16話『愛だけを見詰めて』
愛する男に 触れられる事が
こんなに 嬉しい事だなんて
今迄 知らなかった
知るはずも…無い
だって
貴方は 私の 初恋だもの
16の頃から、今迄
私は 2度 恋を…した
「佐奈…」
誠の 息づかいが 荒くなってゆく
「誠…」
私は 誠の首の後ろに手を回し
「優しく しなくていい
もっと 激しく抱いて…」
そう…言って 誠の顔を 引き寄せ
強引に 唇を重ねた。
誠の舌が 私の舌に 絡み合う
指と指とが 重なりあって絡みあって
誠が 強く 握る
あの日… 「安物だけど」
そう言って 貴方が 照れくさそうにくれた シルバーリング
貴方との別れに 傷付いて
「バカヤロー」
そう 叫びながら 投げ捨てたシルバーリングが
今 私の左手の薬指で
歓喜の悲鳴を あげる
だって 2度とも 私は 同じ人に 恋したんだもの…
誠
私の愛は ただ1人だけ
貴方にしか 共鳴しない
誠の唇が… 首筋から 下へ と 降りてゆく
私の身体中に 貴方の唇が
舌が 這い回り やがて
もっと 深い 熱くなった部分に 触れた。
「ああぁぁーっ 誠!!!!」漏れる声
身悶える 身体… たまらずに純白のシーツを…掴んだ!!
「佐奈…愛してる!!」
やがて、誠の掠れる様な
甘い 囁きと 共に
私達は 一つに なった。
この幸せな 瞬間に 1つになったまま 氷ついてしまえばいい!!
瞬間に 心が 叫んだ!!
2度と…離れない様に
ずっと、貴方と…1つで いられる様に
2つに 別れた 身体が 憎くて たまらない!!
貴方を 知る事で この世には…こんなに深い 愛が
存在するんだって事を 教えられた。
これを・・
禁忌だと
過ちだと 責めるなら
神様・・
どうか、私達を
見捨てて 下さい
そして、何も 見えぬ様に
両目を 潰して 追放して下さい。
私は 愛だけを
貴方への 愛だけを
心の眼で 見詰めて行くから
こんなに 嬉しい事だなんて
今迄 知らなかった
知るはずも…無い
だって
貴方は 私の 初恋だもの
16の頃から、今迄
私は 2度 恋を…した
「佐奈…」
誠の 息づかいが 荒くなってゆく
「誠…」
私は 誠の首の後ろに手を回し
「優しく しなくていい
もっと 激しく抱いて…」
そう…言って 誠の顔を 引き寄せ
強引に 唇を重ねた。
誠の舌が 私の舌に 絡み合う
指と指とが 重なりあって絡みあって
誠が 強く 握る
あの日… 「安物だけど」
そう言って 貴方が 照れくさそうにくれた シルバーリング
貴方との別れに 傷付いて
「バカヤロー」
そう 叫びながら 投げ捨てたシルバーリングが
今 私の左手の薬指で
歓喜の悲鳴を あげる
だって 2度とも 私は 同じ人に 恋したんだもの…
誠
私の愛は ただ1人だけ
貴方にしか 共鳴しない
誠の唇が… 首筋から 下へ と 降りてゆく
私の身体中に 貴方の唇が
舌が 這い回り やがて
もっと 深い 熱くなった部分に 触れた。
「ああぁぁーっ 誠!!!!」漏れる声
身悶える 身体… たまらずに純白のシーツを…掴んだ!!
「佐奈…愛してる!!」
やがて、誠の掠れる様な
甘い 囁きと 共に
私達は 一つに なった。
この幸せな 瞬間に 1つになったまま 氷ついてしまえばいい!!
瞬間に 心が 叫んだ!!
2度と…離れない様に
ずっと、貴方と…1つで いられる様に
2つに 別れた 身体が 憎くて たまらない!!
