Half-A-Room -126ページ目

梅は咲いたか

おむかいのおうちの梅の花が咲いている。

濃いピンク色で、とても可愛らしい。

一週間ほど前から咲いているような気がする。

そういえば近頃あたたかい。

もうそんな季節になったのだ。

ご近所の女の子とすれ違う。

年は幾つ下だったか、小学校のころ、何故だか私のことを慕ってくれていた。

私のことを憶えているのかいないのか、もうあいさつも交わさない。

制服を着ていた。

彼女は私の中ではまだとてもちいさな女の子だったのに、もう高校生かな。

成長しないのは私だけだ。


京阪電車に乗る時、駅員室から「ありがとうございました」と若い女性の声が聞こえたのでそちらを見ると、かわいい女の駅員さんだった。胸キュン。

こういう方がいたら、通勤サラリーマンの皆さんも気合が入ることでしょう。


コンビニの前でたばこを買おうとしていたら、友達に会った。

彼女のバイト先が近くにあり、きょうも前を通ったので、ちょうど会わないかなぁと思っていたところだった。

梅の話をしたら彼女が、今日はもの凄く寒いから、梅もびっくりしたんじゃない、と言ったのが面白かった。


私は桜が好きだ。

花はどれも好きだけれどそれ程興味はない。

でも桜だけは熱烈に好きだ。

はかないところがいい。

昨日読んだ「ピューと吹くジャガー」でほとんど白に近いピンクだと言っていたけれど、その淡い色もいい。

ちょっと雨が降ってしまえばあっけなく散ってしまうのに、気づいた頃には満開で、私たち人間にすればもうちょっと見ていたいと思うのに、惜しみなく自らを咲かせる、その潔さも好き。

私の好きな言葉に「花いかだ」というのがあるのだけれど、花びらを散らせたあと、川にいち面に浮かぶ舟のような花びらの洪水のことをそう呼ぶらしい。

母にそう教わった。

桜のことを思ったら、輪廻という文字が浮かぶ。

つぼみがふくらみはじめたと思ったら、あっという間に散ってしまう。

けれど必ずまた、次の年には同じにそのうつくしい姿を見せてくれる。

めぐりめぐって、幾度も幾度も、変わらずに花を咲かせる。

はかないと思うのは人間の考えで、それにせつなさをともなわせるのも人間で、もしかしたら、はかなくなんかないのかもしれない。

はかないのはわたしたちの方だ。

それを知らないわたしたちの方だ。


桜はまだかいな。