日曜に当ブログでは民主党の代表戦でますます政治に興味を失った。全員経済オンチで短期的な視点しか持ってないとコケおろした。(ますます政治に興味がなくなる民主党代表選)
しかし、代表選に勝利した個人的には「野田氏」にはちょっとだけ期待している。実を言うと。
まず、彼はA級戦犯の靖国合祀などを問題としていないと過去に発言している。正しい歴史観と理由はどうであれ国のために戦い命を失った人々に敬意を表するという人間として当然のあるべき心情と信念を持っている。まあ、首相になって靖国神社に参拝するかといえば。。。。しないだろうな。。。
福田氏から始まり、麻生・鳩山・菅直人と何がやりたいのかわからない首相が続いてきた。(個人的には麻生氏は好きだが、その経済政策は評価するに値しない)みな、ほとんど理念がなく最重要の経済政策や財政政策が滅茶苦茶であった。
しかし、野田氏はそうではないように僕には思える。財務省の言いなりだとの批判もあろう。しかし、政治家の間にも対立があり省庁間にも対立があるならば、うまく特定の省と仲良くやっていく必要はあるだろう。残念ながらそれが政治というものだ。まして、財政再建を行いたいと思うのならば財務省と仲良くしなければ実行不可能だろう。財務省の利権をぶっ壊すのはその先の総理大臣がやればいいだけだ。
話がそれたが、小さな政府を支持する人は増税に対して反対する人も多いだろう。増税ありきに進め方ではその前に必要な無駄削減が行えないとの批判もあろう。それは理想論としては正しいし、僕も大いに同意する。(ちなみに復興財源に関しては個人向け復興国債で担うべきと考えている。
東日本復興国債を発行せよ!)
しかし、現実的に考えれば社会保障費を急激に削減することは不可能であることは明白だ。また、日本の財政の規模はGDP対比で見れば世界的にもすでに十分に小さな政府である。
(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5194.htmlより)
もちろん、僕の思いはもっと政府の支出を削減し政府の規模を縮小すべきと考えているが、現実問題としてはある一定程度の社会保障を実現し財政を再建するためには歳入を増やしていくしか手がないと思っている。
もちろん、野田氏は手放しの増税を支持しているわけではない。当然ながら無駄削減を掲げている。しかも、この政府の規模をめぐる議論は社会保障費と一体化して考え、両者のあり方をいかなるものにしていくかを考えねばならないのはいうまでもない。野田氏は社会保障と税の一体改革に積極的な考え方を示している点も非常に好意を持てる。
理想的には消費税を上げながら、法人税と所得税を引き下げ社会保障費を削減してほしいが、それは民主党の支持層を考えれば難しいだろう。消費税を上げながら、複雑になりすぎた税控除・給付金・補助金を徹底的にスリムにし、同時に法人税の引き下げが行えれば理想だろう。過剰な生活保護や無駄な就労支援を切り捨てて、負の所得税を導入できるところまでいければ素晴らしい。(まあ、それは無理だろうな。。。)
震災復興には特区制度やPFIを積極的に利用としている点も非常に好感が持てる。
また、一部の候補は日銀の専権事項である金融政策にあからさまに言及していた。しかし、野田氏はもちろん金融緩和への期待をにじませるものの、節度を持って日銀の独立性を尊重する主張を述べた。このあたりも好感が持てる。
法人税を5%引き下げとも述べておりこのあたりは財務省の言いなりではないといえるだろう。また、期待したいのはTPPと規制緩和の促進である。TPPに対してはあいまいな態度だが明確に支持を表明してほしい。できれば盟友である前原氏をTPP担当大臣にでも任命して気概を示してほしい。(前原氏にそこまでの実務能力があるかは微妙だが。。。)
いずれにしても鳩山や菅よりは百倍くらいましである。そして、小沢一郎という田中角栄の系譜を引く終わってしまっているはずの利権政治家の力の衰えがこれで明らかになったとしたら日本の政治にとってこんないいことはないだろう。望むらくは挙党一致などといったおかしな理想にこだわらず、理念を一致する若手を中心に大胆な人事を行ってほしい。
地味だが民主党にあっては保守派であり、民主党の本来のあるべき政策を受け継いでいる。民主党だったら自民党のほうがましだと以前から考えている僕ではあるが、野田佳彦氏には「少しだけ」期待している。少なくとも時間を与えてその仕事っぷりを見てみたいとおもえる久々の首相であると僕は思っている。
本も出してるみたいなので今度読んでみます↓
民主の敵―政権交代に大義あり (新潮新書)
※8月31日加筆修正
にほんブログ村
&