足関節底屈(鎌足・バナナ足)の治し方/長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

鎌足とは足首をまっすぐに伸ばすことができず、
親指側に捻じれた醜い足のこと。
最近ではバナな足ともいう。


足首をまっすぐに伸ばすというのは、
長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾伸筋、下腿三頭筋などの
骨格筋の作用により足関節を底屈すること。



しかし、鎌足・バナナ足というのは、
前脛骨筋・長母趾伸筋、長母趾屈筋、下腿三頭筋などが
主になり下腿の深層筋の作用が不足している。


バレエ教師に鎌足・バナナ足を指摘されるが、
改善の糸口がみえず困っている方が多い。

指摘を受けて意識で改善できるレベルというのは、
骨格筋の収縮率、足関節の運動方向、足の深部感覚、
足骨のアライメントなどが、それを満たしている場合。

指摘を受けて意識で改善できないレベルというのは、
そもそもの足の機能がそれに満たない場合。

改善の糸口が見つからない場合は、
自身の足の機能状態を明確にすることが先決。
意識で改善できるレベルなのか、そうではないのか?

よほど高い意識の持ち主ならば、
見た目の醜さを消すことはできるかもしれないが、
それでも足の機能レベルそのものは対して上がらないから
怪我などトラブルに見舞われる可能性が高い。

鎌足・バナナ足のリハビリ・トレーニングは、
足根骨-下腿骨-大腿骨のアライメントを整え、
足関節-膝関節-股関節の運動方向を揃え、
足関節の底屈、背屈に作用すべき骨格筋を
しっかり収縮させ、滑らかな重心移動を獲得する。

脚のアライメントを整えるのには、
深部感覚の入力と正しいポジションの意識が欠かせない。
脚の運動方向を揃えるのには、
深部感覚の入力と正しい関節運動の意識が欠かせない。
脚の筋力を回復するのには、
起始停止部を整え骨格筋の収縮率を高めることが必要。
それらを踏まえ、全体をコーディネートする意識をもって
基本動作を重ねることで足の機能を備えた美しい脚になる。

下腿後面の長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋について。
まっすぐな足関節底屈ができず鎌足・バナナ足になる方は、
ふくらはぎの深層筋を上手く収縮させることができない。

▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫

長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋は脛骨の内果付近を走行する。

長母趾屈筋

▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫

長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋は、足底の趾骨・足根骨に付着する。

▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助


鎌足・バナナ足になってしまう方は、
母趾の筋肉が優位にあり外反母趾など
足のアーチ構造が崩れている傾向にある。
長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋の収縮率を
高めることが大切である。

さらに前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、
長腓骨筋、第三腓骨筋、膝窩筋など、
それぞれの収縮率を上げて、
足を繊細にコントロールできるように
リハビリ・トレーニングを進める。

▲牧神の蹄トレーニング

仕上げは、足指末端から股関節を連動させること。
この足関節を底屈するということは、
クラシックバレエに限らず、
動きを扱う方にとって重要な運動方向なのだ。
きちんと足の末端をコントロールできるようにして
運動の質を高めたい。

また、脚の故障でパフォーマンスが停滞している方も
足の末端の機能を修復してリハビリに臨みたい。

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