【】なここはオアシスと呼ばれている。
いろいろな呼ばれ方があるが、大概の人はオアシスと呼ぶ。
そういう風に先人が表現してきたため、皆がそうインプットしている。
と生物がその命を長く稼動していくには厳しい環境に囲まれた【】の中にある。実りのある空間だ。
そこには水がある。命が芽生える。私が生まれたときからそうだった。
ただ周りは砂漠で、このオアシスから出るのを禁止されている。
村の掟だ。
そうだ。ここは小さな村だ。小さな村にもルールはある。
生きるためだ。
絶望的な環境に囲まれていることで、もっとも優先すべきことは、生きることだ。
生きとし生きるものは協力し、少しでも豊かな村づくりを心がける。
互いに貴重な生命を潰しあうことは何があってもおきてはいけないことであり、重罪に値する。
そこに例外はなく、もしあった場合は『死』よりも恐ろしい罰が待っていると言う。
現在の村の人口はすべてで62人だ。始まりは男女の冒険家がここに迷い込んでからだったという。
ここ迷い込んでくる人はそうはいない。
それぐれい砂漠のなかでも見つかりにくい場所なんだろう。私も今まで一度も会ったことはない。
あってみたいと言う気持ちはある。
しかし、村から出ることは禁止されているため、誰かが迷い込んでこない限り遭う事ができない。
この村の人が私にとってすべてであり、この村のルールが私にとってのルールなのであり、常識なのである。
私の好奇心はこの村には収まりきらず、遥かかなたに向いているが、この好奇心が満たされることはないのだろう