短編小説
パパと ママが 泣いてるの
「どうして 泣いてるの?」
って 聞いても 何も答えてくれない
きっと 美香が 「犬か猫を飼いたい」って わがままいったから 泣いてるのかな?
パパは もうすぐ お家が 出来るから そしたら 美香の好きな動物飼おうねって頭を 優しく撫でて くれたけど
本当は 美香 知ってるんだよ
パパとママが 無理して お家 買う事
だって 学校から 帰って来て 自分のお部屋に ランドセルを 置いた時
ダイニングテーブルの上で家計簿を見ながら ため息をつく ママを 見ちゃったんだもん
もう 美香 小学4年生だからね
その位の事 わかっちゃうんだ!!
でも どうして 無理しなくていいよって 言え無かったんだろう?
やっぱり 美香が わがままなのかな
だから、パパとママは そんなに泣くのかな?
その時
「違うよ!」
いつの間にか 隣にいた
ミケ猫が 囁いたの
「貴方 だあれ?口が聞けるの!?」
美香が 目をまん丸に開いてそう聞くと ミケ猫は
「わたしはね 美香ちゃんが 助けようとしてくれたあの時の子猫だよ」
そう言った
「あっ 思い出した!」
大きく叫んで 指を指す
「美香ちゃん ごめんね わたしの為に…」
「何が ごめんなの?」
ミケ猫が そう言ったので 質問をしてみた
そしたら ミケ猫は
「だって 美香ちゃん 道路の真ん中にいた わたしの事 助けようとして 死んじゃったから…」
そう言って 美香の事悲しそうに、見たの
「美香ちゃんにね 戻って来て欲しくて パパとママは泣くんだよ…」
「どうしたら パパとママの所に 戻れるの?」
ミケ猫の言葉に 悲しくなって 美香は 聞いたの
「わかんない だけど わたしは猫だから 人間と違って 後少しで 生まれかわれるよ…」
「じゃあ 美香 猫になる 猫になって パパとママの子供になる!!」
美香は 一生懸命に ミケ猫にお願いしたの
「わかったよ 美香ちゃん次のわたしの順番 美香ちゃんにかわれる様に 神様にお願いして見るね」
ミケ猫は そう 約束してくれた。
ねぇ パパ ママ 神様は
美香のお願い 聞いてくれるかな?
美香 もし 生まれかわれたら ミケ猫になって 泣いてるパパとママの子供になるよ
それでね いい子になって
いっぱい いっぱい
パパとママに 笑顔をあげる
だから それまで 待っててね
パパ
ママ
大好きだよ…
「どうして 泣いてるの?」
って 聞いても 何も答えてくれない
きっと 美香が 「犬か猫を飼いたい」って わがままいったから 泣いてるのかな?
パパは もうすぐ お家が 出来るから そしたら 美香の好きな動物飼おうねって頭を 優しく撫でて くれたけど
本当は 美香 知ってるんだよ
パパとママが 無理して お家 買う事
だって 学校から 帰って来て 自分のお部屋に ランドセルを 置いた時
ダイニングテーブルの上で家計簿を見ながら ため息をつく ママを 見ちゃったんだもん
もう 美香 小学4年生だからね
その位の事 わかっちゃうんだ!!
でも どうして 無理しなくていいよって 言え無かったんだろう?
やっぱり 美香が わがままなのかな
だから、パパとママは そんなに泣くのかな?
