰らないつもりですわ」
恵子が わたしの腕を掴む
便せんを握り締めながら わたしは、言葉を 失った
今、思えば、昨日の誠は どうも 様子が変だった。
情けない事に わたしは 東京で 1人暮らしを する誠との久々の楽しい夕食の一時に 浮かれ 誠の陰りに、気付きもしなかった…だが…誠が 何故 こんな決断を くだすのか!?
何を、悩んでいたのか!?
今をもってしても、良く
解らぬ!
その時
「パパ!」
困惑する わたしの視界に突然 佐奈が 息を切らせ 飛び込んで来た!!
「佐奈!」
驚きに、叫び声を あげる わたしの横で もっと 目を見開き 驚く恵子
佐奈と恵子 これが 初めての対面であった。
そう答える わたしに
「まさか!? あの子 佐奈お嬢さんと何かあったのかしら」
そう言い残すと 2階の部屋に 駆け上がって行った
「おい!恵子!!」
わたしも 慌てて 後を追い2階への階段を 駆け登る 幾つかある 部屋のドア…恵子が 開けたのは 元 佐奈のいた部屋のドアだった
「いったい、どうしたのだ!?」
部屋に入ると わたしは
恵子の後ろ姿に 問いかけた
「…………」
何も 答えない恵子
「おい 恵子!!」
恵子の肩を 掴むと わたしは 無理矢理 恵子を 振り向かせた。
「勝利さん」
恵子が 瞳を潤ませ わたしの名を呼ぶ
そして
「机の上に こんなものが」
そう言って わたしに 白い便せんを 差し出した。
わたしは、無言で 恵子から 便せんを受け取り 目を通す
そこには 誠の字が したためられていた。
更に 手紙の内容に 目を通したわたしは 余りの驚愕に 我を失い
「馬鹿な!!」
叫び声を あげた。
『父さん 母さん 昨日は 久々に 楽しい夕食の時間を 有り難うございました更には、米国留学をしたいと言う 突然の 俺のわがままを 許して頂き 心から 感謝します。 昨日は 言い出せ無かった事を 今、こうして 手紙にしたため 貴方達から 去る俺を 許して下さい。
俺は 大学卒業後も、アメリカに 拠点を 置きたいと 考えています。 日本には 当面 戻るつもりは、有りません。父さん 期待に添えない俺を 許して下さい母さんの事 宜しく お願いします。そして…』
「そして!? 何なのだ 誠!!」
その後 黒く塗り潰されたボールペンの後を 指でなぞり わたしは思わず、 今頃、空港へ向かっているはずの誠に…問いかけた。
「勝利さん あの子は もう帰らないつもりですわ」
恵子が わたしの腕を掴む
便せんを握り締めながら わたしは、言葉を 失った
今、思えば、昨日の誠は どうも 様子が変だった。
情けない事に わたしは 東京で 1人暮らしを する誠との久々の楽しい夕食の一時に 浮かれ 誠の陰りに、気付きもしなかった…だが…誠が 何故 こんな決断を くだすのか!?
何を、悩んでいたのか!?
今をもってしても、良く
解らぬ!
その時
「パパ!」
困惑する わたしの視界に突然 佐奈が 息を切らせ 飛び込んで来た!!
「佐奈!」
驚きに、叫び声を あげる わたしの横で もっと 目を見開き 驚く恵子
佐奈と恵子 これが 初めての対面であった。