治療の進め方、まずは患者さんと話し合い治療方針を決める。一人の人でも、胸郭出口症候群、手根管症候群、腱鞘炎、顎関節症、変形性股関節症、腰痛症、第1中足骨不全骨折など、多くの病名がついている。一つ一つの病名を治療していくのは大変なこと。この中で、一番の不調の原因となっているものを見極め、治療を進めていくことが大切だ。
通院の間隔は、症状を自身でコントロールできる期間に設定する。治療後は、次の治療までの日常生活の注意点、課題を出すので、日常生活動作の質を高めるように努める。次の治療のときは、日常生活の注意点や課題をどれだけクリアしたのかをチェックし、通院間隔を縮めたり伸ばしたりする。通院間隔が一か月から三か月になれば、身体の不調は、治癒目前といえる。
実際、筋骨格系の疾患では治癒にも個人差がある。治癒に向かって治療を進めていくと、自分の身体の理解力が増す。そして、身体に不調がでていないということが、治癒ということではないと気づく。不調で苦しんだ分だけ、あたり前の日常生活動作を見直す方も少なくない。ここから自分を見直していけたとしたら、きっとこの先にある将来は快適に送っていけるのだろう。
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