感覚か理屈か? | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は「感覚か理屈か?」をまとめたいと思います。

 

今回は英語を学習するときに感覚的に覚えていくのか理屈で覚えていくのかという話です。英語を勉強している方の参考になればと思います。

 

まず感覚と理屈はそれぞれどういうことなのかを考えてみます。例えば"something cold to drink"というフレーズを取り上げてみます。ここで"something cold"という語順はなぜ形容詞+名詞の"*cold something"という語順にならないのか?

 

この問題を感覚で覚えていくなら、"someting cold"というフレーズを多く聞いたり話したりして感覚的に自然と身につけていくパターンになります。ここで"*cold something"というフレーズを聞くと「ん?なんかおかしい」と感じるようになります。

 

一方理屈で覚えていくなら、ここでは詳しくは解説しませんが文法的に"*cold something"という語順にはならないということを頭で学んでいくパターンになります。

 

一般的には子どもは感覚的にことばを学び、大人は理屈で学ぶというのが傾向としてありそうです。これは子どもは柔軟に学んでいけるので感覚的に学ぶのは適していると言えるでしょう。一方大人は子どものように柔軟に吸収するのは難しいので理屈よりになるのかもしれません。

 

また子どもが英文法の理屈を詳しく理解するのは難しいということもあるでしょう。例えば小さな子どもが文法用語を駆使して「ここは現在完了形ではなく過去完了形となり意味としては…」と解説するのはあまり想像できませんね。その点大人の方が英文法の理屈を理解していくのは子どもより向いているとも言えそうです。

 

このように考えると子どもは感覚的に学んでいくのが良いかと思います。

 

では大人の英語学習者はどうすればいいのでしょうか?

 

英語学習方法に正しい答えはありませんが一つの方法を示しておきます。英文法の基本的なルールがまだあまりわかっていない方はある程度理屈的に学んでいくのはありかと思います。どういう仕組でこういう表現になるのかなど基本的なところを学ぶと英語に対する理解が深まるでしょう。ただし英文法を学ぶのは労力が必要なのである程度じっくり学んでいける方におすすめします。

 

そしてある程度理屈を学んだ方は(もしくは理屈で学ぶのが苦手な方は)、感覚的な学習へ進みます。具体的には多くの英語にふれることです。英文を読んだり、英語の音声を聞いたり、また機会があるなら話したり書いたりして英語のパターンを吸収していくのが必要です。特におすすめなのは音読です。基本的な例文でもいいですし、よく使われるようなフレーズでもいいので声に出して音にして感覚的に身につけていくのが効果的かと思います。

 

英語のパターンや感覚が身についてくると上で取り上げたように"*cold something"のようなフレーズはおかしい、使わないと感じられるようになります。

 

一概に感覚か理屈かどちらか一方が良いとは言えませんが、ある程度バランスを取り、それぞれの学習者に適した方法を選べるといいかと思います。