足の怪我が全身の不調に影響を及ぼすことがある | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

足の治療をお願いします。
 
足の何を治療希望されているのか?若い頃に自転車で二人乗りをしたときに後輪に靴が巻き込まれて、踵が切れたのだとか。皮膚や脂肪組織が剥けてアキレス腱が剥き出しの状態。治療は順調、見た目もそれほど問題ない。しかし、数十年経っても、踵の感覚が鈍い。
 
 
なぜ、今頃になって治療を希望されるのか。怪我をしてからは、様々な身体の不調を経験した。最近では、足と股関節のつながりが鈍い、スタイルの崩れ、顔の歪みなどが、踵の怪我と関係があるように思えてきたそうだ。足の怪我が全身に影響を及ぼすケースは多い。しかし、自分で自覚できるのはよほどのこと。よほど勉強しているか、日常生活を規則正しく送っている人だと思う。普通は、昔の怪我のことは忘れていることが多い。治療は足が股関節と連動する状態を目標にすすめていく。
 
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
 
足が股関節と連動する状態とは、「脚」が統一的に動く状態。例えば、変形性股関節症の状態は、「脚」が統一的に動く状態にない。股関節が足と連動する状態が正常。普通は、股関節に問題があれば、股関節に注目するが、「脚」に注目することが重要だ。足の筋肉は、下腿、大腿に付着する。各関節の運動方向と筋肉の作用を回復していく。
 
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
 
治療で大切なのは、治癒を目的にすることだ。 健康増進、スポーツパフォーマンスの向上などのトレーニングの目的とは異なり、怪我や病気が治るために必要なことは決まっている。傷が治ったからといってそれは治癒ではない。感覚を戻し「脚」の動きを取り戻すまでして治癒となるのだ。
 
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
 
 
 
 
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