「あなたはいつもそうなのね」
彼女は唐突に12文字の音を空気中に吐いた。
その音の振動はもちろん僕にも伝わる。
「そうとは?」
「あなたはあなた?」
「これは何?」
「質問を質問でかえすのね。それはあなたの決断?」
「答えるためにもっとディテールが必要だよ」
「あなたに寄り添う心、それともあなたを支える心、それともあなたの心を掴む秘密計画かしら」
「ディテールが必要だよ」
「二回目ね、執拗ね」
「三回目も出かかっているよ」
「うふふ、尚更執拗ね。」
「面白いかい?」
「単なる暇と時間の空間を埋めているだけかしら」
「僕とあなたで?」
「そう、私とあなたで」
「すべての問に応えてくれてありがとう」
「あなたは応えてはくれないのね」
「浮いては沈んでを繰り返すボールはいつか宙に飛べるのかな?」
「望んでいるの?」
「臨んでいる」
「うふふ。ありがとう」
「ご希望に添えましたか」
「ソーソー、ね」