私は最近、“ローギアを刻め!”というのが口癖になっている。
走りの低速ギアのことを意味しているのだが、英語の出来る人から発音は“ロウ”だといわれる。
まぁ、日本なら“ロー”でも通じるからいいそうだ。
私にとって“ゆっくり走る動作”は、“ゆっくり走るリハビリ”だ。
速く走ることの“技術”ではない。
機能回復訓練なのだが、考えれば考えるほどこの“ゆっくり走る動作”の奥深さにぶち当たる。
トップギアはローギアの延長線上にあるのでは?
という考えに及ぶ。
だが、私は“リハビリの専門家”であって“速く走る技術を教える専門家”ではないので、このことについては多くの専門家のお話を伺いたいと思っている。
先日も長距離の選手から、「コーチに顎を引けと言われるのですが、顎を上げていいのですか?」という質問を受けた。というのも、“ゆっくり走るリハビリ”では顎を引かないから。
四肢が体幹と連動するポジションでリハビリするので、それを妨げる要素はひとつひとつ消してゆく。
速く走るための技術として「顎を引く」ということがあるかもしれないが、“ゆっくり走る動作”は、“ゆっくり走るリハビリ”だ。
私の経験からも機能回復訓練は解剖学的にみて“運動が成立する”ポジションを求めることが大切だ。
“技術”については、その専門家に聞くのが一番だろう。
“ゆっくり走り”のステップワンは、“ローギア”を探し出すこと。
ここで多くのアスリートが苦戦する。
理由は“蹴り出してしまう”ことが一番にある。
パワーに任せて“脚”で走ってしまう。
だから、怪我や故障が絶えない。
“技術”は大切だが、それに見合うだけの“身体の土台”がなければ、その“技術”は生かされない。
若い選手たちには勝敗を競うスポーツばかりに取り組みすぎだ、絶対的に“体育”が不足している。
“リハビリ”は“体育”の補習授業かもしれない。
ローギアを探し出せ!ローギアを刻め!
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