"request"と"require" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"request"と"require"を取り上げたいと思います。

 

"request"と"require"はスペル的に似ていることからも想像できるように、これらの単語の語源は同じものです。なので意味的にも近いものがあると言えるでしょう。

 

今回は意味の違いや使用頻度などを確認しておきます。ではいつも通り『ロングマンExams英英辞典』で意味を見てみましょう。

 

"request"

to ask for something in a polite or formal way

 

ex) To request information, please call our toll free number.

      You have to request permissison if you want to take any photographs.

 

 

"require"

to need something

 

ex) Campbell's broken leg will probably require surgery.

     What's required is a complete reorganization of the system.

 

まず"request"の方から見ていくと意味の方は「何かを求める」感じで、方法としては丁寧だったりフォーマルにとあります。具体的に例文を見てみると、1つ目では「情報をお求めの場合はフリーダイヤルにおかけください」という感じですね。ここでの

"toll free number"「フリーダイヤル」のことを表します。2つ目の例文では写真を取りたいなら許可を求めなければなりませんよ~とあります。これらの例から情報だったり許可だったりを求める場合に"request"が使われているのが確認できます。

 

次に"require"を見てみると、こちらは「何かを必要とする」という意味ですね。具体的に例文を見てみると、1つ目では折れた足について手術が必要になるだろうとあります。2つ目の例文では"What's required"が主語となり「必要なことは」と最初に述べ、何が必要かは"is ~"で述べられています。

 

"request"と"require"を比べると、使用頻度はどちらのほうが高いと思うでしょうか?日本語では「リクエスト」とカタカナで使われることもあるので"request"がなんとなくよく使われると予想するかもしれません。でもロングマンでは"require"の方が使用頻度が高いと示されています。

 

具体的には"request"は「S3」と表示があります。これは

"speaking"の3という意味で、数字は1~3があり1の方が使用頻度が高いことを表しています。なので"request"は話し言葉の3という使用頻度と理解できます。

 

一方"require"は「AC」「S1」「W1」と3つの表示があります。「AC」はアカデミックの領域でよく使われることを表しています。「S1」は話し言葉でよく使われるということで"request"と比べると差があることがわかりますね。そして最後の「W1」は

"writing"の1ということで、書き言葉でよく使われることを示しています。

 

ここからわかることは"require"の方が使用頻度が高く、アカデミック、話し言葉、書き言葉の領域で使われることです。このロングマンの使用頻度のデータはなかなか優秀で役立ちます。というのも、英和辞典でいくつか"request"と"require"を調べたところ、ほとんどの英和辞典では同じ使用頻度のマークが示されるだけで、どの領域でよく使われるなどの説明はありませんでした。このあたりはロングマン社の持っているコーパスデータの強みですね。

 

似ている単語は意味の方も大切ですが、使用頻度や使用領域などにも目を向けると違いが見えてくるので調べてみるのがおすすめです。