「君にはずっと夢を見ていてほしいんだ」
と彼は言う。
「君が希望を歌って生きると約束してくれるなら僕は君のためになんだってしよう」
とも彼は言う。
「仮に約束するとして具体的には君は何をしてくれるの?」
と、私は尋ねる。
「そうだね。七つの色が君を導くようにするよ」
と彼は答える。
「『具体的な事を教えてほしい』。と、君は尋ねるだろうね」
と彼は続けて話す。
「うん。その通りだよ」
と僕は答える。
「君が絶望に打ちひしがれた時、道が見えなくなった時。僕はそこに虹を作るよ。君の前に虹の道を作る。あきらめないでね。歩きだした君の勇気を僕は絶対に守る。無駄にはさせないよ。君が信じる、信じないに関わらずこれは真実だ。ただ一つ。君が希望を歌って生きて行ってくれるならね。これは君だけの人生であって、君だけの人生じゃないんだ。そこにはたくさんの偶然がかなりあって、からまりあって、そこの中心に君が存在しているんだ。君は明りを作ることができる。なにもない暗闇に光を生み出すことができるんだ。君が望もうが、望みなかろうが、君にはそれができる。確信をもって言えることだよ。7色の光が君をまとっているんだよ。それは君のオーラのようなものでもあり、命ともいえる。君が希望を歌っていれば、その7色の色は色あせることはない。君を慕う人、求める人、妬む人、たくさんの人がたくさんの想いをもってこれから君の前に現れてくるだろう。君が引きつけているんだ。いいことばっかりでではない。だけど、決して悲観しないで。忘れないで。僕という存在がいたということを。約束してね。もう駄目だとなっても希望を歌うこと。そうすれば、必ず道はできるから」
彼はここで一息つき、僕の目を見つめる。
「虹の道を歩け」
言葉が言い終わると同時に彼の存在が消えた。