その時
「違うよ!」
いつの間にか 隣にいた
ミケ猫が 囁いたの
「貴方 だあれ?口が聞けるの!?」
美香が 目をまん丸に開いてそう聞くと ミケ猫は
「わたしはね 美香ちゃんが 助けようとしてくれたあの時の子猫だよ」
そう言った
「あっ 思い出した!」
大きく叫んで 指を指す
「美香ちゃん ごめんね わたしの為に…」
「何が ごめんなの?」
ミケ猫が そう言ったので 質問をしてみた
そしたら ミケ猫は
「だって 美香ちゃん 道路の真ん中にいた わたしの事 助けようとして 死んじゃったから…」
そう言って 美香の事悲しそうに、見たの
「美香ちゃんにね 戻って来て欲しくて パパとママは泣くんだよ…」
「どうしたら パパとママの所に 戻れるの?」
ミケ猫の言葉に 悲しくなって 美香は 聞いたの
「わかんない だけど わたしは猫だから 人間と違って 後少しで 生まれかわれるよ…」
「じゃあ 美香 猫になる 猫になって パパとママの子供になる!!」
美香は 一生懸命に ミケ猫にお願いしたの
「わかったよ 美香ちゃん次のわたしの順番 美香ちゃんにかわれる様に 神様にお願いして見るね」
ミケ猫は そう 約束してくれた。
ねぇ パパ ママ 神様は
美香のお願い 聞いてくれるかな?
美香 もし 生まれかわれたら ミケ猫になって 泣いてるパパとママの子供になるよ
それでね いい子になって
いっぱい いっぱい
パパとママに 笑顔をあげる
だから それまで 待っててね
パパ
ママ
大好きだよ…
短編小説
「イタズラゴン太」
その日は 朝から 小雨が しとしと 降っていました。
主人が 庭に咲く 薄紫色のアジサイを 縁側で見詰めながら
「小雨が降ると アジサイが 気持ち良さそうだ…」
そんな事を ふと 呟いて また 手元の新聞を 広げて顔を 隠しました。
「本当に、そうね」
空返事を 返す私
本当は こんな小雨の日は寂しさが つのり 泣きたい癖に…
我慢している主人の横顔が痛々しくて 私はいつも
空返事の後の言葉を 止めてしまいます。
遠い昔… 私達は 美香と言う名前の 可愛い天使の両親でした。太陽に向かって咲く 向日葵の様に 良く笑い 気に入らない事が あると 粒羅な瞳に 涙をいっぱいにためて 私の胸で泣きじゃくる娘でした。
動物が 大好きで 当時 公団住宅に 住んでいた私達は 「犬か 猫を 飼いたい!!」と わがままを 言う美香に 困り果てたものです そんな ある日 主人が 突然 言ったのです
「家を 買うぞ!」…と
勿論 美香に激甘な主人が無理を承知で 下した決断だと 私は 含み笑いの影で悟っていました。
だって 家を購入すれば
美香…貴方のお願いが 叶うから・・・
主人がめくる新聞の音に、ふと、我に返り
灰色の空を見上げる私
美香が 私達の元から 永遠に 手の届かない所に 逝ってしまったのは ちょうどこんな 小雨が パラパラと 振り注ぐ アジサイの季節でした。 お買い物の途中道端に、子猫を見つけ
「わぁ 可愛い!!」と 叫んで 美香は 繋いでいた私の手を振りほどき 道路に駆け出したのです
「美香 危ない」そう言って後を 追いかけた 私の目に飛び込んで来たのは 赤信号を無視し 猛スピードで 美香に突進して来る 赤い車の姿でした。
「きゃあー!!」と言う 悲鳴と共に 私の記憶は つい最近迄 途切れました。
気がつくと あれから8年の歳月が 流れており
浦島太郎の様に 現実に戻った私に 少し年を重ねた主人は 「2人で生きよう…」そう言って 涙を 流したのです。
その時
「ミィ~ ミィ~」
何処からか、声が 聞こえてきました
「おい なんか 声が しないか?」
主人が バサリと新聞を下に置くと 私に問いかけます
「ええ 聞こえるわ 何でしょう?」
慌てて サンダルをはき、庭に出る主人の後を追い 私も 庭に出て 辺りを見渡しました。
すると アジサイの花が 少しだけ揺れ その下から 声が 聞こえてきます。
「ここかな?」
主人が 花と花の根元を 見ると
「ミィ~ ミィ~」