貴方を 知る事で この世には…こんなに深い 愛が
存在するんだって事を 教えられた。
これを・・
禁忌だと
過ちだと 責めるなら
神様・・
どうか、私達を
見捨てて 下さい
そして、何も 見えぬ様に
両目を 潰して 追放して下さい。
私は 愛だけを
貴方への 愛だけを
心の眼で 見詰めて行くから
16話『愛だけを見詰めて』
払いのけられた私の手は
空を切り ぶらりと 下に、げられた。
「何で 来たんだ!」
私に 鋭く向けられる 誠の切れ長の瞳
「何でって…」
先程 手を、振り払われた、ショックで 上手く言葉が 浮かばない
私は ポケットの中から 携帯を取り出し 昨日の 受信メールを 誠の目の前にかざした。
「バイバイ」そこには たった4文字の言葉が 書かれてある
「嫌だよ 誠 私 バイバイ何てしない」
携帯を閉じながら 誠にそう 告げる私
「お前…何もかも 知ったのか!?」
誠の瞳が 揺れる
私は、誠の問いかけに 一瞬だけ間を置き
「うん 何もかも 聞いた」
答えながら 深く 頷いた
少しの間 流れた 沈黙
「それなら もう 解っただろう…さよならだ!」
誠は そう言って 私の横をすり抜けて 背中を向ける
まただ
貴方は いつも 私に背を向ける
「待って誠!!」
誠を呼び止めると同時に 強く 拳を握り締めた。
今 伝えなければ…
「愛してるんだよ…誠」
私は 誠の背中に、願いを込めて、想いを口にした
誠は 何も 返してくれない
無言のまま 歩みを止めず 去って行く……私を、拒絶する、冷たい背中
「なら どうしたらいいの?」
誠に 問いかけた
「…………」
何も言わず
何も答えず
誠の背中が 私から段々、遠ざかって行く
こんなに 愛してしまって
どうしたら いいの?
答えて…誠
「お願い!!最後に 教えて!? 貴方を 忘れるには どうしたらいいの!!!!」
人混みの中に 消えて行く誠の背中を見詰め、声帯が契れる程、大きな声で叫んだ!!
やがて、私の視界から、誠の背中が、消えた。
(誠…)
力が抜け…ズルズルと ロビーの床に沈んでゆく身体
結局、私は いつも 誠に 取り残される
どんなに追いかけても、私の叫びは、貴方に届かない
「いやぁぁー!!!!」
私は うつ向き 顔を 両手で 覆うと 狂った様に、泣き崩れた。
その時
顔を 覆っていた 私の両手が 力強く掴まれた!!
掴まれたまま 下に降ろされる両手
目の前に 現れた黒い影
視界が ぼやけて良く見えない
瞬きを繰り返し、視点を 合わせようとしたその時
頭の後ろを 手ですくわれ私の顔は 強く 誰かの胸の中に 押し付けられた
「佐奈 その質問は 俺が いつも お前に 問いかけてた質問だ…」
頭上から 声が 聞こえる
「誠!?」
私は 名前を呼び、確認するように…顔を 上に向けた
途端に 私の目に移ったのは、世界中で一番愛しい男の顔だった。
「なぁ…俺が、聞きたいよ! 佐奈 お前を 忘れるには どうしたらいいんだ!?」
そんな 言葉と一緒に 私の頬に 次々と 落とされる水滴
「まこと!!!!」
私は 再び 誠の胸に 顔をうずめ 泣きじゃくった!!
「解らないよ!! だけど 貴方しか もう 見えないんだよ!!」
泣きながら 叫んだ声が震える
「佐奈!!」
名前を 呼びながら
更に 誠は 私を 強く 抱き締めた
背中と 頭の後ろに 回された その手が 愛しい
私の名を呼ぶ 唇が 愛しい
切れ長の目に 少しだけ かかった 貴方の黒い 前髪が愛しい
貴方の全てが こんなにも
今
・・・・愛しくて
たまらない!!
