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‐シリーズ・『図上作戦計画』に迫る その2(アジア朝鮮情勢①)‐

 

 

『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房(二七二頁~二七三頁より)

 

 

今回はその続きです。

 

 

北京、平壌両放送は、本行動を韓国革命政権の援助要請に基づく義勇軍の行動であると報じた。

 

米韓軍はかなりの損害を受けたが、これを阻止及びに反撃に転じつつあり、同時に在韓米軍司令官は、共産側の明白かつ組織的な侵略の開始を指摘して国連軍としての行動を開始することを宣言した。また米太平洋軍司令官は直ちに北東アジアの所在の米三軍に対して韓国救援作戦の開始を発令した。

 

※実際の米太平洋軍司令部と、アメリカ軍の東~東南アジア地域における展開

 

‐シリーズ『日米同盟』の正体 その4(「中国封じ込め」作戦の経緯)‐

 

 

(九)→略

 

(一〇)7月21日、東京において日米安保協議委員会が開催され次の事項について連絡協議された。

 

イ、当面の情勢判断

 

ロ、米太平洋軍(在日米軍をふくむ)の行動方針と日本の協力

 

ハ、日本に対する事態の波及と日本防衛準備

 

政府はは同日夜臨時閣議を開き、その結果防衛庁長官は総理大臣の承認を得て、自衛隊に防衛出動待機を下令した。また政府は緊急声明を発表し、かつ総理大臣は自らテレビを通じ、「いまや我が国は共産側の直接侵略の危機に直面している。祖国防衛のため国民の決起を要請する」と述べるとともに、自衛隊に対し防衛出動待機ならびに緊急作戦準備を下令したと発表した。

 

 

(一一)7月22日、統幕事務局と在日米軍司令部は、安保協議委員会の決定に基づき、日本防衛準備に関する細目調整会議を開催した。その座上、在日米軍司令官は在日米軍三軍の朝鮮作戦支援と日本防衛作戦とにおける式関係について次の通り補足説明をした。

 

イ、朝鮮戦線に対する支援作戦の指揮は、現在USARPAC、CINCPACFLT、PACAFによってそれぞれ実施されており、在日米軍司令官は列外にある。

 

ロ、日本防衛のため必要な準備作戦(哨戒、偵察、警戒、作戦準備等)については、現在すでに在日米軍司令官のコントロールが承認されており、今後起こるべき日本直接防衛のための作戦については特別のものを除き、在日米軍が指揮する。

 

ハ、在日米軍は現在のところ日本およびその周辺の防衛と朝鮮戦線に対する後方輸送支援の任務を与えられているが、朝鮮戦線の推移如何では、これが支援作戦の任務も付加されるであろう。また、太平洋軍の動きについて、次の通り連絡があった。

 

(イ)ハワイおよび沖縄からSTRICOM1DおよびTAC1Wが南鮮に増派され、これらは現在ほぼ展開を終わって作戦を開始。

 

(ロ)空母機動部隊はすでに洋上から朝鮮戦線の支援作戦に従事している。

 

(ハ)潜水艦隊の一部および戦略偵察機の一部はソ連の海軍空軍基地を隠密裡に偵察監視中であるが、今のところ特異な兆候は認められない。

 

(ニ)日本の南方海面を通じ、直接もしくは日本本土から、韓国に対する作戦輸送が激増しているが、今後これらに対する敵潜水艦隊及び航空機の妨害が予想される。

 

 

(一二)→略

 

(一三)→略

 

(一四)→略

 

 

三 国内情勢→略

 

 

<参考資料>

 

・『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第三巻 勁草書房

 

 

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