声が 大きく 聞こえてきます
「おい 見ろ!!」
主人が 何かを見つけ 私に振り返りました。
その時 私の視線の先に 映ったもの それは 主人の両手の、手のひらで 怯えた様に 身体を丸くさせ 震えながら、鳴き叫ぶ 小さな 小さな 子猫でした。
その 儚い姿 ちょっと 力を加えたら 直ぐに壊れてしまいそうな そんな幼猫に 私達は 一瞬で
心を 釘付けに されてしまいました。
余りの小さな命に 不安になり 直ぐに 動物病院に連れて行きました。
「大丈夫ですよ 少し弱っているので スポイトからミルクを 飲ませましょう」
そう言って 獣医が 口元にあてた スポイトの先を 子猫は 見えない目で 探りあて 懸命に 吸い付きました
「生きようとする力が 強い ミケ猫ちゃんだ 」
先生は そう言いながら 子猫の性別を確認します
そして
「女の子ですね 後 半年たったら 虚勢手術に いらして下さい」
そう言って スポイトを 子猫の口から 外し
「続きは お父さんとお母さんに飲ませて貰いなさいはい…どうぞ」
と言って 差し出した主人の手のひらに 子猫を乗せました。
濡れた身体を タオルで包み 家に帰る途中
私と主人は この儚い命に力強い名前 「ゴン太」と 名付けました。
「女の子なのに おかしくない?」
そう聞いた私に 主人は
「男でも女でも 力強く 長生きして欲しいんだ!」
そう言って ニコリと笑いました。
それは 美香を失ってから 初めて見る 主人の優しい笑顔でした。
気がつくと
「そうだね…」
私も そう頷きながら 微笑を 浮かべていました。
私達の元に 運ばれてきた
小さな命
そして 私達に 忘れていた笑みを戻してくれる 大切な宝物
小さなミケ猫 ゴン太は 見る見る 元気に やんちゃに育ってゆきます
「猫じゃらしなんか 何本あっても 足りないな!」
仕事から 帰ると 主人が 背広を脱ぎ捨て レジ袋から 又 新しい 猫じやらしを 取り出します。
私は 「何本でも 店にある物 みんな 買い占めちゃえば?」
そう言って 笑いました。
ゴン太は 懸命に 主人が 左右に 揺する 猫じゃらしを 追いかけます
何とも 愛くるしい姿
又 私達は 顔を 見合せ 笑い合いました。
もしかしたら ゴン太は
美香の生まれ変わりなのかもしれない
晩年の人生に 足を踏み入れた 私達に 暖かい光が 差し込んだ様な そんな気がして ならないのです。
そして 歳月は微笑みと共に、優しく 流れ
やんちゃな 子猫だった
ゴン太は 立派な毛並みの成猫に 育ちました。
「大きくなったな」
主人が 目を細め ゴン太の頭を 愛しそうに、撫でます
「本当は 病室に 動物は 禁止なんですよ」
看護師が 人差し指を口元に当て 小声で 呟いた
「無理を言って すみません」
看護師に 深々と 頭を下げる私
3か月程前に 胃癌だと
告知を された主人の 旅立ちの日が 近づいていました。
最後に 一目だけでも ゴン太が 見たい
そんな主人の 願いを叶えたくて 私は この病室にゴン太を 連れて来てしまったのです。
窓から差し込む、緩やかな 光が 主人とゴン太を 包んでいました。
主人の頬を 優しく舐めるゴン太
「お前の舌は ザラザラして気持ちがいいな」
力なく 呟く 主人の頬を 水滴が 濡らしてゆきます
その水滴を 愛しそうに 舐めとるゴン太
「一足先に 美香の元へ逝ってるよ…」
主人が 私に言いました。
「ええ 貴方 私もゴン太も天命を まっとうしたら 貴方と美香の元に 逝きます。」
私は両手で 主人とゴン太を 抱き締めました。
「待ってるよ」
主人の言葉に 頬を寄せる私
「ええ 待ってて下さい
そして 今度は 貴方と美香と ゴン太と私 4人で 暮らしましょう…」
私の最後の言葉が届いたのか、
少しだけ 頷き 主人は 間もなく 旅立ちました。
あれから 20年
天命を 見事 生き抜き
私は 今日 先に逝った
貴方と美香 そして
ゴン太の元に 旅立ちます
久しぶりに 会うので ちょっと 緊張します。
美香
貴方
笑顔で 私を迎えてくれますか?
