腸脛靭帯のテンションを調整する | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

30キロのトレッキングをした。前半は峠を2つ越えるアップダウンの激しいコースで始まり単調な林道へとつづく、後半は新緑の美しいゆるやかなトレールが続くコースだ。
 
峠越えのアップダウンではいつも心臓が破れそうになるくらいきついので、もっと楽にクリアしたい。登りはつま先を確実に接地して重心移動を滑らかにすること、下りは体力温存のため重力に従って駆け下りることを意識した。つづく単調な林道ではロウギアランニングで身体各部の動きをチェックした。後半は疲労なく効率的にコースをクリアすることを心がけた。
 
今回は8時間かけて33キロのトレールで3つの課題に取り組んでみたが、じっくり身体と向き合うことができて実りあるトレーニングができた。
 
▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助
 
先日、下り坂で左足を挫いた。足首を挫く瞬間に接地を立て直すことができたので大事には至らなかったが、つづけて右足も挫きかけて冷や汗が出た。私は腸脛靭帯のテンションがゆるめで下腿の安定感がイマイチなので、捻挫防止と接地の衝撃を緩和する精度を上げるために、腸脛靭帯のテンションの調整をおこなってきた。
 
大腿の外側部は、大腿筋膜のうちで最も強く、これに大腿筋膜張筋および大臀筋の一部が付着する。この部から下方を特に腸脛靭帯といい、腸脛靭帯の下端は脛骨の外側顆につく。
 
今回、峠越えの下り坂で挫くことを気にせずテンポよく接地を繰り返してみたが、挫きそうになることもなく、下腿の安定感が少し増している実感があった。さらに下腿の安定を確実にするために、下肢の正しいアライメントをロウギアランニングで入力していく。単調な林道は退屈になりがちだが、課題に取り組むことで、実のあるものになる。後半のトレールは、ロウギアランニングで身体に良い入力ができたのだと思う。疲労なくコースをクリアすることができた。
 
 

 
 
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