長距離を歩いても疲れない歩き方 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

冬のトレッキングは汗をかかないように歩くことがポイントだ。汗をかくと体が冷えてしまうので、小まめな体温管理が必要になる。そして息が上がらないように一定のペースで歩くことが大切だ。山道は起伏に富み、足場は常に変化する。息が上がるような歩き方をしていると判断力が低下して事故の原因になるので気を付けたい。

 

 
トレッキングは、季節や景色を楽しむとともに歩行動作の質を高めていくという楽しみ方がある。山頂でへとへとに疲れる、下りで膝が痛くなる、翌日に筋肉痛になるような歩き方ではなく、歩行動作は長距離を歩いても疲れない、痛みを出さない歩き方が理想である。
 
 
歩行動作の質を高めていくのには、重心移動を円滑におこなえるようにしていく。山奥で80代の男性にあったときに、一緒に下山することがある。足運びが軽く、20キロ近く歩いているはずなのに、息も乱れることなく楽しそうに話をしながら歩いている。重心移動が円滑におこなわれ、歩行動作が上手いのだ。
 
 
重心移動を円滑に歩行動作をおこなう際、大きな筋肉が邪魔になる。歩行動作が上手な80代の男性の脚は細く、筋肉はぺらぺらなのだが、筋肉質の若い男性をスーッと追い越していく。歩行動作は、重心移動を円滑におこなうのに必要な筋肉の作用があればよいのだ。
 
 
姿勢は重心移動を円滑におこなうことができる骨格位置を求める。実際に長距離を歩いてみて、疲れない、痛みを出さないことが目安になる。直立姿勢は、動作のアイドリング状態のようなものなので、動作時の綺麗な姿勢をつくりたい。
 
 
骨格位置の土台になるのは接地。体の真下へフラットに接地できる足をつくりたい。
 
 
坂道を歩くときに砂利や落ち葉でつるつる滑る人は、体の真下へフラットに接地することができていない。一歩一歩を確実に足が地面を捉えれるようにしたい。
 
 
歩行動作は、足で進むのではなく、前方へ移動する体幹をその真下で足が支える。そして、足を出すのではなく、出る足で前進したい。
 
 
足は軸をつくる。左右の軸足をつくり、体の中心感覚を得たい。それは一定のペースを保持しながら長距離を歩く際、疲れなく、痛みなく歩くのに必要な感覚である。
 
 
軸足は足の配列を整える。足、下腿、大腿をそろえ真っ直ぐな足をつくることが大切だ。O脚やX脚は軸が通っていないので、長距離を歩くのに向かない。長距離を歩いて膝や腰が痛くなる場合は、足の配列を見直した方がよい。
 
 
脚の筋肉が肥大して偏りがある場合は足の配列がそろっていない可能性がある。真っ直ぐな脚は筋肉に偏りがなく、すべての筋肉が作用する状態で美しい。