そして
ゴン太 貴方は 今
晩年の すました 大人しい猫なのでしょうか?
それとも
主人の揺らす 猫じゃらしに 飛び付いて遊んでる
子猫でしょうか?
その横で
美香 貴方は 向日葵の様に 笑っていますか?
想像に想いを重ね合わせながら、 貴方達の元に 旅立ちましょう
小雨がパラつく薄紫色の
この 良き日に…
その日は 朝から 小雨が しとしと 降っていました。
主人が 庭に咲く 薄紫色のアジサイを 縁側で見詰めながら
「小雨が降ると アジサイが 気持ち良さそうだ…」
そんな事を ふと 呟いて また 手元の新聞を 広げて顔を 隠しました。
「本当に、そうね」
空返事を 返す私
本当は こんな小雨の日は寂しさが つのり 泣きたい癖に…
我慢している主人の横顔が痛々しくて 私はいつも
空返事の後の言葉を 止めてしまいます。
遠い昔… 私達は 美香と言う名前の 可愛い天使の両親でした。太陽に向かって咲く 向日葵の様に 良く笑い 気に入らない事が あると 粒羅な瞳に 涙をいっぱいにためて 私の胸で泣きじゃくる娘でした。
動物が 大好きで 当時 公団住宅に 住んでいた私達は 「犬か 猫を 飼いたい!!」と わがままを 言う美香に 困り果てたものです そんな ある日 主人が 突然 言ったのです
「家を 買うぞ!」…と
勿論 美香に激甘な主人が無理を承知で 下した決断だと 私は 含み笑いの影で悟っていました。
だって 家を購入すれば
美香…貴方のお願いが 叶うから・・・
主人がめくる新聞の音に、ふと、我に返り
灰色の空を見上げる私
美香が 私達の元から 永遠に 手の届かない所に 逝ってしまったのは ちょうどこんな 小雨が パラパラと 振り注ぐ アジサイの季節でした。 お買い物の途中道端に、子猫を見つけ
「わぁ 可愛い!!」と 叫んで 美香は 繋いでいた私の手を振りほどき 道路に駆け出したのです
「美香 危ない」そう言って後を 追いかけた 私の目に飛び込んで来たのは 赤信号を無視し 猛スピードで 美香に突進して来る 赤い車の姿でした。
「きゃあー!!」と言う 悲鳴と共に 私の記憶は つい最近迄 途切れました。
気がつくと あれから8年の歳月が 流れており
浦島太郎の様に 現実に戻った私に 少し年を重ねた主人は 「2人で生きよう…」そう言って 涙を 流したのです。
その時
「ミィ~ ミィ~」
何処からか、声が 聞こえてきました
「おい なんか 声が しないか?」
主人が バサリと新聞を下に置くと 私に問いかけます
「ええ 聞こえるわ 何でしょう?」
慌てて サンダルをはき、庭に出る主人の後を追い 私も 庭に出て 辺りを見渡しました。
すると アジサイの花が 少しだけ揺れ その下から 声が 聞こえてきます。
「ここかな?」
主人が 花と花の根元を 見ると
「ミィ~ ミィ~」
声が 大きく 聞こえてきます
「おい 見ろ!!」
主人が 何かを見つけ 私に振り返りました。
その時 私の視線の先に 映ったもの それは 主人の両手の、手のひらで 怯えた様に 身体を丸くさせ 震えながら、鳴き叫ぶ 小さな 小さな 子猫でした。
その 儚い姿 ちょっと 力を加えたら 直ぐに壊れてしまいそうな そんな幼猫に 私達は 一瞬で
心を 釘付けに されてしまいました。
余りの小さな命に 不安になり 直ぐに 動物病院に連れて行きました。
「大丈夫ですよ 少し弱っているので スポイトからミルクを 飲ませましょう」
