踵(かかと)の着き方、身体の構造に基づくウォーキング | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

私はウォーキング講座の初参加者に、歩くときに踵(かかと)のどの部分を接地するのか?質問をする。すると、半数以上の人が踵骨隆起の部分を示す。踵骨隆起と示した参加者たちは、アキレス腱炎、足底筋膜炎、モートン病、シンスプリントなど、足の故障に悩まされていた。踵骨隆起には、ふくらはぎ(下腿三頭筋)がアキレス腱となって付着する部位だ。足に負担がかかることは、容易に想像できそうだが、シューズの分厚いクッションに保護されることに慣れて、足の感覚が低下しているのか、足を故障しても負担をかけつづけている人が多い。

 

 

とりわけ、足に大きな故障がない人たちは、踵骨隆起外側突起-踵骨隆起内側突起の部分を示す。歩行時に生じる、一歩、一歩の衝撃は、足のアーチ構造で緩和する仕組みになっている。足のアーチ構造を備えて接地するためには、足指を含めた足裏全体で接地することが必要になる。つまり、踵骨隆起の部分ではなくて、足指から踵骨隆起外側突起-踵骨隆起内側突起を含む足裏全体で接地することで、衝撃を緩和することができるのだ。

 

 

歩行時に限らず、動作の際の衝撃を緩和することは、身体の健康を維持するためにも大切だ。動作で生じる、一歩、一歩の衝撃は緩和できなければ、身体にダメージとして蓄積し故障の原因になる。人の身体の構造に基づき、足、膝、腰に負担をかけない健康的で効率のよい歩き方を身に付けておきたい。

 

 

足指を整え生涯自分の足で歩くウォーキング術