"dog ear" | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"dog ear"ということばをみてみたいと思います。

以前にCMでこのことばを使っていたので、知っている人もいるかもしれませんが、初めて聞いた人はどのような意味だと思うのでしょうか。

訳すと「犬の耳」になると思うかもしれませんが、本当の犬の耳について言っているのではありません。

"dog ear"は、雑誌などで気になるページなどの隅を折ることです。つまり「隅折れ」のことを意味します。

なぜ「隅折れ」を"dog ear"というのでしょうか?

そこには物のとらえ方が感じられます。

英語は折ったページを「犬の耳」のようにとらえているのです。

これは英語の文化で、犬が身近な動物だったことも関係しているでしょう。

日本語でページを折ることを何と表現するのでしょうか?「隅折れ」でしょうか?このことばはあまり使わないような気がします。日本語のネイティブスピーカーとしては、どのように表現するかことばが思い浮かびません。恐らく英語のような特定の表現はないのではと思います。

でもそのようなことばがないからといって、英語の"dog ear"のことが理解できないわけではありません。

以前にも「英語の世界観」でふれたことですが、何か新しいものやことができると、その名前が必要になります。でも、そのつどまったく新しいことばを作っていくとことばが膨大になってしまいます。そのためすでにあるもの、今回の表現では「犬」という動物の「耳」にたとえて、"dog ear"としていると考えられます。


今回"dog ear"でも、どのように英語が世界をみているかが分かると思います。