今日は基本的な単語を考えてみたいと思います。
"teacher"です。
日本語では「先生」「教師」という訳を記憶しているでしょう。
英語の"teacher"は、動詞の"teach"「教える」に、"-er"という「人」を表す接尾辞がついたものです。ここから考えると「教える人」→「教師」となることが分かるでしょう。
一応ロングマン英英辞典(Active Study)で"teacher"の意味を確認しておきましょう。
someone whose job is to teach
この説明でも、「教える」ということがポイントとなっています。
それに対し日本語の「先生」はどうでしょうか。
国語辞典を見てみると、「先に生まれた人」「相手(生徒)より先に勉強をした人」ということが書かれています。つまり字のごとく、「先」に「生」まれたということがもともとの意味ではないかと思います。生徒よりも先に生まれ、その教科を先に勉強しているということであって、英語の"teacher"ように「教える」ということがポイントではないことが、「先生」ということばからは感じられます。
恐らく英語話者からみると、"teacher"ということばでとらえた人に対して、日本人のように「先に生まれた人」という感覚はない、もしくは低いでしょう。
今回の"teacher"と「先生」の比較で分かることは、世界の区切り方がことばによって異なることです。英語では"teacher"ということばである人を指し、日本語では「先生」ということばである人を指すのです。仮に同じ人を指したとしても、そのとらえ方が英語と日本語では微妙に異なるのです。なので、"teacher"=「先生」と考えない方がいいでしょう。