2011年6月熊本市は世界で1000番目・アジアで初のフェアトレード都市に認定された。
フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で「継続的」に購入し、雇用を創設する事で、生産者や労働者の生活改善と自立を目指す世界的運動だ。
その運動の中には、環境を破壊するものや児童労働に繋がるものは購入しないという、いくつかの約束事がある。更にコーヒー豆などの年間価格が一定しないものなどは、相場に関係なく、最低購入価格を取り決め、それ以下の値段で搾取しない様にし、雇用者の生活の保障をするシステムになっている。又、フェアトレードで売買をすると、国際的なフェアトレード機関から「フェアトレード・プレミアム」というポイントが発生し、それを貯める事でそれを通貨に替えて、井戸を掘ったり、橋を作ったり、パソコン学校を開設したり、その地域が少しでも良くなる事業として雇用や教育をプレゼントする事が出来る。
その国際的フェアトレード機関から、フェアトレード運動を推進している都市として、今年、世界でちょうど1000番目に認定を受けたのが熊本市だ。これはアジア初の快挙であり、フェアトレードを広める運動を熊本で進めてきた団体「フェアトレード・シティ推進員会」の代表、明石祥子さんは17年間かけてここまで辿り着いたとのこと。
今回、フェアトレードを解り易く説明してくださる為に、副代表の津江 あゆみさんに
熊本でお話を伺う事が出来た。
「先ず、国際フェアトレード基準とは別にフェアトレード都市となる為の基準がいくつかあります」と教えて下さった。
基準1:「推進組織の設立と支持層の拡大」
フェアトレードタウン運動が持続的に発展し、支持層が広がるよう、地域内のさまざまなセクターや分野の人々からなる推進組織が設立されている。
基準2:「運動の展開と市民の啓発」
地域社会の中でフェアトレードへの関心と理解が高まるよう、様々なイベントやキャンペーンを繰り広げ、フェアトレード運動が新聞・テレビ・ラジオなどのメディアで取り上げられる。
基準3:地域社会への浸透
地元の企業や団体(学校や市民組織)がフェアトレードに賛同し、組織の中でフェアトレード産品を積極的に利用するとともに、組織内外へのフェアトレードの普及に努めている。
基準4:地域活性化への貢献
地場の生産者や店舗、産業の活性化を含め、地域の経済や社会の活力が増し、絆(きずな)が強まるよう、地産地消やまちづくり、環境活動、障害者支援等のコミュニティ活動と連携している。
基準5:地域の店(商業施設)によるフェアトレード産品の幅広い提供
多様なフェアトレード産品が地元の小売店や飲食店で提供されている。フェアトレード産品にはFLO(国際フェアトレードラベル機構)ラベル認証遺産とWFTO(世界フェアトレード機関)加盟団体の産品、それに地域の推進組織が適切と認めるフェアトレード団体の産品が含まれる。
・「適切と認めるフェアトレード団体」とは、少なくとも以下の条件を満たしている団体のことをいう。
a)WFTOの10原則、ないしWFTOとFLOが共同で定めた「フェアトレードの原則に関する憲章」が掲げる5原則に立って活動している。
b事業の透明性が確保されている。
指標:
1)2品目以上のフェアトレード産品を提供する施設が、人口3万人未満は2店以上、3万人以上は1万人あたらい1万点以上ある。
2)各店は2品目以上提供することを基本とするが、1品目だけの場合は0.5店として扱う。
3)フェアトレード産品が年間6ヶ月以上提供されている。
基準6:自治体によるフェアトレードの指示と普及
地元議会がフェアトレードを指示する旨の決議を行うとともに、自治体の首長がフェアトレードを指示する旨を公式に表明し、自治体内へのフェアトレードの普及を図っている。
熊本市では、これら6つの基準を全てクリアし、それらの基準1つ1つに対して、達成した事をきとんと透明に公表し、その成果や数字は今でも更に拡がり続けている。
(※次項からの、頂いた資料からの当時の数字は、今現在も凌駕し続けているのでこの記事では明記致しません)
・フェアトレードシティ推進委員会を設立し、発起人(資料は360人)の数を明記し(基準1クリア)、
・「何度もイベントを行いメディアに~回掲載されたとか(基準2クリア)、
・何ヶ所の公的機関で積極的にフェアトレード産品を利用している(基準3クリア)、
・市内の人口~人に対し~店舗ある(基準4クリア)、
・~個の社会貢献団体と提携をしている(基準5クリア)、
・平成22年12月22日に熊本市議会第4回定例会において、「フェアトレード」理念周知に関する決議が可決された。(基準6クリア)
