動きという運動と感覚、動きという意志/動きのフィジカルトレーニング | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

ヒトが動くためには、酸素、脳神経系、骨でカラダを支える構造、関節運動などが必要。
脳神経系はプログラムを実行するための指令を各器官へ送る。
そして、指令を受けた筋肉は収縮し、骨に付着する筋肉の起始部と停止部が近づく(関節運動)。

脳神経系が途絶えた先は、運動が発生しない。
これは、カラダと外部環境がコンタクトを取れない状態。
ヒトが動くということは、外部環境、世界に意味を与えるということ。
その情報は脳が処理し、すぐさま各器官へ指令を送り、運動は連続する。

運動が発生することで時間という概念が生まれた。
脳神経系が途絶えた先には、時間はない(内観)。
ヒトが動くということは、外部環境、世界に意味を与え、自分にも意味を見出す。
外部環境、世界と比較できるから、時間はないと表現できるわけで、
そうでなければヒトは存在しないのだと思う。
ヒトは外部環境、世界とセットである、ということから動きを考えなければいけない。

人類は地上での生活に適応している。
これが無重力の宇宙生活や水深30メートルの水中生活は困難だろう。
宇宙飛行士は無重力下の生活で骨密度が低下するというのは有名な話。
予防のために宇宙船の中で筋力トレーニングを行う。
潜水士、ダイバーは高圧環境から急激な圧力低下により減圧症や骨壊死になるそうだ。
もっとも、ヒトが地上で生活していても問題は多いのだが...。

地球は1Gの星だ。
水中分娩を経験するヒト、宇宙飛行士、パイロット、船乗りなど地上以外の職種もあるが、
ほぼすべてのヒトが地上で生まれ、地上で生活する。
ヒトは1Gの地球(外部環境、世界)とセットである。

私たちは地球の中心に引き寄せられて、地上に立つことができている(重力)。
これが、無重力環境ではふわふわと浮いて地上に立つことができない。
ヒトの中心は重心点、重心点から地球の中心に向かう線を重心線という。
この重心点と重心線の位置関係が動きのカギになるといっていい。
ドングリコマの重心位置を高くするのか低くするのか、回り方が変わる。
模型飛行機の重心位置を前にするのか後ろにするのか、飛び方が変わる。
運動は重心位置により変化する。
つまり、ヒトの骨格構造はどの重心位置で設計されているか?
ということを考える必要がある。

脳神経系が途絶えた状態は、重心位置が変化している。
動きやすい位置へ移動すればよいが、動けない位置へ移動する。
さらに外部環境、世界とコンタクトが取れない状態だから麻痺(停止)なのだ。
カラダのどこへ重心を位置させるのか?
重心がいつでも動き出し可能な位置を探る(アイドリング)、そして作動へ。

ヒトの運動は、重心が移動すること。
ヒトが動くということは、行為。
行為(こうい)とは、人が自らの意志(意思)に基づいてする動作。
他動的に行われる動きではない。
つまり、意思に基づく動作が外部環境、世界に意味を与える。

ヒトが動くということは、運動であり感覚である。
例えば、
歩くという動作は、重心が移動する。それにともなう、脳神経系、筋骨格系の器官が働く。
また、歩くという動作は、地面の状態を感覚としてとらえる(アスファルトで硬い、芝生でフカフカする)。
あるいは、空気を感じる(風が冷たい、気温が温かい、花の香り)。
ヒトが一度、外部環境、世界とコンタクトを取れば多くの情報を得ることができる。

動きのためのフィジカルトレーニングは、動きという運動と感覚、さらに動きという意志、を踏まえて動きを探求する。

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