そう言って 獣医が 口元にあてた スポイトの先を 子猫は 見えない目で 探りあて 懸命に 吸い付きました
「生きようとする力が 強い ミケ猫ちゃんだ 」
先生は そう言いながら 子猫の性別を確認します
そして
「女の子ですね 後 半年たったら 虚勢手術に いらして下さい」
そう言って スポイトを 子猫の口から 外し
「続きは お父さんとお母さんに飲ませて貰いなさいはい…どうぞ」
と言って 差し出した主人の手のひらに 子猫を乗せました。
濡れた身体を タオルで包み 家に帰る途中
私と主人は この儚い命に力強い名前 「ゴン太」と 名付けました。
「女の子なのに おかしくない?」
そう聞いた私に 主人は
「男でも女でも 力強く 長生きして欲しいんだ!」
そう言って ニコリと笑いました。
それは 美香を失ってから 初めて見る 主人の優しい笑顔でした。
気がつくと
「そうだね…」
私も そう頷きながら 微笑を 浮かべていました。
私達の元に 運ばれてきた
小さな命
そして 私達に 忘れていた笑みを戻してくれる 大切な宝物
小さなミケ猫 ゴン太は 見る見る 元気に やんちゃに育ってゆきます
「猫じゃらしなんか 何本あっても 足りないな!」
仕事から 帰ると 主人が 背広を脱ぎ捨て レジ袋から 又 新しい 猫じやらしを 取り出します。
私は 「何本でも 店にある物 みんな 買い占めちゃえば?」
そう言って 笑いました。
ゴン太は 懸命に 主人が 左右に 揺する 猫じゃらしを 追いかけます
何とも 愛くるしい姿
又 私達は 顔を 見合せ 笑い合いました。
もしかしたら ゴン太は
美香の生まれ変わりなのかもしれない
晩年の人生に 足を踏み入れた 私達に 暖かい光が 差し込んだ様な そんな気がして ならないのです。
そして 歳月は微笑みと共に、優しく 流れ
やんちゃな 子猫だった
ゴン太は 立派な毛並みの成猫に 育ちました。
「大きくなったな」
主人が 目を細め ゴン太の頭を 愛しそうに、撫でます
「本当は 病室に 動物は 禁止なんですよ」
看護師が 人差し指を口元に当て 小声で 呟いた
「無理を言って すみません」
看護師に 深々と 頭を下げる私
3か月程前に 胃癌だと
告知を された主人の 旅立ちの日が 近づいていました。
最後に 一目だけでも ゴン太が 見たい
そんな主人の 願いを叶えたくて 私は この病室にゴン太を 連れて来てしまったのです。
窓から差し込む、緩やかな 光が 主人とゴン太を 包んでいました。
主人の頬を 優しく舐めるゴン太
「お前の舌は ザラザラして気持ちがいいな」
力なく 呟く 主人の頬を 水滴が 濡らしてゆきます
その水滴を 愛しそうに 舐めとるゴン太
「一足先に 美香の元へ逝ってるよ…」
主人が 私に言いました。
「ええ 貴方 私もゴン太も天命を まっとうしたら 貴方と美香の元に 逝きます。」
私は両手で 主人とゴン太を 抱き締めました。
「待ってるよ」
主人の言葉に 頬を寄せる私
「ええ 待ってて下さい
そして 今度は 貴方と美香と ゴン太と私 4人で 暮らしましょう…」
私の最後の言葉が届いたのか、
少しだけ 頷き 主人は 間もなく 旅立ちました。
あれから 20年
天命を 見事 生き抜き
私は 今日 先に逝った
貴方と美香 そして
ゴン太の元に 旅立ちます
久しぶりに 会うので ちょっと 緊張します。
美香
貴方
笑顔で 私を迎えてくれますか?
