股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座 -36ページ目

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

私は、常にベクトルを意識して動作するようにしています。そうすることで、股関節が円滑に動くと実感しているからです。トレーニングをするときは、このベクトルを、より明確にし、質を向上させるべく励んでいます。これまでベクトルを感覚的なイメージでとらえていましたが、改めてベクトルの意味を調べてみました。理系的には、「空間における、大きさと向きをもった量」の意味。一般的には、「方向」「矛先」などの意味。私には理系的なことは、難しくわかりませんが、感覚的には「ある方向」が大事なんだな、という感じです。私が意識しているベクトルは、上と前の矢印、その間の矢印です。

 

 
ジブリ「天空の城ラピュタ」で飛行石が天に向け一直線に放つ光、これがベクトルのイメージです。その光の先にラピュタがあります。構造動作トレーニングは基本ポーズでベクトルに手を差し出します。そうすることで、体がまとまりやすくなります。スクワットをするときも、股割りをするときも同様です。股割りの時は、マウント富士のポーズとよんでいます。 
 
 

ベクトルは、股割りの「STEP1 お尻上げ」が、ある程度できるようになると、感覚がわかるようになります。これまでに、たくさんの人の開脚を見てきて、動作系のベクトルは、自らが生み出さねばならない、ということがわかりました。そうでなければ、ベクトルとは単なる方向に過ぎず、自分の体を運ぶことはできません。ラテン語でベクトルは運ぶという意味だそうです。動作系には必須ですね。

 

 

 

開脚ベクトル

 

筋肉の働きは収縮と弛緩です。解剖学では筋肉が短縮したときの運動の方向によって、屈筋、伸筋、内転筋、外転筋、回旋筋に分類されます。しかし、実際の動作では、解剖学の運動方向の分類だけではおさまりません。四肢や体幹の運動、協調運動など、動作を目的にすることから、短縮(求心性収縮)だけでなく、遠心性収縮、静止性収縮、弛緩などに分類されます。1つの筋肉の求心性収縮により関節運動が起こるとき、その筋肉を動筋といいます。この動筋と逆の動きをする筋肉を拮抗筋といいます。拮抗筋は動筋による運動の速さや強さの変化に応じて、それを強調するような遠心性収縮をすることもあります。関節運動に加わる複数筋のうち主になるものを主動作筋といいます。人がおこなう動作では、動筋、補助動筋、拮抗筋、固定筋、安定筋、共同筋、中和筋、弛緩、二関節筋などの働きがあります。

 

筋肉の働きを最大限に発揮するためには、筋肉の起始停止部が定位置に収まっている状態。そして、各関節が筋肉の働きを最大限に発揮する方向へ運動しなければなりません。そのためには、四肢、体幹の運動軸がそろっていて、中心運動軸が通っている骨格位置が必要です。トレーニングをおこなう場合は中心運動軸が通っている骨格位置の状態でおこなうことが効果的です。なぜなら、筋肉だけでなく神経系、感覚系が、その働き、機能を発揮しやすい状態であるからです。

 

ハイパフォーマンスを獲得するためのトレーニング方法は、動作で力学を表現できるようにします。運動とは重心の移動、つまり、物体が時間の経過とともに位置を変えることです。体の運動に関与する力は、重力、体に直接くわえられる力、筋収縮により得られ張力、摩擦力があります。スクワットや股割りの開脚前屈などの動作は、これらの力を効率的に使えるようにしていきます。

 

 

スクワットは、落下運動でしゃがみます。そして足底が床を圧する力と同等の床からの反力で元の位置に戻ります。股割りは、重心を前方へ移動させて開脚前屈(股関節の外転、外旋、屈曲)をします。そして筋収縮により得られる張力で股関節運動を切り返します(股関節の内転、内旋、伸展)。どちらの動作をおこなう場合もベクトルを保った姿勢でおこなうことが大切です。

 

 

SQUAT

 

MATAWARI

 

 

 

「牧神の蹄 購入者のための動画をお願いします」リクエストがありました。リクエストをいただいた方の84歳のお母さんは牧神の蹄をつかめないそうです。足指を握り込むことができる方でも、感覚が伴わないと牧神の蹄をつかむことはできません。一般的に「脚から衰える」と言われますが、私は「足指末端の感覚の低下」から衰えがはじまると考えています。

 

高齢者の方たちも、足の指をグー、パー、握って、開いて、と体操をしています。何とか、足指を動かせることはできるのですが、感覚へのアプローチはありません。例えば、歩行動作で足指の感覚が鈍い状態だと、つまずきやすい、爪先を引っかけやすい、などで転倒につながる恐れがあります。せっかく体操をしていても、日常生活動作に生かせなければもったいないです。

 

ですから、足指の末端の感覚をトレーニングして、日常動作に生かせるように向上させたいものです。

 

 

椅子に座って、姿勢を安定させ、牧神の蹄を4個並べて、ブロックの形に足指を合わせれるようにします。そして、ブロックを足指で合わせて運べるようにトレーニングして下さい。

 

【牧神の蹄】足指感覚トレーニングの方法