グレル・ルージュ [2012] / シャトー・ド・ロックフォール | 直感ワイン!! 

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Grele Rouge 2012
グレル・ルージュ

 

 

造り手シャトー・ド・ロックフォールは
 フランス南部、コート・ド・プロヴァンスの
山あいに27haもの畑を所有し、
そこで化学肥料や農薬を使用しない
 ビオディナミによるブドウ栽培を行っています。

 

 

醸造においては、
 天然酵母の使用。
 人工的なものの一切排除(無添加)。
 亜硫酸は必要最低限のみ。
と、ブドウの栽培からワインの醸造に至るまで
極力人の手による干渉を行わない手法での
 ワインづくりを実践しています。

 

 

Grele1


そんなシャトー・ド・ロックフォールに、
2012年、悲劇が襲います。

 

その悲劇とは、
ワイン名にもなっている「雹」です。

 

その雹害の惨劇とこのワインが生まれた
いきさつについては、
ラベルの裏側に記されていました。

 

 

Grele2

 

2012年の7月1日。
7分間にわたって降り続いた雹により、
シャトー・ド・ロックフォールの
 ブドウ畑のブドウは全滅してしまった。

 

しかしこの出来事は、
ブドウ栽培農家たちの助け合いの、
 驚くべき物語のはじまりに過ぎなかった。

プロヴァンスから北ローヌにまでもの
35の評判高いブドウ栽培家たちが、
 自ら選果したぶどうを
 シャトー・ド・ロックフォールに
分け与えたのだ。

 

この仲間たちの輪によって
 できあがった特別なキュヴェ。
 「Grêle(雹)2012」
これはブドウ栽培家たちの心躍らせる
相互援助の一つカタチである。

 

 

Grele3

 

(細かい赤字は

ブドウを供給した造り手の名前)

 

なるほど。
これはブドウを供給した35もの
栽培家たちの気持ちが詰まったワイン
 というわけです。

 

ワインは、合作ワインらしく、
グルナッシュにムールヴェードル、
カリニャン、シラーなど
様々な品種のブレンド。

 

さて、その味わいは。

 

 

Grele4

 

色は淡いルビー色。

 

香りは、量はやや少なめだが、
イチゴのキャンディーに香水、
それにバラにスミレといった
 フレッシュでフローラルな、
 複雑でとても華やかな香りがある。

 

味わい中心は
生き生きとした赤果実の酸。
そこに彩度のないフルーツのタンニンと
 スパイシーな苦味が加わり、
それが余韻まで続いていく。

 

全体としては、
フレッシュな果実味に
生き生きとした酸、
そして心地よいタンニンがあり、
バランスはよい。

 

多少ボディが弱い印象だが、
ジューシーな赤果実系の酸が
下支えしており、
 物足りなさを感じるほどではない。

 

 

Grele5

 

そう、意外だったのは、抜栓当初は
 しばらくすると味わいが落ちていきそうな
儚さが感じられたにも関わらず、
 逆に時間の経過とともに
香りのボリュームが増し、
それと同時に味わいの豊かさも
増してきた点。

 

まだまだよくなる要素がある
 ということでしょうか。

 

ローヌから南仏のブドウ栽培農家の
底力を感じさせてくれる
素晴らしいワインでした。

 

 

Grele Rouge 2012
グレル・ルージュ

品種:
グルナッシュ
ムールヴェードル、カリニャン、
シラーなど

カテゴリ:
赤 / ミディアムボディ

Alc:
13.5%

国地域:
フランス / プロヴァンス

生産者:
シャトー・ド・ロックフォール
(Chateau de Roquefort)

インポーター:
(株)サンフォニー