創作小説SS 旧PSO2 ショートストーリーその2 | エピックパインのゲームブログ

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こんばんは。

今回は、以前書いた旧PSO2の世界線で書こうの話で紹介したショートストーリーを書いてみたので紹介していこうと思います。

 

以前書いた第1弾はこちら。

 

 

今回は、零の妹であるレイチェルの話です。

特にタイトルなどは決まっていませんが、強いて言うなら「私のお姉ちゃん」でしょうか。

 

ゲーム的にはEP4終盤からEP5開始時代のレイチェルの視点から見た零の話。

本編ではどこかでこれを差し込む予定です。

 

良ければ最後まで見て行ってください。

 



お姉ちゃんはいつものようにマイルームの広いテラスを使って木刀を素振りしたり、大きくて重い人形を叩いて剣の練習をしている。
相変わらず機械を使うのが嫌いだから、VR訓練よりも実際の道具を使ってやる方が好きみたい。
私が木刀を持った時は軽く振り回すだけでも腕が痛くなるくらい重かったのに、それをお姉ちゃんは片手で軽々と振ったり突いたりしてる。
私はキッチンで今日の夜ご飯を作りながら、窓越しからお姉ちゃんが練習する様子を眺めていた。

フォトンを使ってないのに迷いのない剣さばきと、力強い蹴り技を絡めた攻撃。
お姉ちゃんは真剣で木刀を振っていて、私の視線に気付く様子もない。
ゆっくりと呼吸を整えてから、次は木刀を正眼に構えて一気に振り回すお姉ちゃんの姿は、とても綺麗でカッコよかった。
小柄な体であれだけ出来るのだから凄い身体能力だと思う。

そんな私とお姉ちゃんは、アークスの中でも特別な権限を持つ守護輝士。
アークスのリーダーではないけど、どんな権限にも縛られる事なく戦える。
シエラちゃんがルーサーとステラの事件を元に、一番信頼できて、一線級の活躍をしたアークスだけに与えられる称号。
これは深遠なる闇を倒したからこそ貰えた称号だ。
この称号を持っているのは、私とお姉ちゃんとセシリアちゃんだけ。

そんな私のお姉ちゃんは、フォトンの能力も剣の実力も相当なものだけど、それ以外の事は何も出来ないし私やみんなに頼ってばかりだから、いつも私がお世話したりお料理を作ったりしてる。
地球にいる時はスマホも使いこなせないくらい機械音痴で、ずっとセシリアちゃんかみおちゃんに教えてもらってたし。
もう少しで19才になるのに、日常生活は私に依存してばっかり…
私がいなくても生きていけるのかな…って妹としては心配になる…

でもお姉ちゃんは、そんな事を何一つ考えていないんだって思う。

だって私は、亡くなったお姉ちゃんの本当の妹「玲奈」ちゃんの生まれ変わりで、お姉ちゃんは自分の身を犠牲にしてでも、私やみんなの事をずっと守り続けたいって思っているから。
その為にお姉ちゃんは、私には想像出来ないくらい辛い過去の経験を沢山していて、自分の本当の名前を捨てて…零として…アークスになってダーカーと戦っている…

お姉ちゃんから過去の話を聞いているけど、改めて考えると凄く悲しくなる。
お父さんもお母さんも…本当の妹だった玲奈ちゃんまでダークファルスに殺されて…
お姉ちゃんの事が好きだった男の子を銃で撃った事もあって…
精鋭部隊の中でお姉ちゃんだけが生き残って…

それからはずっと、死に場所を探し求めていたように戦いに明け暮れて…

私がいるから、お姉ちゃんは今もこうして生きている。
自分の名前まで捨てるくらいだから凄い覚悟だって思う。
だからお姉ちゃんは、戦う事以外に興味ないみたい…

でも私だって守護輝士として戦えるし、ずっとお姉ちゃんに守られてばかりじゃない。
お姉ちゃんは強くてカッコよくて、不器用だけどほんとは私や友達思いの凄く優しい人だけど、それでも一人の女の子だ。
今でも私にも心の弱みを見せないようにしている。
本当は昔の事を思い出して泣きたい時だってあるかもしれない。
お姉ちゃんが一人でどこかに行っている時は何を考えているんだろうって思う。

この前、私とお姉ちゃんとデートした日の夜に教えてくれた過去の事と、その辛い過去の記憶を乗り越えようと頑張ってるお姉ちゃんを笑顔にしてあげたい。
お姉ちゃんが悲しい時や辛い時は、私がそばにいて少しでも和らげてあげたい。
私が力になれるかは分からないけど、それでもお姉ちゃんの支えになりたいと思ってる。

お姉ちゃんの事が大好きだから。

 



私はお姉ちゃんの為に出来る事を精一杯やりたい。
その為にも、ちょっとでも今の私が出来る事を頑張らなくちゃ!

料理が出来た私は、タオルを持ってテラスに向かい、

「お姉ちゃんー!夜ご飯出来たよー!」

と声をかけた。

「ああ!」

腕を止めて私の元に駆け寄るお姉ちゃんにタオルを渡すと、木刀を壁に立てかけ顔を拭く。

「良い汗かいた?」

「まあそれなりかな。フォトンに頼ってばかりじゃ筋力落ちるし、毎日体を動かすトレーニングは大事だ」

「相変わらずストイックだね」

「どんな敵だろうと討ち倒す為だ。そうじゃなきゃ誰も守れない」

「そうは言うけど、私がお姉ちゃんの背中をいつも守ってるんだよ。お姉ちゃんが突っ込んでばかりだから」

「レイチェルがいつも背中を見てくれるから私が突っ込めるんだ。頼りにしてる」

「うん!でもほんとはセシリアちゃんが私達の背中を守ってくれてるんだけどね」

「そうだな。大体私とレイチェルが前に出がちだから」

「そうだね。じゃあそろそろご飯にしよう!今日は地球で作ってたスパゲッティだよ」

「楽しみだ」

 

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