エコプロダクツ2013「②~具体的取材」 | IGS-report

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前回の続きで、今度はエシカルファッションの講演会場から具体的に各ブースを回って、様々なエコ製品を紹介していこうと思う。

今回、エコプロダクツは15回目だというが、12年前に来た時にはまだ「環境」とか「エコ」はそんなに問題視されていなく、現在の様に広い会場ではなく出展企業も少なかった気がする。

今回はビッグサイトの6ホールを使っての展示会で相当な規模になったものだ。

来場者の人数も天皇・皇后両陛下が来場視察された事もあって大盛況だった。


それでは、ブース巡りで偶然出会えた製品達を載せていこう。



最初はエシカルファッション講演場の近場にあったタイヤメーカーゾーンを歩いてみた。なんとこれ、「石油を使わないタイヤ」でダンロップというメーカーが12年の歳月と経費をかけて研究開発し今年発売になったタイヤとのこと。

まだ価格はそんなに安くはないが、今後、世界の石油は42年で枯渇すると言われているので、価格の逆転も有り得るだろうか?と考えさせられた。

(ただ、世界の石油埋蔵量は相当な量という意見もある。)

素材は、天然ゴムを主原料とし、様々な化学物質が使われていた。


天然ゴム(ゴムの木)からの抽出はこんなイメージらしい↓




次に行ったのは隣にブースを出していたタイヤでは有名な「ブリジストン」流石にデカイ。







F1などで培ってきた技術力で消費者へのメンテナンスをエコでサービスの主力としているとの事だった。例えばタイヤの溝の減り具合や耐熱性、ゴムの硬さ(F1でいうとハードタイヤとソフトタイヤみたいなものだ。ソフトの方が運転のし易さが格段に変ってくるが、ハードの方が長持ちする等。他にもF1で活躍したハマシマさんの状況等、裏情報も教わってきた。残念ながら今のF1はピレリタイヤの独占市場だそうだ。昔は日本のブリジストンが1番でミヒャエルシューマッハとハマシマさんが話している場面がTVに映ると感激したものだが。)


他にも、工学院大学と共同開発しレースに出場したソラーカーが展示してあった。これでオーソトラリアを6日間かけて3000kmを走破したとは、まさに未来のマシンという感じがした。↓


フロント部分↓

↓この部品もブリジストンが学生さんに提供したとの事。



オーストラリアを縦にほぼ横断したレースだったとの事だった。

ドライバーは学生が担当し、給水具や必要なモノを最低限詰め込んでラリーの様にレースを行ったそうだ。よく熱中症にならなかったなと、マシンのデザインを見て感じた。結構各国から参加したとの事。


実際のレースで使われたタイヤ↓




他のタイヤメーカーでも、空気を使わないタイヤというのが展示してあった。↓

この辺りでタイヤゾーンは終わりにして、日用雑貨集まる展示ホールへ行って見る事にした。


これは面白かった。

元はケイ石↓という石に電気を流し、金属化し、そこから抽出した液体の粘度の差で上記の様なシリコーンの様々な製品が生成出来るとの事。



次はジッパーの会社さん(実はこれ・・・)

宇宙服に使われているらしい、「ISS(国際宇宙ステーションなどでよく見掛けるオレンジ色の服にも使われています。」との事だった。

海への着水の事も考え完全防水らしい。

他にも、地球に良い特殊な染料を使った印刷会社とコラボレーションした色を付けられるジッパーなどもあった。これもエシカルファッション!?


染料繋がりで面白かったのは日本の葉っぱから布にプリントアウト出来るという技術が大変に面白かった。

その過程を紹介しよう↓


①先ず何もプリントされていない布生地に葉っぱを置いていく。↓


②次に布を被せて、


③アイロンを数秒あてると、


④先程(①)で置いた葉っぱがプリントアウトされる!!

地球にダメージを与える染料は全く使っていない!!