この人を 無くしたくない
貴方と一緒に、この先を歩いていけるなら…
何もかも 失っても 決して後悔などしない
誠の両手が 私の頬を 優しく 包み込む…
「佐奈 ずっと 愛してた」
(まこと…)
囁かれた言葉に 私は 瞳を静かに閉じた。
唇に 暖かい 貴方の 温もりを 感じる
(これは、夢なんかじゃないよね…)
私は、心の中で何度も誠にそう…問いかけていた。
やがて、飛行機は 滑走路から、空高く飛び立ち
私達は 空港側の ホテルの部屋で
静かに 見詰め合った
再度 唇に 貴方の 温もりが 戻る
唇が 離されると 誠は 私を 抱き締めた
「後悔しない 佐奈!?」
意地悪な 質問が 私の耳元で 囁かれる
「誠は?」
悔しくて 聞き返す私
「するかも…」
「えっ!?」
誠の言葉に 私は 悲しくなって 両手でグイッと、誠の 身体を引き離した。
「馬鹿!」
直ぐに、両手を掴まれて 引き戻される身体
「何が馬鹿なのよ!」
口を尖らせながら 誠を見上げる私
誠は クスクスと 笑いながら
「お前を 今 離したら 一生、後悔しただろうなって事だよ!!」
そう言って もう一度 唇を重ね合わせてきた。
高1の頃 誠とは 何度か キスをして 抱き締め合った
けれど あの頃とは 違う 匂いが する
この匂いは 大人の男の匂いだ
6年の歳月が 改めて 長かった事を 今 思い知らされる
それを 証明する様に 3回目に 落とされた キスは 段々と 深く 激しい物へと変わって行った。
「ん・・あぁっ」
隙間から 漏れてしまう声
やがて 身体が ベッドの上に 少し 乱暴に 倒される。スプリングの上に、大きく身体が、バウンドを重ねた。
直ぐに 誠が 私に 覆い かぶさってくる
空中で 私と誠の 視線が 絡み合った。
「もう 二度と 離さないって 約束して」
不安気に 聞く 私に
「何があっても、絶対に 離さなねーよ 覚悟しろよ」
誠が 誓ってくれた。
直後に 落ちてくる 深いキスの雨
誠の指先と 私の指先が 絡みあった
左手のシルバーリングを そっとなぞる 誠の指先が やがて私のブラウスのボタンを 1つ 又1つと 外してゆく
素肌に 触れた 誠の指先から 熱く流れ出す 愛が 私の五感全てを ただの(動物)メスに 変えた。
空を切り ぶらりと 下に、げられた。
「何で 来たんだ!」
私に 鋭く向けられる 誠の切れ長の瞳
「何でって…」
先程 手を、振り払われた、ショックで 上手く言葉が 浮かばない
私は ポケットの中から 携帯を取り出し 昨日の 受信メールを 誠の目の前にかざした。
「バイバイ」そこには たった4文字の言葉が 書かれてある
「嫌だよ 誠 私 バイバイ何てしない」
携帯を閉じながら 誠にそう 告げる私
「お前…何もかも 知ったのか!?」
誠の瞳が 揺れる
私は、誠の問いかけに 一瞬だけ間を置き
「うん 何もかも 聞いた」
答えながら 深く 頷いた
少しの間 流れた 沈黙
「それなら もう 解っただろう…さよならだ!」
誠は そう言って 私の横をすり抜けて 背中を向ける
まただ
貴方は いつも 私に背を向ける
「待って誠!!」
誠を呼び止めると同時に 強く 拳を握り締めた。
今 伝えなければ…
「愛してるんだよ…誠」
私は 誠の背中に、願いを込めて、想いを口にした
誠は 何も 返してくれない
無言のまま 歩みを止めず 去って行く……私を、拒絶する、冷たい背中
「なら どうしたらいいの?」
誠に 問いかけた
「…………」
何も言わず
何も答えず
誠の背中が 私から段々、遠ざかって行く
こんなに 愛してしまって
どうしたら いいの?
