冬のトレッキングは汗をかかないように歩くことがポイントだ。汗をかくと体が冷えてしまうので、小まめな体温管理が必要になる。そして息が上がらないように一定のペースで歩くことが大切だ。山道は起伏に富み、足場は常に変化する。息が上がるような歩き方をしていると判断力が低下して事故の原因になるので気を付けたい。
トレッキングは、季節や景色を楽しむとともに歩行動作の質を高めていくという楽しみ方がある。山頂でへとへとに疲れる、下りで膝が痛くなる、翌日に筋肉痛になるような歩き方ではなく、歩行動作は長距離を歩いても疲れない、痛みを出さない歩き方が理想である。
歩行動作の質を高めていくのには、重心移動を円滑におこなえるようにしていく。山奥で80代の男性にあったときに、一緒に下山することがある。足運びが軽く、20キロ近く歩いているはずなのに、息も乱れることなく楽しそうに話をしながら歩いている。重心移動が円滑におこなわれ、歩行動作が上手いのだ。
重心移動を円滑に歩行動作をおこなう際、大きな筋肉が邪魔になる。歩行動作が上手な80代の男性の脚は細く、筋肉はぺらぺらなのだが、筋肉質の若い男性をスーッと追い越していく。歩行動作は、重心移動を円滑におこなうのに必要な筋肉の作用があればよいのだ。