久しぶりにまとまった雨の一日。暦の上では立春から雨水になり雪が雨にとける時期だという。今回は屋外でトレーニングができないので、室内でじっくりと股関節のみならず全身の調整に時間をついやした。
先日、駅のホームで新幹線を待っていると、大腿骨と骨盤の位置を調整する方向に導かれるような身体感覚があった。その後、その感覚に従ったトレーニングをしている。私の大腿骨の位置が骨盤よりも少し後方にあったようだ。大腿骨と骨盤の位置関係を調整することで中殿筋の前部線維と腓骨筋が解放され、眠らせていた筋肉が少しずつ作用を取り戻している感覚がでてきた。
これは大いなる気づきだ。開脚位で足関節の底屈をするときに無意識に関節の可動制限を加えていたのだ。足関節の可動が良好な人は底屈をしたとき綺麗に甲がでる。私の場合は、足首を真っ直ぐにはできるが可動不足を感じていた。関節運動の方向が正しかったとしても、眠らせている筋肉が可動を阻害することもある。眠らせていた筋肉が作用しはじめ足関節の底屈可動域が少し増したようだ。その理由がはっきりとし、足の理解が深まった。
股割り動作は股関節の可動を広げるのに効果的だが、私の場合は股関節の可動拡大はもとより、身体の機能回復をしていくのに、何をどうしていけばよいのかを推し量る指標になっている。おそらく、股割り動作で得た失敗や経験が身体を成長させているのだろう。股割り動作から逆算して不足している機能状態がわかるようになってきた。益々、股割りに集中する今日このごろだ。
最近は若い柔整師や鍼灸師の人が、熱心に股割りや足指のトレーニングに取り組んでいるが、人の身体や動きを見ることも、自分の身体や動きを見ることも、共に難しいことを知り、自分のあるがままでしか、人を理解できないことを実感してほしい。要は自分が実感している分しか人に伝えられない。施術の知識や技術よりも身体のメカニズムを実感することの方が先決で、身体のメカニズムがわかれば自ずと技術はついてくるものだと思う。
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