誰のための最低賃金か | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


Mankiwがこんなことを書いていたので皆さんもちょっと立ち止まって考えてほしい。(Cafe Hyek 経由)


PLAN A The government subsidizes the incomes of low-wage workers. These subsidies are financed by increasing taxes on middle- and upper-income Americans.

 

PLAN B The government again subsidizes the incomes of low-wage workers. But under this plan, the subsidies are financed by taxing those companies that hire low-wage workers.


プランA:政府が低賃金の労働者に給付金を出す。その給付金は中高所得者への税で賄われる。

プランB:政府が低賃金労働者に給付金を出す。しかし今度は給付金は低賃金の労働者を雇用している企業への税金で賄われる。


という問いかけを彼はしていた。


さて、みなさんはどちらがフェアでどちらが本当に低賃金労働者を助けることになると思うだろうか?


もちろん、これは日本の場合にも当てはまる。日本でも最低賃金引き上げを主張する人やそれに賛同する人は多い。でも普通に考えると低賃金労働者を雇っているのは大企業以上に中小企業なはずだ。あるいは、ブラックな企業が多いとされる飲食業界なんてのもそうだろう。


中小企業が必ずしも弱者とは思わないが、それでも彼らを圧迫すれば相対的には弱者を圧迫することになる。飲食業のクビをしめればさらにブラックな労働を彼らは労働者や名ばかりの店長に押し付けるかもしれない。


最低賃金の目的は明らかに高所得者から低所得者への所得の移転なのだから、その目的に照らしてBのやり方は正しくないというのは明白だ。


だから弱者保護・救済を政治が行うべきだと考えている人もプランB=最低賃金引き上げではなくてプランA=負の所得税やベーシックインカムを支持すべきだと思うのだが、最低賃金引き上げを支持する左派のみなさん、どうでしょうか?