教育の自由がないから塾や私立学校が必要になるのではないだろうか | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

多くの人が教育の大切さを語る。あるべき教育というのはそれぞれの人によってイメージ像が違うはずだ。

今回、結婚されたケイト妃は当初女子校に通っていたがそこではなじめず、共学の学校に転向してから活き活きとしたという。(教室から男子生徒にお尻を見せて楽しんだこともあるといううわさも。笑)

一方で、かなり前だが、テレグラフ紙にこういう記事が出ていた。

I was lucky that my school was dominated by women

女子校に通えてよかったというコラムである。

どのような教育がその人にあうかは人それぞれである。そして教育を受ける側には義務教育であろうがなんであろうが、選択する権利があるはずだ。だが、今の日本の公立学校にはそれがない。

その一方で教育を提供する学校の競争、また先生間の競争の大切さを多くの日本人が感じている。それはイギリスでも同じのようだ。どこの国でも公立学校の教師というのはイマイチ真面目に働いてないと見られがちである。

言うまでもなく公立学校にも、もっと競争の原理が持ち込まれたほうがよりよい教育が行われる可能性が高い。もちろん、ここでいう競争とはただ単なる受験競争ではない。子どもとそして子どもに教育を受けさせる親のニーズに合わせた教育サービスを提供するという意味における競争である。

様々な子どもがいて様々な親がいて、いろんな教育の方法がある。

しかし、残念ながら現在の日本の制度においては私立の学校に入れない限りは小中学校の段階においては学校の選択をするのは難しいのが現実だ。教育を受ける側に選択肢が無いということは提供する側は無条件に選択されるから競争をするインセンティブがほとんどないということになる。

いくら成績を上げましょうといって全国一斉のテストを実施して成績を公表しても、別に成績が悪くても怒られるだけで学校がつぶれるわけでもないというのならば、よりよい教育をしようというインセンティブはそこまで高まらないだろう。

スウェーデンではフリースクールという制度が大きく成功を収めているとされる。それを見本にアメリカも一部でチャータースクールというのが取り入れられ、イギリスでも同様の制度が保守党政権によって導入されようとしている。(参考記事→スウェーデンのフリースクール制度から学ぶ

どういう制度かというと、子供に入る学校を選ぶ権利を与える。そして、学校側には子供1人が入学すれば一人当たりの年間授業料を国が出す。子供は授業料を払う必要はない。学校側は経営努力でコストカットをして利益を出してもよいし、入学希望者が多い場合にはチェーン展開してもよい。

すなわち、いい教育を行い多くの人に選択される学校はどんどん学校を増やして行けることができ、より利益を上げることができるわけだ。その結果、学校間の競争はより高まり、より質のいい教育が提供される可能性が高まる。

もちろん、教育方法は自由であるから、男子校でも女子校でも共学でもよい。

一方で、子供は私立学校と違って自分でお金を出す必要がないので、低所得者層の子供でもいい教育/多様な教育を受けることができる可能性が高まる。

もちろん、この案には教師の組合が各国で反対している。競争させられるといやだからだ。日本でやろうとしたら日教組が大反対することは間違いないだろう。

しかし、供給側により競争の原理を取り入れる。同時に教育を受ける側に低所得者層の子供でも学校を選択し、よりよい教育を受ける権利を与えることができるこの制度はぜひ導入すべきだろう。

公立学校の体たらくを見るにつけ、そう思うのだが、こういった主張をしている政治家は日本には残念ながら少ないように思える。

日本の教育をめぐる政治的議論は「あるべき教育とは何か?」という理念のみを競っているだけで、教育を受ける側のニーズに対応していこうという様子はあまり見られない。しかし、ニーズは本来は多様であるはずだし、子供の個性によってどういう教育がベストかは違うはずだ。

その結果、迷走する公立学校は凋落し、私立学校に塾。競争にさらされた(教育の)供給者がどんどん力を増して、教育に金がかかる状態になってしまっているのである。

日本の教育の在り方を建て直し、塾や私立にやらなくてもいいようにするためにはやはり教育を受ける側に選ぶ権利を与え、サービスを供給する側には競争原理を持ち込む。これしかないのではないだろうか?

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