"deer"の語源と意味変化 | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日は"deer"という単語を取り上げます。

これは「シカ」という意味ですが、昔は違いました。

古い英語、古英語の時は、「動物」という意味で用いられていました。
ある説によると、その当時狩りをする対象が「シカ」だったことから、もともとの「動物」という意味から現在の「シカ」という意味になった様です。

つまり意味が狭まったのです。
広い範囲を指す「動物」という意味から、その一部の狭い範囲を指す「シカ」へと、意味領域が変化したのです。

そして現在「動物」を表す一般的なことばである"animal"は、14世紀ころにラテン語の「生きているもの」から入ってきました。

英語の歴史的に考えてみると、様々なことばが英語に入ってきています。民族の侵入であったり、戦争であったりと、色々な過程で英語の語彙が増えていったのです。そうすると、同じようなことを表すことばが二つあるようなことがでてきます。でも言語の性質上同じことばは二つある必要はないので、どちらかの意味が変わっていくのがたいていです。もしかすると、"deer"も"animal"ということばが入ってきたことが、意味変化の原因の一つではないかと思います。これは推測であって、詳しく調べなければ真相は分かりません...。


今回は"deer"について見ましたが、歴史的に意味変化が起こる時には、何か背景があるということを覚えておくといいでしょう。