日本が変な資本主義の国だって? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

東電の賠償スキームが政府から発表された。

東電賠償スキーム、事実上株主・社債権者などを免責

政府が13日発表した福島第1原子力発電所事故による東京電力の損害賠償支援スキームは、株主や社債権者などの各ステークホルダーを事実上、免責するものとなった。巨額の損害賠償が発生し、債務超過に陥れば優先・劣 後関係の中で損失を負担していくのが金融市場の原則だが、”too big to fail”(大きすぎて潰せない)との主張の前に、最初にき損されるべき株主も守られるスキームだ。「リスク・リターンの原則もないがしろ。究極のモラル ハザード案」(外資系証券幹部)との指摘も出ている。(ロイターより引用)

株主も債権者も免責。電力会社がすべて一緒になって負担。(原発のない沖縄電力は除く)。そして国民が負担すると。東電の年金は・・・・??etc......

誰がどう見ても納得がいかないおかしな内容ということができそうだ。僕自身も、東電を免責すべきでないとしてきたし、国民負担の前に株主・債権者が負担を負うべきと考えている。(それが小口投資家であってもだ)

金融機関には政府が金利減免などの負担を要請したようではあるが・・・。なぜ、株主よりも先なのだろうか・・・。

いろいろと腑に落ちない点が多いし、実際早速非難の嵐が起こっている。株主にもきっちりと責任を負わせるべきと思っている僕は正直この世論の動きを見て安心した。

しかし、こういった状態を見て、「やっぱ、日本は変だ。」「日本は社会主義国家だ」と叫ぶのはどういうことだろうか?

こういう状態になると、なぜか日本は変な国だからダメなんだ。ということを言い出す人が多くいる。

しかし、本当にそうなのだろうか?

今回の欧州ソブリン危機を見れば、そうではないことがまずわかる。欧州でも同様のことをやっている。民間の債権保有者に責任を取らせる前に国民の税金をつぎ込んで、財政悪化から資金調達難に陥った国に融資を行っている。

また、リーマンショック を思い出してみればいい。欧米諸国は株主の責任や民間の債権者の責任を問う前に公的資金を金融機関に注入した。

しかも、最初にベアスターンズは助け、リーマンはつぶし、AIGは助けた。その上、噂だが、バンクオブアメリカにメリルリンチを買収するように政府が強制したという話もあった。何がなんだかわらからないとはこのことではないか?

LTCM危機 なんてのもそうだろう。規模がでかすぎたとはいえ、ヘッジファンドの救済を強制するとはこれいかに。また、GM やクライスラーにもつなぎ融資という形だが、金融危機時に公的資金が投入された。

まあ、これらは金融危機だから違うんだという主張も成り立つかもしれない。

でもまあ、実際のところは市場への国家の介入。あるいは市場原理をゆがめるような介入を欧米諸国も行っている。市場を重視する人間からしたらそこには明確なルールもなく、どれも所詮政治の妥協の産物で何がなんだかわからない。

それなのに、変に卑屈になって「日本は変な資本主義の国だから・・・・」とか「外国人が見たらびっくりだ。」というのはちょっとおかしいだろう。変なことをする政府は別に日本だけじゃない。(もちろん、それでも今回のスキームはわけがわからんというのはわかるけれども。。。)

そんなことはどうでもいい。正々堂々と「市場規律を保つためにまずは株主責任。そして、その上で債権者に責任を取らせよ。その後に国民負担である」と我々は言うべきだろう。

そういった自己責任の精神は日本人の美徳の一つであると僕は思っている。だから、政府はおかしな案を出してきたが、それに今反対という国民の声も強いようだから、むしろ日本はまともな国といえることがきるのではないだろうか?

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