答えて…誠
「お願い!!最後に 教えて!? 貴方を 忘れるには どうしたらいいの!!!!」
人混みの中に 消えて行く誠の背中を見詰め、声帯が契れる程、大きな声で叫んだ!!
やがて、私の視界から、誠の背中が、消えた。
(誠…)
力が抜け…ズルズルと ロビーの床に沈んでゆく身体
結局、私は いつも 誠に 取り残される
どんなに追いかけても、私の叫びは、貴方に届かない
「いやぁぁー!!!!」
私は うつ向き 顔を 両手で 覆うと 狂った様に、泣き崩れた。
その時
顔を 覆っていた 私の両手が 力強く掴まれた!!
掴まれたまま 下に降ろされる両手
目の前に 現れた黒い影
視界が ぼやけて良く見えない
瞬きを繰り返し、視点を 合わせようとしたその時
頭の後ろを 手ですくわれ私の顔は 強く 誰かの胸の中に 押し付けられた
「佐奈 その質問は 俺が いつも お前に 問いかけてた質問だ…」
頭上から 声が 聞こえる
「誠!?」
私は 名前を呼び、確認するように…顔を 上に向けた
途端に 私の目に移ったのは、世界中で一番愛しい男の顔だった。
「なぁ…俺が、聞きたいよ! 佐奈 お前を 忘れるには どうしたらいいんだ!?」
そんな 言葉と一緒に 私の頬に 次々と 落とされる水滴
「まこと!!!!」
私は 再び 誠の胸に 顔をうずめ 泣きじゃくった!!
「解らないよ!! だけど 貴方しか もう 見えないんだよ!!」
泣きながら 叫んだ声が震える
「佐奈!!」
名前を 呼びながら
更に 誠は 私を 強く 抱き締めた
背中と 頭の後ろに 回された その手が 愛しい
私の名を呼ぶ 唇が 愛しい
切れ長の目に 少しだけ かかった 貴方の黒い 前髪が愛しい
貴方の全てが こんなにも
今
・・・・愛しくて
たまらない!!
この人を 無くしたくない
貴方と一緒に、この先を歩いていけるなら…
何もかも 失っても 決して後悔などしない
誠の両手が 私の頬を 優しく 包み込む…
「佐奈 ずっと 愛してた」
(まこと…)
囁かれた言葉に 私は 瞳を静かに閉じた。
唇に 暖かい 貴方の 温もりを 感じる
(これは、夢なんかじゃないよね…)
私は、心の中で何度も誠にそう…問いかけていた。
やがて、飛行機は 滑走路から、空高く飛び立ち
私達は 空港側の ホテルの部屋で
静かに 見詰め合った
再度 唇に 貴方の 温もりが 戻る
唇が 離されると 誠は 私を 抱き締めた
「後悔しない 佐奈!?」
意地悪な 質問が 私の耳元で 囁かれる
「誠は?」
悔しくて 聞き返す私
「するかも…」
「えっ!?」
誠の言葉に 私は 悲しくなって 両手でグイッと、誠の 身体を引き離した。
「馬鹿!」
直ぐに、両手を掴まれて 引き戻される身体
「何が馬鹿なのよ!」
口を尖らせながら 誠を見上げる私
誠は クスクスと 笑いながら
「お前を 今 離したら 一生、後悔しただろうなって事だよ!!」
そう言って もう一度 唇を重ね合わせてきた。
高1の頃 誠とは 何度か キスをして 抱き締め合った
けれど あの頃とは 違う 匂いが する
この匂いは 大人の男の匂いだ
6年の歳月が 改めて 長かった事を 今 思い知らされる
それを 証明する様に 3回目に 落とされた キスは 段々と 深く 激しい物へと変わって行った。
「ん・・あぁっ」
隙間から 漏れてしまう声
やがて 身体が ベッドの上に 少し 乱暴に 倒される。スプリングの上に、大きく身体が、バウンドを重ねた。
直ぐに 誠が 私に 覆い かぶさってくる
空中で 私と誠の 視線が 絡み合った。
「もう 二度と 離さないって 約束して」
不安気に 聞く 私に
「何があっても、絶対に 離さなねーよ 覚悟しろよ」
誠が 誓ってくれた。
直後に 落ちてくる 深いキスの雨
誠の指先と 私の指先が 絡みあった
左手のシルバーリングを そっとなぞる 誠の指先が やがて私のブラウスのボタンを 1つ 又1つと 外してゆく
素肌に 触れた 誠の指先から 熱く流れ出す 愛が 私の五感全てを ただの(動物)メスに 変えた。
16話『愛だけを見詰めて』
空港のロビーで 便名を確認すると 私は 人の波に ぶつかりながら、走った。
(誠!! 誠!! 誠!!)
