弱者たる男性よりも幸福な女性を優遇する日本の政治 | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

「日本女性は抑圧されているのだー」と叫ぶ人が多い。安倍政権の人気取りのための女性「活用」の掛け声でそのようなことを言う人たちがますます勢いづいているように見える。

女性は抑圧されているから企業の管理職・役員、国会議員に地方議員までクオータ制を!、育休を3年間認めましょう!もっともっと保育所を国の税金で整備しましょう。とどこまでも際限のない要求が出てくる。人気取りが一番の安倍政権は結構まじめにこれにこたえようとしているのだから、どこが保守なのかといいたくなるのは僕だけではあるまい。

そんなに女性は不幸なのか?一般的には女性は不幸にならない。男性は30前後が幸福度のピークでその後はいかに収入が増えようとも40代程度で人生最大の不幸な時間を迎えるという。もちろん、相対的な幸福度で男性は常に女性にかなわないのは世界的な常識だしみなさんの実感にもあっているのではないだろうか?

ブロゴスでこんな記事を発見した。

世界一、男より女が幸せな日本

先日、NHKのクローズアップ現代で「男はつらいよ」と題した特集が組まれていた。そこでも紹介されていたが、日本は女性よりも男性のほうが幸福度が低 い。世界価値観調査によると、その男女差は世界一だ。相対的に男が幸せでない国、逆に言えば、女が幸せな国なのが日本なのである。

この調査結果は意外にも思える。世界経済フォーラムが発表しているジェンダー・ギャップ指数では、日本は136カ国中105位と最下位層に位置し、いかにも女性が不幸に陥れられているような印象を受ける。

し かし、世界価値観値調査(2010)では、「非常に幸せ」および「やや幸せ」と回答した女性は90.4%、男性は82.2%と、8.2ポイント女性の方が 高い。内閣府の男女共同参画白書の調査(2010)でもこの傾向は同様で、「現在幸せである」と回答したのは女性が34.8%なのに対して、男性は 28.1%だ
。(ブロゴスより引用)

ということらしい。世界的に女性のほうが男性よりも幸福感は強いが日本はその傾向がさらにすごいという。

日本女性は抑圧されているので各種の優遇策が必要だなどといっている人はこれをどう解釈するのだろうか?笑

これだけ自殺が社会問題になっている中で(当然自殺するのは圧倒的に男性だ)、弱者救済こそが政治の役割と考えるならばすでに十分幸福な女性の活用とやらにお金をかける暇があったら予算をもっと男性の不幸解消・自殺を減らすことにかけたほうがいいのではないか。(もちろん、個人的にはどちらに対しても余計な予算をかけるなという立場ではあるがあえて比べるのならどう考えても政府は根拠のある弱者救済にお金を費やすべきだと思う。)

一方で以前こんな記事も書いた。

女性も大変な時代か?

「女性の寿命の伸びが止まった。」か、それとも女性の寿命が縮み始めた。という内容だったと思う。

一般的に、男性のほうがストレスなどが多いから、寿命が短いと解説される。僕はそれを読んで、働く女性が増えているのでストレスを感じる女性が増えており、それによって寿命が縮んでいるんだろうと単純に考えた。

それ自体はそれほど間違いではないだろう。

ただ、以前に紹介したインセンティブ 自分と世界をうまく動かす というタイラーコーエンの本でこのような一説があった。

カ ウンター・シグナルになりうる多くのものは、服装や外見を変えるものになるため、女性のシグナリングのほうが難しく、競争も激しくなる。男はこぎれいな スーツを身につければ済むが、女性は服を選び、イメージを保たなうてはならない。シグナリングが複雑であるということは、女性の人生のほうが楽しく、彩り があると同時に、ストレスも多いということかもしれない。


ということだ。女性が働き始めれば女性もまたストレスをより感じ始めるかもしれない。(このあたりはまた近々書いてみたい。)女性よ働けは女性を不幸にする政策なのかなあと思ったりもする。一方で、経済的事情、労働環境の変化、産業構造の変化、家事にかかる時間がかなり減ったことを考えれば自由な選択として女性はますます働くようになるだろうことも想像に難くない。

女性よ働け、女性の活用だと世界一不幸な男性を放っておいて女性優遇策ばかりに走るのはいかがなものかと僕は思う。どう考えても政治の役割を正しく理解していない。それが経済発展につながるというのならば、適切な市場機能が働くことによって女性労働者は放っておいても増えていくのだから政府が介入する必要はないのだ。

そして、強制的に女性を働かせることで女性の不幸度合も上がっていくかもしれない。不思議な世の中であると僕は思うのだが、みなさんいかがだろうか?