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‐朝鮮民主主義人民共和国憲法を読む その６(１９７２年 第六章 ８９条～９９条)‐
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『朝鮮民主主義人民共和国国旗』
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時事通信社 『朝鮮要覧１９７３』現代朝鮮研究会 １６９頁より
第七章 中央人民委員会
第一〇〇条 中央人民委員会は朝鮮民主主義人民共和国国家主権の最高指導機関である。
第一〇一条 中央人民委員会の首位は朝鮮民主主義人民共和国主席である。
第一〇二条 中央人民委員会は朝鮮民主主義人民共和国主席、副主席、中央人民委員会書記長、委員で構成する。中央人民委員会の任期は四年とする。
第一〇三条 中央人民委員会はつぎのような任務と権限を有する。
一、国家の対内外政策を立てる。
二、政務院と地方人民会議および人民委員会の事業を指導する。
三、司法、検察機関の事業を指導する。
四、国防および国家政治防衛事業を指導する。
五、憲法、最高人民会議法令、朝鮮民主主義人民共和国主席命令、中央人民委員会政令、決定、指示の執行状況を監督し、それに反する国家機関の決定、指示を廃止する。
六、政務院の部門別執行機関である部を設置または廃止する。
七、政務院総理の提議により副総理、各部長、その他政務院成員を任命または解任する。
八、大使と公使を任命または召還する。
九、重要軍事幹部を任命または解任し、将領軍事称号を授与する。
十、勲章、各誉称号、軍事称号および外交職級を制定し、勲章、各誉称号を授与する。
十一、大赦を実施する。
十二、行政区域を新設または改正する。
十三、有事の際に戦時状態と動員令を宣布する。
第一〇四条 中央人民委員会は政令と決定を採択し、指示を出す。
第一〇五条 中央人民委員会には対内政策委員会、対外政策委員会、国防委員会、司法安全委員会など中央人民委員会の活動を助ける部門別委員会を置く。中央人民委員会各委員会の成員は中央人民委員会が任命または解任する。
第一〇六条 中央人民委員会は自己の活動にたいして最高人民会議の前に責任を負う。
時事通信社 『朝鮮要覧１９７３』現代朝鮮研究会 ２８６～２８８頁より
・中央人民委員会の詳細
先ずこちらは、最高人民会議(立法府)と朝鮮民主主義人民共和国主席(国家元首)についての記述。
‐朝鮮民主主義人民共和国憲法を読む その５(１９７２年 第五章 ７３条～８８条)‐
‐朝鮮民主主義人民共和国憲法を読む その６(１９７２年 第六章 ８９条～９９条)‐
中央人民委員会は、「共和国国家主権の最高指導機関である」(憲法第一〇〇条)と記されています。同委員会の首位は、共和国主席が兼任し、このほか副主席、中央人民委員会書記長および委員で構成される。いずれも任期は４年。
中央人民委員会の「任務」と「権限」は、次のように概略されます。
一、国家の対内外政策(外交戦略)を立てる。
二、政務院、地方人民会議、地方人民委員会の活動、司法・検察機関の活動、国防および国家政治防衛事業を指導する。
三、政令と決定を採択し、指示を出す。
四、憲法、法令、主席命令、中央人民委員会政令・決定・指示の執行状況を監督し、それに反する国家機関の決定、指示を廃止する。
五、政務院の部の設置、廃止。政務院総理の提議にもとづく副総理その他の政務院メンバーの任免。大公使の任免。重要軍事幹部の任免。
六、勲章、名誉称号、軍事称号の制定と授与。
七、大赦の実施。
八、行政区域の新設と改正。
九、有事の際の戦時状態と動員令の宣布。
※()は筆者註
『同』 １７１頁より
中央人民委員会には、対内政策(内政)、対外政策(外交)、国防、司法安全各委員会その他の部門別委員会がおかれます。主に北朝鮮における「国政全般」を担当します。
・同委員会メンバー(１９７３年２月末現在)
▼中央人民委員会名簿(一九七三年二月末現在。カッコ内は編者注)
書記長 林春秋 Rim Chun Chu (労働党中央委員)
委員 金日成 Kim Il Sung (共和国主席)
崔庸健 Choi Yong Kun (共和国副主席)
康良煜 Kang Ryang Uk (同右)
金一 Kim Il (政務院総理)
朴成哲 Pak Sung Chul (副総理、労働党政治委員会委員)
崔賢 Choe Hyon (労働党政治委員会委員)
呉振宇 O Jin U (労働党政治委員会委員・中央委秘書)
金東奎 Kim Dong Gyu (同右)
金英柱 Kim Yong Ju (同右)
金仲麟 Kim Jung Rin (同右)
玄武光 Hyon Mu Gwang (労働党政治委員会委員候補・中央委秘書)
楊亨燮 Yang Hyong Sop (同右)
金萬金 Kim Man Gum (副総理、労働党政治委員会委員候補)
李根模 Li Gum Mo (労働党政治委員会委員候補)
崔載羽 Choe Jae U (副総理、労働党政治委員会委員候補)
李鐘玉 Li Jong Ok (労働党政治委員会委員候補)
林春秋 Rim Chun Chu (労働党中央委員)
延亨黙 Yon Hyong Muk (労働党中央委員秘書)
呉泰鳳 O Tea Bong (同右)
南日 Nam Il (副総理)
洪元吉 Hong Won Gil (同右)
柳章植 Ryu Jang Sik (労働党対外事業部長)
許淡 Ho Dam (副総理)
金炳何 Kim Byong Ha (政務院社会安全部長)
『同』 １７３～１７４頁より
<参考資料>
・時事通信社 『朝鮮要覧１９７３』現代朝鮮研究会
<ツイッター>
【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】
https://twitter.com/XMfD0NhYN3uf6As
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