自然な姿勢/再び原点 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

私が目指しているいい姿勢というのは自然な姿勢だ。
以前は自然体研究会という名称で自然な姿勢について説明しようと努めた。
ところが、自然だ、自然だ、といったところで自然というものが何なのかわからないことに気づいた。
その後、自然という単語を使わないようにして、身体を説明するようにしていった。

そして再び原点に戻ってみる。
さて、自然とは?
説明できるだろうか、できない....。
この10年、トレーニングで失敗したり、時代遅れの生活を好んだりして自然というものを常にみてきたが、まだまださっぱりわからない。
しかし、身体ということを考えていく上で自然ということがわからなければ、結局わからないのだと思う。
ましてや何か専門の学問のみで身体ということを解こうとすれば一生届かないないだろう。
私は、いろいろなことをを止めてきたし、知識を捨ててきた。
もちろん、追加されたこともあるが、まだまだ私の思考の中には常識とは言えない常識や思い込みがあり自然を感じることができないでいる。
だが、まるっきり自然が何なのかわからないのかといえば、わかることもある。

わかることというのは、これらの実践が家族の健康、子供の成長と直結してくることだ。
長男の成長を見ていると、健全な肉体が養われているように思われる。
性格は素直、古武術研究家の中島章夫先生がおっしゃるには「よく、素直な子に育ちましたね。」と。
私が、こんな性格だから対照的なのだろう。
彼は本当に美味しそうに食事をする。
学校のテスト勉強にはあまり興味がないようだが、食べるということは本当に楽しそうだ。
といっても、我が家の食卓は質素だ。
主食は米で地のものが中心、外食は少ないと思う。
出張が多い、私が一番不摂生なのだ...。
自分たちが住んでいる土地の季節を食べることは自然を感じやすいのだろう。
彼が幼いころから庭の小さなスペースで野菜を育ててきたり、川へ行って魚介を採ったりした。
自然をどのように食すのかということの一端くらいは、肌で覚えたのではないだろうか。
まあ、自然がどうとかよりも健康がなによりです。

今のところ自然が何なのかということは、わかっているようで、全く分かっていない。
わかる人がいるとすれば、それは子供たちだろう。
私たち親や大人は、その素直な感覚を阻害してしまう。
雑音だらけの環境というのが適当なのか、そのような環境を築き続けている。
その素直な感覚は、自然から遠ざかり、自然な姿勢から遠ざかっていく。
私は、この自然というものを人間の原点のようなものだと考えていて、結局何かと答えることができないが、ここから離れない方がいいと思っている。
それは、生命力とか本能といった表現が適当かもしれない。
人類も動物であり、この自然とどのような関わりがあって存在しているのかわからないが、現実存在しているわけで、きっと何か意味があるものだと思うが、もしかしたら何もないのかもしれない。
だが、子供たち、私たちは存在し、存在つづけているわけだから、生命力とか本能というものが備わっているのではないだろうか。
雑音だらけの環境が、この先すぐに変わるようなものでもないから、そんな中でも生き抜く力を持ち合わせてほしいと思っている。

私が構造動作トレーニングを行っている理由は、運動を成立するためだ。
運動を成立するといっても、そんなに容易なことではなく、自然という原点を見据えながら進めていかなければ、結局いい姿勢、自然な姿勢には届かない。
人間が持つ骨格構造を読み解きながら、運動という自然な姿勢からの自然な動作を探求する。
とても、運動学や解剖学、生理学などでは説明がつかないだろう。
現代病というものもスポーツというものも原点から遠ざかっていては問題が起こるのは当然なのだと思う。
原因を探る、見つけるということは意味のあることだと思うが、根本の自然という原点を理解しないままではわかったようで、わかったふうなことでしかない。
私も結局はわかったふうなことになってしまうのだが、原点に直結しているということであれば自信がある。
きっと、それは私の根拠なき自信なのだと思う(笑

肉体は有限、姿勢は無限
姿勢がいいということ