そして
ゴン太 貴方は 今
晩年の すました 大人しい猫なのでしょうか?
それとも
主人の揺らす 猫じゃらしに 飛び付いて遊んでる
子猫でしょうか?
その横で
美香 貴方は 向日葵の様に 笑っていますか?
想像に想いを重ね合わせながら、 貴方達の元に 旅立ちましょう
小雨がパラつく薄紫色の
この 良き日に…
あらすじ
・・あらすじ・・
高校一年の 神林佐奈は
父親 「神林勝利」と
母親「芳江」との不仲による 長年の冷えた家庭の中で育ち 自分自身 何もかも覚めた目で 世の中を見ていた。
政治家である 佐奈の父親は 外で愛人を作り 選挙の期間しか 家には 帰らない一方 母親も そんな父親に抵抗する様に 佐奈の家庭教師だと 連れてきた 「秋葉直人」との情事を重ねていた。
そんなある日 佐奈は 家庭教師 直人により 無理矢理部屋に閉じ込められ 犯されそうになる やっとの思いで 直人の腕に 噛みつき逃げる…佐奈
「大人は 汚い!!」
「もう…どうでもいい」
死を覚悟し 学校の屋上に立つ
そんな、佐奈の前に 現れたのが 「椎葉 誠」だった別に 飛び降りようとする佐奈を 助ける訳でもなく「群れから 外されたぁ~」と 嘆く 誠に 佐奈は
「ダサい奴」のレッテルを張り付けながらも
「ってか 何で そんな 危ない所にいんの?趣味!?」と 言いながら 差し出された 誠の手を取ってしまった。そして 次第に 誠に心を 開いてゆく佐奈 気が付くと 笑顔の日が 多くなっていた。 高校に入学して以来 初めて出来た 友達 美紀を 加え 佐奈の毎日は 輝き始める だが それとは、対象的に 誠は 日々 元気を 無くしてゆく 休みがちになる学校
心配になった佐奈は 何度も 誠に連絡を とるが 誠の態度は 日に日に 冷たくなっていった。 そして
ついに誠は、佐奈に 何も告げず 転校してしまう
1人 取り残される佐奈
嫌われたのだと、悟りながらも、 誠への想いを たち切れず 苦しみの日々は 過ぎて行く
一年の月日が流れ…
気が付くと 美紀と2人 佐奈は 夜の街を 徘徊する様になっていた
寝る場所を求め 通りすがりの男とベッドを共にする週末 佐奈の心は すさんでいた。 そんな時に 佐奈の携帯に 届いた 間違いメール そのメールの主は シンナーに 手を出そうとしている佐奈に 「もっと 夢見たいな場所がある」と メールで 誘導し 佐奈にビルの屋上から 綺麗な 夜景を 見せるのだった
「変な奴」そう思いながら佐奈は 奴とメル友になる
そのメル友によって 佐奈は 美紀との友情に 気付かされる事になる
友達を信じる事を 教えられ 佐奈と美紀の間に 生まれたのは 「親友」と言う 熱い 絆だった。
そして その後に 佐奈を襲う 2人組の男による 暴行事件 美紀の通報により、寸前の所で 助けられた佐奈は 薄れる意識の中 一年ぶりに 忘れられない男の声を聞いた。
「愛してるんだ 佐奈」
聞こえる男の声に
「まこと…」
伸ばした佐奈の手は 無情にも 夢へと 変わる
現実に引き戻された 佐奈を待っていたのは 甘い苦しみと 突然 態度を変えた父と母の姿だった。
あんなに 不仲だった 父と母が 共に歩み寄り 佐奈に愛を くれる そんな姿に 戸惑いながらも 嬉しさを隠せない佐奈
