今日は大分から 小倉を経由して 新幹線で岡山へ。
公演は休演日の 移動日。
指定の《ソニック》《のぞみ》ではなく 朝早くに大分を発ってお昼過ぎに
岡山のホテルへ入りました。
ここは 今回の巡業の中では 最長の3日間 滞在致します
例によって先にする事はひとつ!!(笑)
これを早くに終わらせると その分、時間が自由に使えます。
ここのところ 公演場所や 移動の事ばかり書いて参りましたので
今日はお芝居の衣裳や小道具に関して 書かせて貰います。
舞踊『女伊達』において 私の男伊達!!
笑也さんの女伊達に やられっぱなしですが・・・(笑)
それなりの 体面は作っております!!
私たちに限らず、『助六』や『御所五郎蔵』等
吉原に通っている男伊達は 一応に 同じような格好を致しております。
派手な柄の着流し 当時のブランド品の小物。
それは 猿弥さんも『歌舞伎の見方』で解説しているように
傾く(かぶく)精神から来て居るからです。
傾く(かぶく)精神から来て居るからです。
男伊達とは いわゆる「伊達男(だておとこ)」
この「伊達男」元々は 戦国時代の独眼竜政宗と云われる
仙台の伊達政宗から来ております。
仙台の伊達政宗から来ております。
本来の甲冑(かっちゅう= 鎧(よろい) 兜(かぶと))等は
侍大将など 個人の派手な物は別として
一般将兵は 黒や地味な色で作ってあるものが 普通でございました。
これは所謂 戦っている最中は 誰だかわからない様につくってあったのです。
しかし ここに考え方の違う 具足が作られました。
ある意味 戦国時代は過ぎて 秀吉の力が大きくなった後 戦う事が少なくなり、
伊達政宗は ある思惑から 戦場で使う鎧ではない具足を作ったのです。
伊達政宗は ある思惑から 戦場で使う鎧ではない具足を作ったのです。
この武将の一団は あえて戦っている事を 他の将兵に分かるように
全員の鎧かぶとを 赤色で統一して 身を包み
本来の地味な具足を 派手な物に変えてしまったのです。
全員の鎧かぶとを 赤色で統一して 身を包み
本来の地味な具足を 派手な物に変えてしまったのです。
これには 元来 派手好きな豊臣秀吉が喜びました!!
朝鮮討伐に行かなくては ならない立場の伊達を 戦場へ行かせずに
秀吉が自分の手元に置いたのです。
秀吉が自分の手元に置いたのです。
実は、派手好みの秀吉の感情をうまく利用して 戦場へ行かなくて済むようにした
これも 伊達の策略だと云われております。
これも 伊達の策略だと云われております。
この伊達の考え方から 派手なファッションをする者を
「伊達男」と云うようになったのです。
「伊達男」と云うようになったのです。
この後 徳川家康の家臣の井伊直政も 鎧 具足を赤にして
井伊の赤具え(あかぞなえ)とも 云われましたが
井伊の赤具え(あかぞなえ)とも 云われましたが
「伊達男」程は有名な言葉には ならなかったですね(笑)
当時のファッションは 先日の、私の男伊達の写真を 改めて見て頂けると
よくお分かりになられると思うのですが、
よくお分かりになられると思うのですが、
私と猿四郎さんの着ている着物の柄は「夜の梅」と云う柄でして
梅の花も所謂 シャドウがかかったように 影の様な梅を表しているのが
とても斬新的です。
梅の花も所謂 シャドウがかかったように 影の様な梅を表しているのが
とても斬新的です。
これは余談ですが [とらや]の羊羹の中にも 「夜の梅」と云う
和菓子があるとか・・・(笑)
和菓子があるとか・・・(笑)
なにやら繋がりは あるのでしょうか。(笑)
そして男伊達は必ずと云っていいほど 尺八を背中に差しております。
助六しかり 御所の五郎蔵しかり・・。なぜでしょうか?
この尺八は侠客の必須アイテムでして、これは虚無僧から来ております。
この虚無僧 真偽の程は よくわからないのですが ある特権がありまして
帯刀を許され 天蓋(深いかさ)をかぶって 顔を隠して旅をしても
許されておりました。
帯刀を許され 天蓋(深いかさ)をかぶって 顔を隠して旅をしても
許されておりました。
しかし これを利用したニセ物が 多くいたそうです。
そのアウトロー的なところが、男伊達みたいなアウトローに
ファッションとして はやったみたいです。
ファッションとして はやったみたいです。
しかも時々 楽器である尺八を吹く 今のストリートミュージシャンのような
感じでしょうか?
感じでしょうか?
ですから尺八を背中に 煙草入れも粋な柄の物に
そして刀は 鮫鞘(さめざや)の町人差しをさして 吉原を歩く!!
今で云う 髪の毛を染めて 大胆なファッションで 渋谷や六本木を練り歩く
若者たちの 原点とも云えましょうか?(笑)
所詮 彼らも現代の伊達男であり、カブキ者なのです!!(笑)
今日の写真は その私の小道具 尺八と
腰から ぶら下げている菖蒲の煙草入れ 金具も粋に作ってあります。
根付と呼ばれる 帯にはさむ白い部分は これも本来は象牙でして
日本に居ないはずの象の牙を 当時は輸入していたのでしょうね。
おそらく高いものだと思います。
今は これも拵えもの(作り物)ですが・・・。
そして鮫鞘の刀
本来この鞘は これも本当の鮫のお腹の皮で拵えてあったそうです。
所謂 ジョーズの鮫ではなくて かなり希少価値の鮫だそうです。
現在では 捕獲できなくなり 模造品の鮫鞘ですが、
わさびをおろす 鮫皮を 思い出して頂ければ 近いかと思います。
わさびをおろす 鮫皮を 思い出して頂ければ 近いかと思います。
当時 手に入りにくい高い ブランド品を身につけて 闊歩するカブキ者が
男伊達です。
どうか 御観劇の皆さまは 小道具などにもご注目ください。