四肢と体幹のつながり構造、骨盤おこし | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

5月の構造動作トレーニング・東京教室「骨盤おこし」は、四肢と体幹をつなげるための深部感覚ルーティーンを実習した。
 
深部感覚ルーティーンでは、重力を無理なく受けることができる骨格ポジションを脳に上書きして骨の位置を記憶する。骨格ポジションを決定するには、「骨で身体を支える」ことができるポジションへ、骨の形や位置を手触り、手応えなどの感覚を総合する。
 
骨盤は、坐骨結節と恥骨結節で結ぶトライアングルベースを指標とし、この面が座面と接触するポジションを目標にする。このポジションが保たれることのより股関節のフリーポジションから、いつでも動き出し可能になる。さらに、大腿骨と脛骨が垂直に並び足裏全体接地で下肢の骨格ポジションが整うことで身体を無理なく支えることができ、下肢の自由な動きを手に入れることができる。
 
 
長管骨は、重力が長軸方向へ向かう垂直位置に決定しセッティングする。長管骨は、重力を長軸方向に受ける垂直位置がもっとも強度を発揮する。逆に長管骨を傾けた位置では、剪断力という力がかかり、壊れやすく、また骨の役割を果たすことができない。骨の役割は、身体を支えること。骨の役割を果たすことができなくなると、筋肉や靭帯などが、それらの役割を余分に受け持つことになり、共に負担がかかる。骨格は、形の異なる骨が集合して形成される。それぞれの骨の形状を知り、重力を無理なく受けることができる骨の位置を身体で理解することが必要だ。
 
 
身体を構成する多種多様な関節の組み合わせは、自在な運動を可能にする。自在というのは「思うまま」という意味だが、一定の条件のもとで運動が成立するので、法則から外れる場合は、スムーズな運動が成立しない。この場合の法則とは、人が生来もっている動きの本質であり、ものごとの相互関係のこと。
 
 
四肢は体幹とつながり、体幹から動く。腕は胸から動く構造になっていて、脚はお尻から動く構造になっている。つまり、手足は体幹から動く構造になっている。
 
 
深部感覚の入力とは、触圧覚、視覚などから骨の位置を決定し、自分の重さを加え、骨の位置を維持するために、自らの運動で内部に生じる刺激を感知し、感覚にすること。
 
 
各関節は常に遊びを保ちつつ、身体につながりのある状態が理想。自分の腕と脚の関節の状態を把握し、深部感覚ルーティーンをすすめることが大切。それは、トレーニングの効果に直結する。
 
 
四肢は自在な運動をし、体幹はお腹が充実し、深い呼吸ができる身体の状態をあたりまえにしたい。