心が 叫び声を あげる
視線を 左右に揺らし 誠の姿を探す
だが、無情にも 視野の先に捕らえる姿は 見知らぬ顔 見知らぬ背中ばかりだった。
(何処に居るの 誠!?)
人を掻き分け、エスカレーターを 駆け足で登り
誠が乗るはずの便の出発ロビーに急ぐ
お願い 神様!!
息を 切らし たどり着くと私は 椅子に腰掛ける人達の顔を 1人 1人 確認した
この人も違う! あの人じゃない!
出発時刻が 迫っているのか!?
アナウンスが 流れると 一斉に椅子から人が 立ち始め
また 視界を遮る 人混みになる
誠が 居ない!!
誠が 行ってしまう!!
「まことー!!!!」
歪み始める視界の中 私は人混みに向かって 愛しい名前を 叫んだ!!
その時
「佐奈!!」
背後から 私の名を呼ぶ声が 聞こえた。
振り向くと そこには
瞳を 大きく見開き 私を 見下ろす男が 立っていた。
(ま…こ…と!?)
「誠!!」
私は 滲んでぼやけてゆく 誠に向かって 叫び声をあげた!
「どうして ここに お前がいるんだ!?」
誠は 目を見開いたまま 私にそう聞く
思考が 定まらないまま 私は 答えた。
「パパに教えて貰ったんだよ 」
「父さんに!? 佐奈 お前…」
そう言いかけたまま うつ向き 絶句する誠
私は ゆっくりと誠に 歩み寄った。
「やっと、逢えた…」
誠に、手を伸ばす
けれど、その手を 突然 誠は 払いのけた。
(誠!! 誠!! 誠!!)
心が 叫び声を あげる
視線を 左右に揺らし 誠の姿を探す
だが、無情にも 視野の先に捕らえる姿は 見知らぬ顔 見知らぬ背中ばかりだった。
(何処に居るの 誠!?)
人を掻き分け、エスカレーターを 駆け足で登り
誠が乗るはずの便の出発ロビーに急ぐ
お願い 神様!!
息を 切らし たどり着くと私は 椅子に腰掛ける人達の顔を 1人 1人 確認した
この人も違う! あの人じゃない!
出発時刻が 迫っているのか!?
アナウンスが 流れると 一斉に椅子から人が 立ち始め
また 視界を遮る 人混みになる
誠が 居ない!!
誠が 行ってしまう!!
「まことー!!!!」
歪み始める視界の中 私は人混みに向かって 愛しい名前を 叫んだ!!
その時
「佐奈!!」
背後から 私の名を呼ぶ声が 聞こえた。
振り向くと そこには
瞳を 大きく見開き 私を 見下ろす男が 立っていた。
(ま…こ…と!?)
「誠!!」
私は 滲んでぼやけてゆく 誠に向かって 叫び声をあげた!
「どうして ここに お前がいるんだ!?」
誠は 目を見開いたまま 私にそう聞く
思考が 定まらないまま 私は 答えた。
「パパに教えて貰ったんだよ 」
「父さんに!? 佐奈 お前…」
そう言いかけたまま うつ向き 絶句する誠
私は ゆっくりと誠に 歩み寄った。
「やっと、逢えた…」
誠に、手を伸ばす
けれど、その手を 突然 誠は 払いのけた。