次々と 開いてゆく 心の引き出し 気が付くと 佐奈の回りには 美紀以外にも 友達が 沢山 出来ていた。 そんな 佐奈を 常に メールと言う形で 支えてくれる奴と言う名の 不思議なメル友 そんな中 佐奈は 重い病に 苦しむ 亜弥と 出会い 死を体験する事により 悲しみの中 亜弥の遺品である くまの縫いぐるみ 「ピュア」と 共に 看護師を 志す…
そして いつしか メル友 「奴」に 対して 芽生える熱い感情
「逢いたい」看護師の国家試験を 見事パスし 看護学校の卒業を 迎えた佐奈は 奴に 自分の気持ちを 伝えようと 決心するのだった。
しかし そんな 佐奈の気持ちは 見事 裏切られ 奴から 佐奈に届いた 最後のメール そこには 「バイバイ」たった4文字の短い 言葉が 綴られていた。
訳の解らねまま 泣きじゃくる佐奈
心配しながら 背後に立つ美紀に 佐奈は 聞いた。
「どうして 私の 愛する人は 消えちゃうの?」
・・・と
そんな 佐奈の悲痛な 叫びを 聞いて 美紀は 佐奈に隠してきた 真実を 語り始めた
そこに 隠された 秘密
それは
長きに渡り佐奈へのメールを送り続けた
誠が 佐奈に、抱く愛と
2人が 異母兄妹 だと言う真実だった。
父と母そして、誠の母(恵子)それぞれの思いが 渦巻く 遠い 過去 過ち、別離
そして 真実の愛その事実を知って 佐奈から離れた誠
苦悩する佐奈の出した
結論 それは
「誠に 逢いたい」
ただ それだけだった。
何も言わず、佐奈への想いを 胸に抱き、海外留学を決め、空港へと向かう誠
事実を知りながらも、誠を 追いかける 佐奈
2人が 思い知るのは
どんなに 逢えない年月が
流れようと 決して 色あせる事のない 深い 愛だった
そして 2人の出した結論 それは
例え 未来が無くても
愛だけを 貫く
そんな決断だった。
父が 母が 誠の母が
困惑し 泣き崩れる中
2人は 手を 繋ぎ 頭を下げるのだった。
高校一年の 神林佐奈は
父親 「神林勝利」と
母親「芳江」との不仲による 長年の冷えた家庭の中で育ち 自分自身 何もかも覚めた目で 世の中を見ていた。
政治家である 佐奈の父親は 外で愛人を作り 選挙の期間しか 家には 帰らない一方 母親も そんな父親に抵抗する様に 佐奈の家庭教師だと 連れてきた 「秋葉直人」との情事を重ねていた。
そんなある日 佐奈は 家庭教師 直人により 無理矢理部屋に閉じ込められ 犯されそうになる やっとの思いで 直人の腕に 噛みつき逃げる…佐奈
「大人は 汚い!!」
「もう…どうでもいい」
死を覚悟し 学校の屋上に立つ
そんな、佐奈の前に 現れたのが 「椎葉 誠」だった別に 飛び降りようとする佐奈を 助ける訳でもなく「群れから 外されたぁ~」と 嘆く 誠に 佐奈は
「ダサい奴」のレッテルを張り付けながらも
「ってか 何で そんな 危ない所にいんの?趣味!?」と 言いながら 差し出された 誠の手を取ってしまった。そして 次第に 誠に心を 開いてゆく佐奈 気が付くと 笑顔の日が 多くなっていた。 高校に入学して以来 初めて出来た 友達 美紀を 加え 佐奈の毎日は 輝き始める だが それとは、対象的に 誠は 日々 元気を 無くしてゆく 休みがちになる学校
心配になった佐奈は 何度も 誠に連絡を とるが 誠の態度は 日に日に 冷たくなっていった。 そして
ついに誠は、佐奈に 何も告げず 転校してしまう
