これは2009年1月7日の夕方のことだ。
地下鉄の通路を歩いていたら、突然胸のつかえが取れた。
話を戻そう。
昨年7月から11月と「骨盤おこしセミナー」を体験し、それからは股関節の動き(骨盤の傾き)と胸椎を押し出すことをしょっちゅう考えるようになった。
「骨盤おこし」では、当然のこととして「骨盤をおこすこと(骨盤の前傾)」とが基本テーマだが、もうひとつ「胸椎を肩甲骨より前に出す」ことも切り離せないテーマなのだ。
胸椎の運動について、提唱者のTakahiroさんは胸割りと言っている。
武道、武術や、日本の伝統芸能を修行している人にとっては「背を割る」という表現の方が馴染みがあるかもしれない。
わたしはつい、これらのテーマを「腰を入れる」「背を割る」という言い方をしてしまう。
まあ、「腰」に関しては思い浮かべる部位が人それぞれなので、「骨盤おこし」の方が伝わりやすいが、「胸割り」に関しては「胸を出す」「背を割る(背中を割る)」という方が説明しやすい。あと「胸の谷間」にひっかけて「背中の谷間を作る」とか言ったりする。
で、問題は胸椎なんだけど、歩くときにいつも胸椎を前に出すようにしていたら、いつの間にか胸椎の五番(肩甲骨の間)あたりを棒で押されている感触になってきた。
立ち姿勢の動きの焦点が、胸椎に上がってきたのだろうと思うが、ともかくそのあたりを棒でチョンと押されながら歩いている気分なのだ。
これはこれで胸椎に動きが出てきた証拠だろうと、喜んではいたのだが、ともかく胸が詰まるような、呼吸が苦しい感じなのである。
「胸割り」で胸が肩甲骨の位置よりグッと前に出るようになると、呼吸が楽なはずなのに、これでは反対だ。
それでもこの方向性でいいのだ、と思っていたのでそのまま年を越した。
それで1月7日である。帰宅するために地下鉄の通路を歩いていたら、突然胸椎が上の方までグイッと前方に入ったのである。
本当に突然だったので足元がふらついてしまったほどだ。
でもこのフラフラ感が覚えがある。
ある朝外を歩きはじめたら、骨盤が「前方にゴロンと転がった」あの日の感触だ。あのときもフラフラ、グラグラのまま歩いていた。
そして呼吸は嘘のように楽になった。
おかげでこれまで、「胸を出す姿勢」にしていたのに対して、その日を境に普通にしていて「胸が出た姿勢」になるようになった。でもこれからもっともっと動くようになるはずだ。
ところで、胸椎に焦点を集めて歩いていたらそうなった、と書いたが、実際はしょっちゅう股関節から上体を前傾させる基本の「骨盤おこし運動」をしていたからだと思う。基本の基本ではなく、一段上の「胸を前に出す骨盤おこし運動」だけど。
つまり「骨盤が前方にコロン」も「胸椎のつかえが取れる」も、基本トレーニングの結果として訪れたのであって、ことさらそれを目指してするというのとは違う気がする。
今回のことも、胸椎が前に行くのを止めていた筋肉の緊張が解けたために「突然」に起こったわけだが、筋肉の緊張を解く準備は少しずつ行われていたからの結果といえる。
「その先」を目指すにしても、具体的な状態を想定するのではなく、基本トレーニングを続けていることで「何かが起こる」ということでいいのではないか、と思うのだ。