又、名古屋と北海道でもフェアトレード都市を目指しているとのことで、フェアトレード都市の認可が下りた熊本市の基準は、今後フェアトレード都市を目指す地域の指標になるのではないだろうか。
今回、取材をした場所は、フェアトレード・シティ推進委員会の明石祥子代表が自ら熊本市のフェアトレードの先駆けとして、経営をずっと続けてこられた「らぶらんどエンジェル」 というお店で行った。
横のトーテムポールがお店の目印
ここの店舗は、同じ熊本市内の「国際交流センター」内にあるフェアトレードを紹介するPR店舗「はちどり」よりも、やはり本店のパワーとでもいうのか製品数の規模が想像していた以上に多かった。
様々な国際交流イベントやセミナー・講座を開く事が出来るスペース
「ハチドリのひとしずく、いま私にできること」という短いお話が元になっているとのこと。物語を簡単に説明すると、”森が燃えていて、動物達は逃げてしまったえれど、ハチドリだえは1滴づつ水をかけていた、ハチドリは「私は、私に出来る事をしているだけ」と言ったという。”そんな心の琴線に触れる話で多くのアーティストなどの共感を呼んでいる。
店内とその奥の広い空間の至る所に製品群が置かれ、
まるで何処かの国の小さいマーケットの様な雰囲気すらあり、
竹の繊維で出来たタオル「竹は吸水性があるので、水分を拭く時などにその力を発揮します」とのこと。又、竹の繊維で出来たバスタオルもあるらしい。
衣類などに使われている素材に直に触れ、優しい手触りの違いを体験することも出切る。
ここ、「らぶらんどエンジェル」の店員さん達も製品の質問に優しく丁寧に説明をしてくださるので、製品知識以外にも、素材の知識や、文化の違いについても学ぶ事が出来る。例えば暑い国では風通しの良い服を着るが、近年、温暖化で気温が高まるここ日本でもその暑い国の技術が活かされた衣類を選択していく事が生活の知恵になっていくだろうし、改めて未来の日本を見つめ直す事が出来る場所ではないだろうか。
カラフルで自由度が高く優しい雰囲気の女性物の服
男物の服もある。
熊本県の食材だけで作られた地産地消の障害者施設のクッキーも販売をしている。
田原坂 三の坂
熊本に行けば、有名な「熊本城」は勿論の事、少し足を延ばせば阿蘇山や日本人同士の最後の戦争である西南戦争の跡地「田原坂」(実は田原坂は日本赤十字発祥の地で、敵、味方の区別なく患者様(医療現場では患者『様』と教育される)であれば治療をする文化が西南戦争から始った事もあり、日本赤十字に関連する資料は内容豊富だ。他にも宮本武蔵が篭もった洞窟「霊厳洞」・学んだ事を実行してこそ本当の学問だという実学党の幕末の英雄でもある横井小南の住居「四時軒」など観光や歴史の名所も数々あるが、熊本市内に来た折には、現在の熊本市を見るという意味でも、アジアに先駆けたフェアトレード都市の原点となったここ「らぶらんどエンジェル」で、フェアトレードをしながらスタッフの方々とゆっくりお話をされても良いだろう、又、地元の事や美味しいお店を教えて下さるのも旅人にとっては助かる。(記者も市内にあるカレーとスイーツの美味しいお店を津江さんから教わって実際に行ったが、普通の値段のカフェなのに高級感漂う、本気度の高い凄く落ち着けるカフェだった。)
最後に津江さんに今後の展望や今後のフェアトレードのあり方についてお聞きしたところ、「将来的には地産地消の食材や資材で日本国内でのフェアトレードをすることが理想です」とのこと。フェアトレードの理解度も高まり、雇用創設等それを継続することで、日本独自のものを開発していくことが出来るだろう。
〒862-0975 熊本市新屋敷1-9-7
096-362-4130
http://www.fairtrade-kumamoto.com/loveland.html
フェアトレードくまもとセンター
http://www.fairtrade-kumamoto.com/
更に、今年2011年から国際フェアトレード基準(熊本市のフェアトレード都市認定の基準とは別)が改定になったので、次に国際フェアトレード基準の概要を表記しておく。
「経済的基準」
・フェアトレード最低価格の保証
・フェアトレードプレミアムの支払い
・長期的な安定した取引
・前払い
「社会的基準」
・安全な労働環境
・民主的な運営
・労働者の人権
・地域の社会発展プロジェクト
・児童労働、強制労働の禁止
「環境的基準」
・農薬、製品の使用に関する規定
・土壌、水源の管理
・環境に優しい農業
・有機栽培の奨励
・遺伝子組換品(GMOの禁止)











