"UFO"は確認できない! | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"UFO"について取り上げたいと思います。

でもいるいないの議論ではありません。ことばとして考えたいと思います。

確か去年の末に、大臣の間で"UFO"がいるいないの議論がありました。政府の見解では"UFO"はいないとのことですが、ある大臣はいると信じているなどが話題になりました。

個人によって意見は分かれると思いますが、ことばから考えると一つの答えがでます。一応いつもどおりロングマン英英辞典(Active Study)の説明をみてみましょう。

an Unidentified Flying Object; a mysterious object in the sky, especially one that could be carrying creatures from another part of the universe

ここで分かるように、"UFO"とは "Unidentified Flying Object"の頭文字をとったものなのです。日本語にすると「未確認飛行物体」です。

この"unidentified"がポイントです。
これは"un-"という否定の接頭辞がついたことばで、"identified"を否定しています。つまり「確認する」を否定し、「未確認」となります。またロングマン英英辞典(Active Study)で"identifeid"を調べてみましょう。

an unidentified person or thing is one that you do not recognize or know the name of

"do not recognize"とあるように、「そのものを見て、受け止め、それが本当だと認めない」という意味であることが分かります。

このようにことばから考えると、"UFO"は「確認できないもの」ということが分かるでしょう。もし確認できたならば、否定の接頭辞"un-"がなくなり、"IFO"となる?かもしれません。

"UFO"がいるいないの議論も楽しいかもしれませんが、ことばから考えてみるのも面白いと思います。