「股関節の外旋」記事のつづきです。
構造動作トレーニングでは、重心移動を円滑におこなうことができる骨盤の位置を身に付けます。これは、骨盤が前傾した位置と後傾した位置では股関節の可動域に大きな違いがでるからです。骨盤はトライアングルベース(坐骨結節と恥骨を結ぶ三角形)の水平位を骨盤中間位の基準に、前傾と後傾としています。骨盤の中間位では坐骨結節が後方に位置します。骨盤前傾は坐骨結節が後方から上方に移動します。骨盤後傾は坐骨結節が後方から下方に位置します。股関節の可動域は骨盤が後傾した位置よりも中間位から前傾に位置する方が大きくなります。股関節の可動域を拡大するためには、腰仙神経叢の神経系統を構築しなければなりません。ですから神経系統の骨格である骨盤と腰椎の位置を身に付ける必要があるのです。
股関節の可動域を拡大するには牧神の蹄と股割りを行い、動作の質を深めることが効果的です。牧神の蹄を使った足の感覚トレーニングは腰仙神経叢の最遠端を構築するのに重要です。特に足の小指と薬指は股関節の可動域を拡大するのに欠かせませんので意識が通るようにしましょう。股割りは開脚前屈の身体操作です。ポイントは股関節の外旋をいかに動作の中で操作するのか。開脚前屈の動作をするときに内ももが痛いという人が多いのではないでしょうか。これには、原因が2つ考えられます。
1.足の小指と薬指に意識が通っていない
開脚動作をするときに、足をキープできず、股関節の外旋が抜けてしまう。
2.骨盤と腰椎の位置が身に付いていない
開脚動作をするときに、骨盤の中間位からの前傾ができず、股関節の外旋が抜けてしまう。

▲解剖学アトラス 訳=越智淳三
股関節の外旋が抜けることで、内ももが痛くなる。外旋六筋と内転筋はセットで使えるようにすることが大切です。外旋六筋は、梨状筋・内閉鎖筋・上下双子筋が仙骨神経叢、大腿方形筋が坐骨神経、外閉鎖筋が閉鎖神経の神経支配です。内転筋は、長内転筋・短内転筋・小内転筋が閉鎖神経の神経支配です。閉鎖神経は外旋六筋の外閉鎖筋と内転筋を支配しています。

▲解剖学アトラス 訳=越智淳三
閉鎖神経は腰筋からでて小骨盤の側壁を下降して閉鎖管に達し、この管を通って下肢に出ます。この神経は外閉鎖筋と内転筋の運動をつかさどっています。解剖学や運動学の認識が理解に達していない段階では、内転筋のストレッチやマッサージが必要なのでは、と思い違いをされる方が多いのですが、神経系統の構築するのに、それらは逆効果の方法になってしまいます。正しい知識と実技で股関節の可動域を拡大してください。
股関節の外旋と内転筋
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