前回の記事

 

‐シリーズ・『図上作戦計画』に迫る その1(「三矢研究」とは何か)‐

 

‐シリーズ『日米同盟』の正体 その4(「中国封じ込め」作戦の経緯)‐

 

 

さらに下記の方では、アメリカの「中国包囲」政策によって、周辺の国々が次々と『軍事基地化』される中、日本がその「中心」に据えられ、こうした大きな歴史の流れから、前記事の「三矢研究」の資料について、もっと詳しく述べていきたいと思います。

 

 

『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房(二七〇~二七一頁より)

 

 

写真資料には、上の画像の□で括った極秘欄に、昭和三八年度(1963年)における、自衛隊の統合防衛図上研究の概要が綴られ、その中で、当時の世界情勢が分析されています。

 

内容については、主に朝鮮半島と中国大陸での軍事的動向を探っています。

 

 

二、アジアの情勢→略

 

 

(一)→略

 

(二)→略

 

(三)南北鮮間におけるゲリラ的航空攻撃の応酬は、7月に入っても依然散発し、米軍はこれに対する要撃作戦について韓国軍に協力するとともに、北鮮内部の航空偵察を実施中であったところ、中共の介入について確証を得たもののごとく、7月7日1000、在日米軍司令部および駐日米大使は、それぞれ防衛庁および外務省に対し、要旨次のような事項を連絡し、同時に、ワシントンにおいても国防省発表を行った。

 

イ、共産側は朝鮮休戦を無視し、依然として韓国に対する航空攻撃をやめていない。

 

ロ、最近中共は、その兵力および増援物資を輸送中であり、米軍は北鮮における中共航空機および陸軍部隊を確認した。過去一週間来、中共、平壌間の鉄道および自動車輸送は異常な活況をみせている。

 

ハ、平壌、元山をふくむ北鮮南部地域には、相当大規模の兵力終結がみられ、また北鮮要地においては新たにSAM(対空迎撃ミサイル)が相当数配置された。

 

ニ、米国は以上の事態を極めて重大視し、中共、北鮮に対し南鮮攻撃の即時停止と中共軍の北鮮撤退を、またソ連に対しては、これらの実現について然るべき協力と責任を要求し、万一これが実現をみない場合には、米国として重大な決定を行わざるえない旨通告した。

 

(四)→略

 

(五)→略

 

(六)→略

 

(七)→略

 

(八)7月19日夕刻、突如中共空軍機をふくむと思われる北鮮側の戦爆大編隊が、韓国の主要空軍基地および都市を奇襲攻撃し、夜半に入って、北鮮側地上軍は軍事境界線の全線にわたり攻撃を開始し、東部国境地区においては韓国反乱軍および革命分子の策応もあって、相当の進出をみたもようである。

 

 

※北鮮(南鮮)という言葉は、今では死語となっていますが、朝鮮半島に対する極めて強い差別意識に基づいた表現なので、現在において、学術目的以外に、絶対に使用してはならない言葉のひとつです。

 

 

<参考資料>

 

・『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第三巻 勁草書房

 

 

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