日本の大手製造業の不正。
自分の担当する責任範囲だけ通過すれば、あとはその次の担当者の責任。
仕事は分業、もしくは上司が部下の仕事に了解のハンコを押す。
いずれにしても、自分の範疇を過ぎたらもう知らん。あとは次の担当の責任。
上司は中身をキチンと確認せずに表紙の捺印欄にハンコ。だから中身の不正に気づかない。
担当者は、あ、通過した。あの中身でOKなんだ。じゃ次も同じやり方で。
複数の人が関わることで、罪悪感とか責任感が希薄になる業務システム。悪いことをみんなでやれば怖くない。分かち合おう!
客を見ず、自分の仕事しか見ない。
決められたことを粛々と全うし、その中身の良し悪しなどは不問。とにかく自分の担当をこなす。
それが給料に繋がるから。
中身の良し悪しは後回し。
自分さえキチンと仕事をこなせば良しとする、利己主義。中身は誰か責任ある人が考えれば良い。という無責任。
客に商品を届けるのが正義。
商品が正規の検査をできて、合格しているかどうかは後回し。
設計上問題ないはずだから、検査しなくても大丈夫。
検査して少し数値がダメでも安全を見込んでるから実用上問題無い。
そんなことよりも、我がブランドを市場に届けよう。
そうすれば、我々もハッピー、実用上問題のない商品を買った客もハッピー。
「顧客目線」、「顧客志向」の間違った認識。
こんな感じなんだろうか?
ともかくも、日本の製造業のお手本になってきたリーディング・カンパニー、あのトヨタですらこの状態?
ほかのクルマ・メーカーは大丈夫なのでしょうか。
クルマに限らず、日本のメーカー、日本製のいわゆる「メイド・イン・ジャパン神話」は崩壊しつつあるのか?
メイド・イン・ジャパンの一部を支えてきた自分としてはとても情けない話ではある。
やっぱり、最近の経営層はアホになりつつある。
入社してから出世競争に心血を注ぎ、やっと掴んだ経営幹部のイス。
結局、経営幹部は派閥闘争の結末であって、頭の良し悪しでも、経営センスでもなく、運だけ。
幹部は誰がやっても大差ない。
世代的には私くらいで、いろんな人を見てきたけど、ほんとにすごい経営幹部は私の周りにはほとんどいなかったな。出会ったことがない。
つまり大義を持って仕事に挑むというかさ、そんな高邁な精神を持つ人は少なそうだよ。
これがサラリーマンの出世競争の結末の経営幹部の牛耳る組織の限界。
内部留保を少しでも従業員に還元してやろうなどという社長はいない。
ビジョンも持たず、企画部門に将来像を考えさせて、官学と連携することでもっともらしく理屈つけてね。
結局、考えてるのは経営層の近くの30代、40代の賢い企画担当。
こいつらも万能じゃなく、トロい企画屋しかいない企業だと後手後手の方針しか打ち出せない。
さも、近い将来こうなりウチはこれをリードしてます。ってね。言うんですよ。
昇進制度に制限を設けて、下手すると何十年も給料据え置きの状態を作り出してる。
結果、世界と日本の所得格差。
何が大事かを取り違えていることに気付きもしない。
出世競争しかしてこなかった連中にまともな考えなどない。
一方、オーナー社長は比較的しっかりしてるみたいだけど、こちらはこちらで悪い意味でワンマンになりがちで、タチの悪い社長だと例の中古車販売会社みたいになっちまう。
なんなんだろうね。
やっぱり、サラリーマンになったのも失敗だったな。
もう取り返しつかない。
病気だし、歳だし、競争に敗れたから、アホのフリして今を継続するしかない。
ただ、やれる範囲で不正と戦おうと思う。