『‐友人の悲しい画力時代(模写教育の重要性)‐』
https://ameblo.jp/epikutetosu/entry-12351354039.html
『‐友人の成長した画力時代(素材は迷わずパクれ)‐』
https://ameblo.jp/epikutetosu/entry-12351465032.html
『‐イラスト解体新書・キャラクターはこうして生まれる その1‐』
https://ameblo.jp/epikutetosu/entry-12352495183.html
さて、ペン入れも終了したところで、いざ着彩に移ります。
主に着彩に使うのが、このコピックペンと呼ばれるものです。
これがやたらと高くて、今あるのは廉価版(チャオ)ですが、一つのセットが一万円近くします。
A~Eセットまで合わせると約5万円で、さらに上位版の(スケッチ)だと、10万近い予算がないと厳しいシロモノです。これは水彩最高峰と言われる絵具ブランド『ウィンザーニュートン』(英)や『シュミンケ』(独)の絵具セットを軽く凌駕する価格です。
そんなお高い画材を使って、いざ着彩へ・・・・!!
うがっ・・・・・!!!
完全に失敗しました。。。
写真ではよく見えませんが、実際の肉眼で確認すると、肌の色があまりにも濃すぎて、塗り方にしても、コピックは所謂「腹塗り」でしないと、筆ムラなしわくちゃな肌になってしまい、とても見るに堪えないものとなってしまいました。。。。。
「アンタよくもこんなブサイクにしてくれたわね!」
ひー!!!ごめんなさーーーーーーい!!!
そして恐ろしいことに、これはアナログ絵です。
つまりどういうことかと言うと、「一から全部やり直し」です。
この失敗作の「線画」だけを、トレース台を使って、新しい原稿用紙に転写し、再びペン入れするという作業にもどります。なんともトホホな展開(´・ω・`)
そしてここで急遽予定変更。
慣れないコピック着彩を放棄して、いつものベタ塗りとトーンの絵に逃げ込みました。
ここでひとつ解説しておきたいことがありまして、こういう漫画イラストを描いている方ならご存知がと思いますが、一回ベタ塗りをして、トレース台で透かすと、非常に汚いムラが出てきます。さらにトーンを貼ると、その張った箇所が白く薄みがかったり、貼ってるところとそうでないところが目立ってしまい、非常に不格好なものになります。
これは別の原稿ですが、見ればわかるように、非常に汚いですww
そうしたことを極力目立たなくさせるために、一度ベタ塗りや、スクリーントーンを貼った上に、再度ベタ塗り加工を施す作業に入ります。これが非常に面倒で、筆ペンのインク残量がすぐなくなってしまい、意外と時間を取られる作業になります。
そして修正の結果がこちらです。
拡大すると目立ってしまいますが、離れて見ると、きれいに黒塗りになっています。
そんなこんなで作画は終了いたしましたが、絵ひとつとっても、漫画絵やイラストの違いは大きく、かつて水彩で徹底的にならした友人でも、いざコピックを使うなると、練度0がゆえに扱いきれず、大きな失敗をおかしてしまいました。
また着彩技術にせよ、水彩を使わなくなって3年以上が過ぎた友人のナルトの模写絵にしろ、彼曰く「もうこのレベルには行けない」と述べています。
何事もそうですが、「ある一定のレベルを維持すること」はとても容易な事ではなく、常日頃から「やり続けて」練度を保たなくてはなりません。しかし、ひとつの分野だけでも、膨大な技術や練度を必要とし、とてもカバーし切れる範疇ではありません。
これは私や多くの人々にとっても同様で、ひとつの認識や学識を維持することは、膨大な本を読み、常に新しい情報を入れ続けないと、やがて栄養が枯渇し、その人自身の思考を腐らせていく結果となります。
仮に大学を出たとしても、ろくに勉強もしないで、ぼーっと社会人を続けていたら、たちまちその人は仕事に忙殺されるだけの存在になるでしょう。
もちろん、勉強や仕事以外でもそう。たとえば技術や乗り物の操縦にせよ、いつも訓練をして、新しいモノを作り、そうした作業工程を繰り返さなければ、やがてそうした能力は失われていくのです。
※イラスト漫画倉庫 https://strongpaperline.tumblr.com/
<参考資料>
・『岸本斉史画集 UZUMAKI』(岸本斉史著 集英社 2004)
・『NARUTOイラスト集2009』(岸本斉史著 集英社)
・拙ブログ記事『‐「歴史」を無視するものは原始人か未開人である‐』