スクワットで膝が内側に入る原因、内転筋とハムスの細分化 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

足のトラブルに見舞われると、正常に歩行、走行することが困難になる。足のトラブルは、変形性股関節症、スポーツによる慢性膝障害、モートン病、足底筋膜炎など、病名は様々だ。特に足にトラブルがなかったとしても、歩行、走行動作が、しっくりこない、思うように動作できていない、ということもある。
 
このような状況の足の機能、動作状態をみていくと、内転筋群とハムストリングスの細分化がされていないことがある。例えば、スクワットをするときに膝が内側に入りやすい、接地が母趾球に偏る、などだ。このような時、内転筋群とハムストリングスが細分化されていないと考えられる。
 
内転筋群の作用は、
恥骨筋:大腿を内転、屈曲
薄筋:大腿を内転、下腿を屈曲、内旋
長内転筋:大腿を内転、屈曲、外旋
短内転筋:大腿を内転、屈曲、外旋
大内転筋:大腿を内転
小内転筋:大腿を内転、屈曲、外旋
 
内転筋の主な作用は、大腿の内転と、大腿の屈曲。スクワットをするときは、内転筋が大腿を屈曲する作用でなければならない。膝が内に入りやすい場合は、内転筋が大腿を内転する作用になっている。
 
▲日本人体解剖学 金子丑之助著 
 
ハムストリングスの作用は、
大腿二頭筋:下腿を屈曲、外旋
半腱様筋:下腿を屈曲、内旋
半膜様筋:下腿を屈曲、内旋
 
ハムストリングスの主な作用は、下腿の屈曲と下腿の内外旋。スクワットをするときは、ハムストリングスが下腿を屈曲する作用でなければならない。膝が内側に入りやすい場合は、ハムストリングスが下腿を内旋する作用になっている。
 
▲日本人体解剖学 金子丑之助著 
 
特にハムストリングスの中でも半腱様筋と半膜様筋は内転筋群と密接な位置関係にある。これらが細分化されていない場合、内ももが、たるたるになっていることがある。また、膝に負担がかかり痛みが出やすい状態だといえる。これを細分化するためには、正常な接地正しい足関節の運動方向を踏まえた上で、スクワットや股割りなどの基本動作を正確に動作できるよう身に付けたい。
 
▲日本人体解剖学 金子丑之助著