1人 取り残される佐奈
嫌われたのだと、悟りながらも、 誠への想いを たち切れず 苦しみの日々は 過ぎて行く
一年の月日が流れ…
気が付くと 美紀と2人 佐奈は 夜の街を 徘徊する様になっていた
寝る場所を求め 通りすがりの男とベッドを共にする週末 佐奈の心は すさんでいた。 そんな時に 佐奈の携帯に 届いた 間違いメール そのメールの主は シンナーに 手を出そうとしている佐奈に 「もっと 夢見たいな場所がある」と メールで 誘導し 佐奈にビルの屋上から 綺麗な 夜景を 見せるのだった
「変な奴」そう思いながら佐奈は 奴とメル友になる
そのメル友によって 佐奈は 美紀との友情に 気付かされる事になる
友達を信じる事を 教えられ 佐奈と美紀の間に 生まれたのは 「親友」と言う 熱い 絆だった。
そして その後に 佐奈を襲う 2人組の男による 暴行事件 美紀の通報により、寸前の所で 助けられた佐奈は 薄れる意識の中 一年ぶりに 忘れられない男の声を聞いた。
「愛してるんだ 佐奈」
聞こえる男の声に
「まこと…」
伸ばした佐奈の手は 無情にも 夢へと 変わる
現実に引き戻された 佐奈を待っていたのは 甘い苦しみと 突然 態度を変えた父と母の姿だった。
あんなに 不仲だった 父と母が 共に歩み寄り 佐奈に愛を くれる そんな姿に 戸惑いながらも 嬉しさを隠せない佐奈
次々と 開いてゆく 心の引き出し 気が付くと 佐奈の回りには 美紀以外にも 友達が 沢山 出来ていた。 そんな 佐奈を 常に メールと言う形で 支えてくれる奴と言う名の 不思議なメル友 そんな中 佐奈は 重い病に 苦しむ 亜弥と 出会い 死を体験する事により 悲しみの中 亜弥の遺品である くまの縫いぐるみ 「ピュア」と 共に 看護師を 志す…
そして いつしか メル友 「奴」に 対して 芽生える熱い感情
「逢いたい」看護師の国家試験を 見事パスし 看護学校の卒業を 迎えた佐奈は 奴に 自分の気持ちを 伝えようと 決心するのだった。
しかし そんな 佐奈の気持ちは 見事 裏切られ 奴から 佐奈に届いた 最後のメール そこには 「バイバイ」たった4文字の短い 言葉が 綴られていた。
訳の解らねまま 泣きじゃくる佐奈
心配しながら 背後に立つ美紀に 佐奈は 聞いた。
「どうして 私の 愛する人は 消えちゃうの?」
・・・と
そんな 佐奈の悲痛な 叫びを 聞いて 美紀は 佐奈に隠してきた 真実を 語り始めた
そこに 隠された 秘密
それは
長きに渡り佐奈へのメールを送り続けた
誠が 佐奈に、抱く愛と
2人が 異母兄妹 だと言う真実だった。
父と母そして、誠の母(恵子)それぞれの思いが 渦巻く 遠い 過去 過ち、別離
そして 真実の愛その事実を知って 佐奈から離れた誠
苦悩する佐奈の出した
結論 それは
「誠に 逢いたい」
ただ それだけだった。
何も言わず、佐奈への想いを 胸に抱き、海外留学を決め、空港へと向かう誠
事実を知りながらも、誠を 追いかける 佐奈
2人が 思い知るのは
どんなに 逢えない年月が
流れようと 決して 色あせる事のない 深い 愛だった
そして 2人の出した結論 それは
例え 未来が無くても
愛だけを 貫く
そんな決断だった。
父が 母が 誠の母が
困惑し 泣き崩れる中
2人は 手を 繋ぎ 頭を下げるのだった。