2009年2月21日、22日に第七回骨盤おこし東京セミナーが行なわれた。
骨盤おこしは、基本的に自分の姿勢や動作を改善するものだ。
骨盤後傾から前傾に、腰椎主導から股関節主導に動きを切り替えてゆく。もちろんすでにそのように動いている方もいるだろうが、これまでのセミナー参加者ではひとりの例外もなく、問題を抱えていた。
それらは自覚されていないものがほとんどだが、セミナーを通じて明かになっていく。
そういう意味で、スポーツや武道などをやっていようがいなかろうが、プロだろうがアマチュアであろうが、健康であろうがケガ人や病人だろうが、事、自分自身のからだのポジションに関しては同じである。
それにどうも、からだのプロといえる人たちでも、骨盤おこしトレーニングの主張は耳新しいらしく、逆に講師のTakahiroさんの主張が変なのだ、と考えた方がいいくらいマイナーなのだ。
ところが実際にセミナーでからだを動かしてみると、これは何かありそうだ、と感じる人が多いようだ。
わたしの稽古会で基本動作だけ紹介した人が、後日会ったら毎日のように骨盤おこしの姿勢で仕事をしている、というようなことも少なくない。
最初はたいてい「えー? こんなに? うっそー!」みたいな反応なのに(笑)。
ずうっとということはなくても、電車や食事でイスに座ったときなど、ついつい骨盤おこしの姿勢をしてしまう人は多い。このシンプルな動作にはそういう力がある。
●「股割り」チャレンジ
さて、七回目(実際には二回ずつセミナーをするので14回)ともなると、かなり骨盤おこしに取り組んでいる人たちも多くなる。そのためだろうか、今回は「股割り」に挑戦する人がいつになく多かった。
これは少しずつは増えてきていたが、今回の特徴はいわゆるからだが固くて、開脚が苦手というようなタイプの人の挑戦が増えたということである。
ふつう「股割り」と聞くとどういうイメージだろうか。お相撲さんがやっているアレだろう。「太っているのにあんなに足が開いて柔らかい!」とびっくりするやつだ。
だからセミナーでも、挑戦するのはもともと開脚前屈をやっていて、もう少しなのにお腹がつかない、胸がつかない、さてどうしたらいいのでしょう、という人たちが多かった。
そういう人はわたしたち「からだが硬派な人たち」からみれば、足が開くだけでもういいじゃない、という感じなのであった。
しかしくり返しTakahiroさんは、「股割り」は「股裂き」じゃない、筋肉が伸びてもダメ、股関節を使うことだ、と言っていた。
そういう話がなんとなく染みてきたのか、大きく開脚きなくてもいいし、膝も曲げていてよい(というかむしろ弛める)となると、自分でも挑戦してみようという「硬派」が現れる。それに勇気づけられて、今回は次々と股割りチャレンジャーが続いた。
もうひとつは、Takahiroさんの「股割り」指導がよりきめ細かかったこと。
丁寧に手順を踏んで行なうと、骨盤おこしの目指す股割りがわかってくるように思う。
その手順を書いたTakahiroさんの文章を引用しよう。
1 床に座り上腕二頭筋が正面、腕橈関節から前腕を返す。
2 足関節を伸展で指を握り込み骨盤をおこす。
3 ハムストリングスのテンションをキープして足関節を背屈。
4 胸を出し腹圧をキープして真直ぐに押していく。
5 床に腹が着いたら更に腹圧をかけて足が抜けるようにする。
(※頭の数字は引用者がつけた)
2の指は「足指」のこと。さらに伸展した足は小指が床につける。
2でも自然に膝は曲がるが、3で足を背屈させるとさらに膝が曲がる。
こう説明しても動作のことだから、実際に動きを見、指導を受けないとわからないことが多いだろうが、単なる開脚前屈とは違うことはわかるだろう。
実際にやってみると、足はあまり開かなくていいといっても、足の小指が床に着く形が保てる範囲で、できるだけ開いた方がいいようだ。そうすると骨盤をおこしやすくなる。
