前回の『‐「アメリカの極右≠日本の極右」という図式 その1‐』(https://ameblo.jp/epikutetosu/entry-12302595800.html )に引き続き、



http://www.thedailybeast.com/a-car-mowed-down-anti-racist-protesters-in-charlottesville-va


実際トランプ氏が発言した「デモ側と、アンチデモ側の両方が悪い」という内容が、すぐさま「差別容認」の結論につながって、彼が存在を否定されるほど「悪い発言」なのかどうか、皆さまや私自身も含め、一度冷静になって考えなくてはなりません。


実際、英語のネット上には、多数の動画があがっていて、私たちに様々な「事実」を認識させてくれるのですが、これを単なる日本の『在特会』(レイシスト団体)のデモと同じ価値観で捉えるならば、それは見当違いな結論に至ってしまうでしょう。



今回の事件で、レーガン時代の重鎮補佐だったポール・クレイグ・ロバーツ氏は、このように語っています。



シャーロッツビル(事件)は、NPRと他の太鼓持ちメディアが無視している多くの側面がある。


例えば、ブッシュ・チェイニー・オバマ・ネオコン「アメリカ人は例外なのである」「アメリカは、使い捨てに出来ない国である」という主張は、トランプの『アメリカファースト』と、違いはあるのだろうか?


オバマが世界に向かって、アメリカ人は例外なのだ、使い捨てに出来ない人々なのだと宣言したとき、リベラル・進歩派・左翼たちは、なんとも思わなかった。


オバマは、『アメリカファースト』を、よりハッキリした言葉で言っているのではないか?


もしも、アメリカ人が例外ならば、ほかのあらゆる人たちは、例外ではないという意味になる。


もしもアメリカ人が使い捨てにできない人々であるならば、ほかのあらゆる人たちは、使い捨てだという意味になる。



何が違うというのか?


違いは、オバマは、差別主義者でも、男尊女卑でも、白人至上主義でもない、善き人々によって選出されたということである。


そしてトランプは、ヒラリーが「気の毒な人たち」と呼んだ人たちによって選ばれた。


Charlottesville - PaulCraigRoberts.org


Paul Craig Roberts


Partial citation

一部抜粋



以下のように、その一部の発言を引用してみましたが、


とことん、トランプ氏が「正統性のない大統領」としてこき下ろす反面、オバマ氏やヒラリー氏陣営がいうような「使い捨てに出来ないアメリカ」というものは、アメリカが、アメリカ政府の言うことを聞かないほかの(国の)人々を爆撃して、石器時代に叩きこむ権利を指しているのに対して、トランプ氏のいう『アメリカファースト』の使い方は、数百万のアメリカ中流階級の職と、以前の重工業都市への課税システムの在り方を指していることです。


こうして、両者の違いは「あまりにもハッキリしている」ことから、トランプ氏がどれだけの「悪党」であるかという疑問は、瞬時に解決する問題なのです。


第一、是非とも日本のリベラルの皆さまに思い起こして頂きたいことなのですが、一体だれが沖縄でのオスプレイ飛行を始めたのか、またその許諾を命じたのか、安倍氏という人間を「4年間」も居座らせ続け、かたや鳩山氏は「1年も満たずに」辞めさせたのはだれか。


肝心なことは、アメリカが、民主・共和党問わず、今日における「日米関係」を維持し、沖縄の基地を永続化させ、本土にも多数の基地を置き、果ては日本政府から多額の予算を貪りつくしている事実です。



上述の事実を差し置く形で、いわゆる「トランプ追い出し作戦」は、トランプ氏が選挙に勝って、お偉方(エスタブリッシュメント)を狼狽させてから、年中無休の24時間体制で稼働しています。


米国におけるリベラル・進歩派・左翼にとって、トランプというものは、「彼らの戦争」における「敵」であり、「敵」である以上は、事実というものは、プロパガンダの渦に呑まれ、闇に葬り去られてしまいます。



アメリカのメディアは日本と違って素晴らしい、民主主義のレベルが違って、日本とは雲泥の差であると持ち上げるリベラルの方々もいらっしゃいますが、とんでもないことであり、実際は「どっちもどっち」「五十歩百歩」であり片方の認識だけが、「絶対的正論」のごとく、大手メディアを中心に流布され、人々は都合の良いように流されているのが現実です。


結局のところ、なぜトランプ氏があれだけ「叩かれていた」のかと思えば、彼の「差別的な態度」が原因ではなく、彼がやろうとしていた「政策」、それはロシアとの和解(講和)で、それが軍産複合体と、ネオコンの覇権主義に対する「明確な脅威」であり、そうしたアメリカの国是を揺るがす、タブー破りなトランプ氏は、利権的にも、イデオロギー的にも、それを許さないとして、メディア総出で血祭りにあげられる格好となっているのです。



次回は、なぜ「日本の極右思想」と「アメリカの極右思想」がイコールでないのかという問題と、そうした現実を前にして、我々は、どのように情報と向き合えなければならないのかについて、総括という形で終わりたいと思います。



<参考資料>


・Michikoさんのブログ『Cluttered talk blab blab blab』「"Exceptionalism" and "America first" 」記事