手品を見ている様で凄かった。


ここで小休止のフェアトレードコーヒーと、

フェアトレードチョコレートを味わう。

なんて美味しいチョコレートなのだろう、左上のパッケージで小売店ではもう販売されているらしい。


これがフェアトレードのマーク。


フェアトレードは前にも書いたが、継続的な公正価格での取引・児童労働の禁止・環境保護等、様々な地球問題を解消しようというイギリスから始まった1つの運動だ。

例えばコーヒー豆の収穫は重労働の割りには公正な価格で取引されていない、そこで児童達が学校にも行か(け)ず、重労働に借り出され、とても安い値段で出荷され輸出されていく。チョコレートの原料でもあるカカオ豆もそうだ。

それを解決するイギリスのリバプールから始まった1つの運動がフェアトレードだ。(現在、熊本市が世界で1000番目アジア初のフェアトレード都市と認定されている)



次は、ダンボールで作られている玩具を展示してある紙メーカーへ行ってみた。

このダンボールの椅子に座ってクイズに答えた子供達には・・・

こんな玩具がプレゼントされる。↓



カスケードとは木材やチップの循環リサイクルの事らしい。



ここで「FSC認証」というFSCマークについて少し勉強しよう。

これがFSC認証マーク(主に林業関係にリサイクル製品に使用されるようだ。)

確かにFSC認証が付いていた。



他にも漁業関係の「MSC認証マーク」というものもある。




繰り返し出来るオフセット印刷(「普通アルミ板を使うので使い捨てです」との事だった)を、杉の木(若い木だと排出量が違うので樹齢50年以上の木でないと換算出来ないらしい)でCSR報告書を第三者機関に認定してもらう印刷会社もあった。


玩具のバンダイのブースもあったので早速潜入。


期待通りガンダムが!!



エコプラというらしい。

(リサイクル製品らしい。)


様々な環境に良い玩具があった。







ガチャガチャ(ガシャポン)の容器の再利用の仕組みが掲示してあった。


他にもdocomoがブースを出していたり

使わなくなった携帯電話の破砕を実際に実演していた。

デジタル絵本を出展している会社があったり、

NECさんは工場やプラント施設のレバーの奥に被せるジャケット(下記2枚目写真)を出展していた。これにより、作業員の安全を確保出来るし、これを使ったある施設では年間700万円ぐらいの熱を冷却出来る損失を削減しCO2を削減出来るらしい。


実際この模型の黒い部分は物凄い熱量だが(実際触ったが凄まじい熱さだった)、熱量を70%カバー出来るのでジャケットを被せてある部分はほぼ熱くなかった。実際に触ってみると解る。

フロンガスを使っていないで冷やせる自動販売機を出展している会社。



幼児の服やオムツを捨てないでレンタルし、マイクロバスの様な洗浄・乾燥機で使い回すという事業を50年近く続けている会社さん。

幼児だけでなく病院などでもかなり重宝されているとのこと。




東日本大震災のパネル展もあった。全額寄付の募金箱があれば入れたのにな。忘れてはいけない、風化させてはいけないんだ。




神奈川のNPOさんも出ていて、ここは学校に訪問してはエコについての玩具を使った授業や講演を行っているそうだ。

「子供達の反応は中々のもの」との事。

実際の授業風景↓


凄い行動力だと思う。



太陽光発電のメリットとデメリットを国は国民にニュースで報道していないというNPOの団体もあった。この写真中央の四角い変換機を何年かに一回買い変えなければならず、それが馬鹿高いらしい。メディアは事実を報道して欲しい。


歩いている最中にもパネルを見るとアチコチでエコの勉強が。


こんな色んな人のアイデアも目に飛び込んでくる。

紙製のカートカン↓



全国の「スーパーホテル」でも、伊賀上野にお茶畑を農園経営し、そのお茶をホテルで提供したり、他の企業(エコ・ファースト企業というらしい)と共同でエコに関する活動を展開しているとのこと。



様々な有機食品。




その横にはフェアトレード製品も。(もう、フェアトレードはこんなに製品化されているのか。)




今回、翌日がeco検定という検定試験日だったので、休日に全部のホールや全ブースを回りきる事が出来なかったが、企業で出展している人達も「生物多様性とは解り易く言うとなんですか?」と質問に解り易く答えてくれたり(簡単に言うと動植物が生息し易い環境を保護していく事らしい)、検定試験を取得させてあからさまに「自分達はエコに気を付けていますよ。」という「営業的CSR」をする企業よりも、実際に消費者達に目で見て触って具体的に理解してもらう方が、いかに実用的な民度を高める「教育」や「勉強」になるか解った。

入場料は無料だった事もあって、ビジネス目的で来る人よりも、一般の人々や学生達が多かった事がとても良かった気がする。

とても充実した展示会だった。