開脚の姿勢で骨盤がおきるということが股割りの前提だが、これがなかなかむずかしい。どうしても腰がおきない場合は、座布団を二つ折りにしたものに尻を乗せ、骨盤前傾をしやすくする(高さは適当に調整する)。
3から腹圧をかけて上体を股関節から倒してゆくが、ここできつくて足指の握りが解けてしまう、背屈が解けて足先が伸展してしまう、膝が伸びてきてしまう、要するに脚部も胴体と一緒に前方に回ってしまう人が多い。
骨盤おこし式股割りのキモは、3のポジションでかかとでしっかり床を押さえて脚を固定することだ。そこで胴体を倒せば必然的に股関節が回ることになる。
実際、ここが難しい。ついつい前屈の深さばかりに気を取られるて、股関節に力の入らない前屈になってしまうより、たとえあまり深い前屈でなくても、脚の形と位置をキープすることを守っることが、股割りへの近道の気がする。
わたしは開脚前屈はおろか、いわゆる柔軟体操は苦手で、この股割りも前屈ともいえない程度しか前にいけないが、それでも足をキープして動こうとした後では、股関節の感覚が違ってきて、基本の骨盤おこしの運動の質が変わってくる気がする。
そしてこの方向性を守ってやっていれば、突然腹が、そして胸が床に着くような確信がでてきた。
怠け者のわたしがそんな気になるぐらいだから、股割りチャレンジャーが増えるのもわかる気がする。
というわけで、次回の骨盤おこしセミナーとは別に、Takahiroさんの「MATAWARI JAPAN 股割りチャレンジ教室」の開催が決定。
なぜ「MATAWARI JAPAN」かというと、股割りは世界に誇れる日本のトレーニングだからだそうだ。
こちらは骨盤おこしセミナーに出たことのある人には割り引きがあるし、今月の第8回骨盤おこしセミナー出席者にはさらに割り引きがある。
ぜひ、同時に参加してほしいなあ。
第七回骨盤おこしセミナーの続き。
今回はいままでやらなかったことをいくつかやった。
ひとつは股関節の旋回。もうひとつは重心移動。
●股関節の回旋
骨盤をおこす運動は、股関節側からみると股関節の回転運動。
今回は骨盤のニュートラルポジション(骨盤がおきた状態)がわかっている人が増えたということで、股関節の回旋運動を紹介した。
正座かイスに腰かけるかして、胴体を左右のどちらかに傾けて、重心を片方の関節に乗せる。その状態で胴体を捻らないで「股関節で」ゆっくりと胴体を回転させる。
この様子は写真を参考にしてもらうとわかりやすい。手順は簡単だが、胴体全体をひとつの股関節の部分だけで回転させるのは、意外と難しい。
どうしても腰のあたりが捻れてしまう。
ゆっくりと着実に動作することが大事。
●重心移動
腰幅に足を開いて立ち、手の指を握る。左右どちらかの小指に力をこめて、ギュッと握り込むと、そちら側にからだが傾く。
反対側の小指を握り込むと、そちらにからだが傾く。
つまり小指を握り込んだ側に重心が移動することを確かめる。
これは親指側を握り込んでも起こらない。
簡単な動作だが、小指と股関節が連動しているのがわかる。
ただこれは、骨盤が後傾していると連動しない。
この股関節の回旋と重心の移動については、さわり程度の紹介だったので、今後の展開が楽しみである。
●花粉症
これはセミナーのときではなく、Takahiroさんとお茶を飲んでいたときの話し。
マスクをしてきた虎哲さんとわたしに「なぜみんなマスクしているんですか?」とTakahiroさん。
「花粉症なんですよ」と言うと、
「どうして花粉症なんかになるの~。胸を出して気管をまっすぐにして鼻で呼吸していれば、花粉症にはならないでしょう?」
などとおっしゃる。
イマイチ納得いかないのだが、それでもその日から意識して胸割をして鼻呼吸をするようにしている。
くしゃみとか出始めたら、わざと胸を出して、くしゃみが胸に響くようにしたり……。
これはくしゃみの衝撃で、胸がさらに割れて前に出てくるのではないかと思ってのこと(笑)。
今年はどうにも、花粉の影響が大きく出てしまったので、胸割の効用は来年に持ち越しだ。