筋肉の働きは収縮と弛緩です。解剖学では筋肉が短縮したときの運動の方向によって、屈筋、伸筋、内転筋、外転筋、回旋筋に分類されます。しかし、実際の動作では、解剖学の運動方向の分類だけではおさまりません。四肢や体幹の運動、協調運動など、動作を目的にすることから、短縮(求心性収縮)だけでなく、遠心性収縮、静止性収縮、弛緩などに分類されます。1つの筋肉の求心性収縮により関節運動が起こるとき、その筋肉を動筋といいます。この動筋と逆の動きをする筋肉を拮抗筋といいます。拮抗筋は動筋による運動の速さや強さの変化に応じて、それを強調するような遠心性収縮をすることもあります。関節運動に加わる複数筋のうち主になるものを主動作筋といいます。人がおこなう動作では、動筋、補助動筋、拮抗筋、固定筋、安定筋、共同筋、中和筋、弛緩、二関節筋などの働きがあります。
筋肉の働きを最大限に発揮するためには、筋肉の起始停止部が定位置に収まっている状態。そして、各関節が筋肉の働きを最大限に発揮する方向へ運動しなければなりません。そのためには、四肢、体幹の運動軸がそろっていて、中心運動軸が通っている骨格位置が必要です。トレーニングをおこなう場合は中心運動軸が通っている骨格位置の状態でおこなうことが効果的です。なぜなら、筋肉だけでなく神経系、感覚系が、その働き、機能を発揮しやすい状態であるからです。
ハイパフォーマンスを獲得するためのトレーニング方法は、動作で力学を表現できるようにします。運動とは重心の移動、つまり、物体が時間の経過とともに位置を変えることです。体の運動に関与する力は、重力、体に直接くわえられる力、筋収縮により得られ張力、摩擦力があります。スクワットや股割りの開脚前屈などの動作は、これらの力を効率的に使えるようにしていきます。

スクワットは、落下運動でしゃがみます。そして足底が床を圧する力と同等の床からの反力で元の位置に戻ります。股割りは、重心を前方へ移動させて開脚前屈(股関節の外転、外旋、屈曲)をします。そして筋収縮により得られる張力で股関節運動を切り返します(股関節の内転、内旋、伸展)。どちらの動作をおこなう場合もベクトルを保った姿勢でおこなうことが大切です。
SQUAT
MATAWARI