股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座 -47ページ目

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

五月の構造動作トレーニング・東京教室「構造動作トレーニング入門」 は、体の各パーツの機能を回復し、自分の思い通りに体をコントロールできる状態にすることを目的にワークをおこないました。

 

 

 構造動作トレーニングで、一番に身に付けたい感覚は、固有感覚です。固有感覚は、体の内部を流れる無意識の感覚の流れですので、トレーニングの目的を明確にして行わないと身に付きません。体をやわらかくする、筋肉をつける、といった、漠然とした目的では難しく、深部感覚のペアワークのように、具体的な骨格の強度を実感し(重量覚、位置覚)、その良質な感覚を重ねて、実体にしていくことが必要です。

 

 

 深部感覚ペアワークは、骨が力学的に最も強度を発揮するポジションで、相手から重さを借りて、その骨の強度を実感します。重さを借りる側は、良質な感覚を重ねて、そのポジションを身に付けていきます。重さを貸す側は、腕の力に頼らず、自分の体の重さを相手に移すようにします。これは、体重を乗せる、体重を預けるなどと表現します。実は、重さを貸す側の体の使い方を養うトレーニングにもなります。固有感覚が備わると、相手の骨格が手の接触面を通してわかるようになってきます。そうすると、力の伝え方、力の強度の調節など、体をコントロールすることを意識でき、より繊細に自分の体の内部を観れるようになります。深部感覚ペアワークは、両者にとって良質な固有感覚のトレーニングになりえるのです。

 

 

 一般的に体は、硬い、よりも、やわらかい、方がよいようなイメージがあります。このようなイメージは、漠然としています。固有感覚を備えた体で、各関節をより広い可動域でコントロールできる状態がよいと私は考えています。構造動作トレーニングを取り組んでいる元気で活発なシニアの方たちを見ていても、そのように感じます。

 

 

 

 

SNSで片麻痺になって思うように動作ができなくなった方からコメントを頂き、私もふと過去に末梢神経麻痺で歩けなくなって、思い通りにならないことで絶望的な日々を過ごしていた記憶が思い出されました。病気の発症当初は、右脚が動かなくてもできる、股割りを四六時中やっていました。絶望から突破するための糸口を見つけるために、必死でもがいていたのだと思います。その経験は大きく活かされ、体というものの不思議、メカニズムをより深く探れるようになりました。結局、その当時から股割りトレーニングを継続していますが、体というのは知れば知るほど、奥が深くなっていくもので、進み続けるしかないのだと思います。

 

 

さて、五月の構造動作トレーニング・東京教室「股割り」は、参加者が果敢に挑んでおりました。会場は熱気でムンムン、股関節は軽やか、体が硬くても、やわらかくても、正確な動作を身に付けていくことで世界が変わります。世界が変わるということが具体的にどのようなことなのか、これまでにも考えてきましたが、今は股関節に固有感覚が備わった世界なのかもしれない、と考えています。固有感覚は良質な感覚を重ねていくことで育ちます。骨格の配列、関節運動の方向、筋肉の作用、重心移動の軌道、これらを踏まえ、適切なポジションでトレーニングをすることが、もっとも効果的に股関節の動きを滑らかにする方法なのです。

 

 

その世界の先には臍下丹田という感覚の概念があります。感覚の概念ですから、固有感覚を充実していくことでしか、丹田を実感することはできないと思います。腰椎1番、2番、3番、4番、5番、仙骨、尾骨を正しく配列できるようにし、腰腹を練っていきます。臍下丹田は腰腹の機能が充実することで発動するのです。

 

 

MATAWARI in 20years

 

 

 五月の構造動作トレーニング・東京教室「所有感覚メソッド」は、手足末端から体を整えました。牧神の蹄に足の指を合わせます。これは、とてもシンプルな感覚なのですが、初めての参加者にとっては、初体験、とても難しかったようです。この感覚には、個人差があります。初めて牧神の蹄に触れて、すぐに馴染む人もいますが、大概は途方にくれてしまうほど、足の指の感覚が鈍くなっている人が多いです。神経でいえば、腰仙神経叢の末端が思い通りにならない状態です。このような状態では、接地衝撃を上手く緩和することができず、動作をおこなう度にダメージを体に蓄積するようなものです。腰痛や膝痛などの故障は、このようなダメージの蓄積が、原因にあるかもしれません。感覚と運動の循環は良好な状態に保ちたいものです。足指の関節は、MP関節から曲げ伸ばしできるようにしましょう。

 

 

手指は、足指にくらべもっと難しいかもしれません。手は足にくらべ、器用に使えてしまうので、指を使うことくらい誰でもできるものと思い込んでいます。しかし、DIP、PIP関節を屈曲することができない人がほとんどです。できない人にとっては、本当にできない、難しいことなのです。手指は、腕、肩甲骨とつながり、四肢と体幹の連動に大きく買関わります。肩関節、胸鎖関節のコントロールが思うようにならない場合は、手指から見直してみましょう。